流行語大賞への「安倍、安保批判が多すぎ」クレームは的外れ! 政治ワードは昔から、逆に風刺を許さない風潮が

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 また、「国民の理解が深まっていない」「レッテル貼り」「早く質問しろよ」は、すべて安倍首相の発言で、これらの言葉を駆使して国民世論を無視したという、じつに2015年の政治状況を象徴する言葉だ。そして、この夏、大規模なデモが市民のあいだから起こったことも同様に今年の大きなトピックであることは誰もが認めるところで、「I am not ABE」「アベ政治を許さない」「戦争法案」「自民党、感じ悪いよね」「シールズ(SEALDs)」「とりま、廃案」が入るのもけっして不自然ではない。

 繰り返すが、安保法制は今後の日本を左右する重大事項であり、安倍首相は国民の大多数が反対していたにもかかわらず一方的に押し通すという歴史に残る“荒技”を披露し、その結果、政治に無関心と言われつづけた若者を筆頭に市民が大規模な反対運動を全国で展開するという現象を生み出した。──2015年という年を言葉で表すのならば、これらの言葉が候補に選ばれるのはごくごく普通のことなのだ。

 むしろ、こうした言葉が候補に選ばれ、「政治色が強い」だの「批判に傾きすぎ」だのと過敏になること自体が、第二次安倍政権以降、社会を覆う“公の場での政治批判はNG”という空気が感じられてならない。こうした顛末も含めて、2015年という年の“異常さ”は、今後、記録・記憶されるべきだろう。
(水井多賀子)

最終更新:2018.10.18 03:40

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