高市早苗が安倍官邸の意向で民主主義破壊のトンデモ国会改革案! スキャンダルは野放し強行採決もやり放題

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「押しボタン方式」で野党の抵抗封じ強行採決もスムーズに

 前述したように、高市議運委員長は改革案のひとつとして「押しボタン方式」の導入を挙げ、その理由を〈バリアフリー化〉〈障害をお持ちの議員・怪我治療中の議員も含めて投票を容易化〉などともっともらしく書いている。だが、じつのところ、目的は違うところにある。押しボタン方式の導入には、野党の抵抗戦術のひとつである「牛歩」を阻止しようという目的があるのだ。

 実際、牛歩を封じ込める目的で押しボタン方式を導入すべきだと与党・自民党は昭和30年代から主張し、参院では1998年に押しボタン方式が導入された。だが、2010年には自民党の若林正俊・元農相が席を外していた隣の青木幹雄・元自民党参院議員会長の投票ボタンを10回押しつづけるという不正行為が発覚して議員辞職するなど、押しボタン方式導入による倫理観の低下も問題化している。自民党はそんな問題を起こしたというのに、高市議運委員長は牛歩阻止のための押しボタン方式導入をもち出したのである。

 その上、高市案を読むと、ペーパレス化のためのタブレット購入や押しボタン方式の導入も、〈費用については、既に財務省事務次官・主計局長と交渉し、財務省は了承済み〉と書いている。つまり、“もう話はついている”というのである。

 にもかかわらず、高市議運委員長は、ペーパレス化による印刷費の節減費を「1300万円」と見積もっている一方、ダブレットや押しボタン方式の導入にかかる費用については一切書いていない。国会関係者によると「ざっと見積ってみたところ、導入費は合わせて数億円にのぼる」と言うが、そんなものを勝手に財務省と交渉すること自体、議運委員長の職務逸脱と言わざるを得ないだろう。

 こんな無茶苦茶な提案の公表を一方的におこなったのだから、高市議運委員長は撤回・謝罪どころか、解任だっておかしくはない大問題だ。しかし、高市議運委員長は、野党から撤回と謝罪を求められた際も「私的なメモだ」と述べて突っぱね、文書を撤回したあとも「改革の気持ちは変わらない。各会派で議論いただきたい」などと言い放った。まったく反省していないのである。

 ようするに、こういうことだ。内容から考えても、この国会改革案は高市議運委員長のスタンドプレーなどではなく、安倍官邸の意向が反映されていることは明白だろう。今回は一応、撤回したが、この国会を蹂躙する案が今後いつ息を吹き返しても、まったく不思議はないのだ。

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