憲法審査会で自民党議員が「天皇の地位は神勅」「国民が議論するな」の戦前回帰主張! 実は安倍首相も過去に同様の発言

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 しかもヤバいのは、安藤議員は国民の代表たる国会議員でありながら、その“神話から続く天皇の地位”について国民が口を出すのはおかしいとまで言ってのけていることだ。

「私は皇室の在り方や譲位について国民的議論の対象になること自体に、少し違和感を感じています。皇位継承の在り方について、天皇陛下の譲位について私たちが口を挟むべき内容なのか」
「(天皇という)日本の最高の権威が国権の最高機関である国会の下に置かれている」

 いったい、いつの話をしているのか。いうまでもなく日本国憲法第1条は《天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く》というもので、条文が意味するとおり、象徴天皇制と国民主権を明記している。つまり、国民は天皇制の存廃も含めて議論し、その総意のもとで天皇は、統治者ではなく「象徴」として成り立っているのである。

 しかし、安藤議員は“皇室議論は国民が口を出すことではない”“国会より天皇が下なんておかしい”などと言っているのだ。これは、完全に明治憲法の天皇主権の考え方である。こんな人物が現憲法下で国会議員になり、与党の一員であること自体、そうとうな異常事態であるとしか言いようがない。

 とはいえ、これは氷山の一角とみるべきだろう。安藤議員は日本会議国会議員懇談会、神道政治連盟国会議員懇談会、みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会などの議連に参加する極右議員だが、連中は明治政府ばりに天皇の「権威」を政治利用し、日本を神話に基づくカルト国家に仕立て上げようともくろんでいる。実際、森喜朗首相(当時)のいわゆる「日本は天皇を中心とした神の国」発言があったのも神政連議連結成30周年祝賀会でのことだった。

 また、やはり日本会議議連や神政連議連に所属する稲田朋美防衛相は、今月3日、「明治の日推進協議会」なる団体の決起集会のなかでこう述べた。

「神武天皇の偉業に立ち戻り、日本のよき伝統を守りながら改革を進めるのが明治維新の精神だった。その精神を取り戻すべく、心を一つに頑張りたい」

 さらに安倍首相自身、今回の安藤議員が憲法審査会で言ったこととほぼ同じ趣旨をかつて月刊誌で記している。自民党下野時、「文藝春秋」(文藝春秋)2012年2月号で、民主党(当時)による女性宮家創設議論および皇室典範改正に反対し、「二千年以上の歴史を持つ皇室と、たかだか六十年あまりの歴史しかもたない憲法や、移ろいやすい世論を、同断に論じることはナンセンスでしかない」などとのたまっていたのだ。そんな立憲主義や国民主権をないがしろにする男が、いま現在、日本の首相をやっているという事実は恐怖以外の何ものでもない。

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