安倍首相宅放火未遂事件「18年目の真実」●山岡俊介(後編)

安倍首相は選挙妨害を依頼した前科8犯の男と密室で何を話したのか? 全容が記録された秘書の署名捺印入り文書が

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1通目の文書ではブローカーの要求に筆頭秘書が「安倍先生共々、最大限の努力」

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決定的物証の念書

 ひとつひとつ解説していこう。1通目は平成11年(99年)6月17日の日付のある「確認書」。前編で画像を公開したものだが、この文書には、小山サイドが安倍事務所に書面で要求を突きつけた上、6月14、15日の2日間にわたって、安倍事務所を訪問して、竹田筆頭秘書に対して回答を要求。それに対して、竹田筆頭秘書が返答した内容が記されていた。

「竹田先生発言内容」という見出しの下に①から⑦まで並んだ項目がそれだ。まず、ひとつめにはこんな記述がある。

〈① 此の度の佐伯氏(安倍事務所含)の一件、謝罪され、謝罪(佐伯氏をクビ)して済む問題ではないと思っておりますと言われた事。〉

 この平身低頭ぶりをみるだけでも、安倍事務所が小山に相当な借り、後ろ暗さがあることがよくわかるが、衝撃的なのは前編でも触れた2つめの項目だった。

〈② 古賀潰しの件(佐伯氏よりの依頼)安倍代議士に報告し、代議士含め小山会長とお話をさせて頂きたいと思っておりますと言われた事。〉

「古賀潰しを安倍代議士に報告」、これはつまり江島市長の対立候補である古賀候補への選挙妨害を安倍本人も知っていたことの証明ではないか。小山は選挙妨害の依頼を受けた際、“この件は安倍さんも含め安倍事務所全員の総意”と言われたと証言しているが、その証言の信憑性を裏付けるものと言えるだろう。

 そして、こうした背景があるためだろう、③では、安倍と直接、会わせろという小山の要求に対して〈此の度の件(古賀問題含め)安倍代議士と小山会長がお会い出来るよう必ず調整しますとの事〉と、全面的に実現を約束しているのだ。

 この文書には、ほかにも、安倍事務所が小山からさまざまな要求をつきつけられている様子がうかがえる。⑤の〈亀田先生の件、(中略)小山会長と一緒に話合いをし、亀田先生の今後を安倍先生共々、最大限の努力をしますとの事。(後略)〉もそうだ。

 亀田先生とは、下関市長選の第三の候補者、亀田博・元下関市長(現・下関市市議会副議長)のこと。実は、小山は市長選では、江島ではなく亀田を応援していた。安倍事務所の依頼で古賀への選挙妨害を行ったのは、佐伯秘書から古賀への攻撃が亀田への支援になるかのかのように騙された結果だったという。

 だが、市長選で安倍は亀田のことを一切支援せず、自民党は推薦を江島に一本化。結局、亀田は最下位で落選した。その事に腹を立てた小山が、亀田の再就職の世話、さらに亀田の債務の肩代わりを安倍事務所に要求していた。当時、亀田は市長時代に立ち上げた日韓高速フェリーで行政訴訟を起こされ、敗訴。個人で8億5千万円の損害賠償支払いの命令が下されていた(のちに最高裁で逆転勝訴)。
(もっとも、この点については、亀田の名前を利用しだだけとの説もある)。

 これに対して、竹田筆頭秘書は〈亀田先生の今後を安倍先生共々、最大限の努力をします〉と回答している。

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