不倫を社会問題として考える「不倫学」が登場! 不倫の本当の原因は? 不倫を予防するための方法とは?

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 そこでひとつめの「不倫ワクチン」の初級編として坂爪氏があげるのが、〈マスターベーションの充実〉による自己管理と、夫婦間での〈ハグやキスといったスキンシップを伴うコミュニケーション〉だ。

〈定期的なマスターベーションを通して自分の性欲を主体的に管理し、パートナーとの間に生じた齟齬や不満を埋めることで、性的欲求不満に基づく不倫の発生を未然に防ぐべし〉

 まずは「オナニーをしろ!」と、そういうことらしい。プラス、夫婦間のコミュニケーションが揃えば、夫婦間で〈挿入を伴うセックスがなくても(中略)不倫ワクチンにはなり得るかもしれない〉とする。

 しかし所詮、オナニーとセックスは別物である。絶頂には導けても、抱きたい&抱かれたい欲はどうしたって埋まるはずはない。坂爪氏も、〈相手と気持ちの通い合ったセックスがしたい、という欲求〉つまり、〈「性交欲」は満たせない〉と、限界を指摘している。

 さらに、ここでの「夫婦間のコミュニケーション」も、男女間でズレがあるのも問題の一つだという。男性は〈婚外の異性関係を分散・多角化することによって不倫を防止しようとする〉一方で、女性は〈配偶者とのコミュニケーションやセックスを改善・深化させることによって、不倫を防止しようとする傾向が〉あるという。

 確かに女性誌では、「夫とのセックスレス解消には時にはビッチな下着で」や「刺激的なフェラテクを覚えよう」などと謳うことも多い。

 しかし、〈そもそも多くの男性が「充実させたい」と考えているのは、婚内セックスではなく、婚前セックスや婚外セックスなのだから! この男女間のズレがある限り、「性生活に関する知識とテクニックを啓蒙することで、夫婦関係を改善しよう」という試みは、終わりなき負け戦になるのかもしれない〉のだ。

 そこで坂爪氏がもう一歩、踏み込んでワクチンとして提案するのが、〈リスクの少ない、制度化された婚外セックス〉と〈中毒性の低い擬似不倫体験〉だ。

 まず〈制度化された婚外セックス〉とは、かつて、古代から近代では祭りやイベントの際に行われていた、〈年に一度の非日常空間の中で、普段とは別の相手とセックスすることで、日常世界をリセット〉する目的を持つ乱交を指す。

 現代でも祭りは男女乱れるのが常であるし、フルムーンパーティなどは海外各地で行われている。しかし、これを現代の日本社会で制度化するのは、かなり難しいだろう。

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はじめての不倫学 「社会問題」として考える (光文社新書)

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