福島・南相馬で「書店」を開店…芥川賞作家・柳美里の無責任マスコミとは真逆な被災地への姿勢

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柳美里『飼う人』(文藝春秋)

 あす、3月11日で2011年の東日本大震災から7年が経つ。これだけの月日が流れたが、解決すべき問題は遅々として進展しない。

 いまも7万人を超える人が避難生活を送り、また、被災地では人手不足に加え、東京五輪関連の建設ラッシュのせいで工事費が高騰、公共工事の入札不調が相次ぐなど、復興が遅れている。とくに福島県の場合は、原発事故の影響でいまだ5万人近くの人が避難生活を続けている状況だ。

 国は1年前、福島の11市町村に出した避難指示について帰還困難区域を除いて解除したが、しかし、帰還する人はほとんどいない。除染も進んでおらず、いまだ高い線量の数値を示す場所も多く、帰還をためらわずにはいられない状況だからだ。実際、自主避難している人の8割がそのまま県外への避難を継続していると見られている。

 安倍政権は、さらなる被曝の危険性を無視し、除染さえ進んでいない土地に住民を“強制送還”し、まるで原発事故などなかったことにしようとしているのだ。

 国がこうした被災者軽視の対応をとる一方、この震災をめぐっては国内外問わず多くの文化人が支援に乗り出し、災害で傷ついた人々に勇気を与えた。そのなかでもとくに尽力し、ついには福島県南相馬市へ移住まで果たしたうえ、さらに今年4月にはその地で書店「フルハウス」を開店するにいたったのが、芥川賞作家の柳美里氏だ。

 そもそも、この出版不況で本が売れない時代に、なぜ柳美里氏は書店を開店させるのだろうか。柳氏は「SPA!」(扶桑社)18年3月13日号の取材にこのように答えている。

「人間にとって必要なのは衣食住だけじゃない。文化的なものや遊びの部分も大事です。そんな地域の文化拠点になればいいな、と。それからこの町には人が少なく、夕方を過ぎると通りは真っ暗。学校帰りの高校生たちが電車や親の迎えを待っている間の居場所にもしたい。おしゃべりをして、ただいるだけでもいいんです」

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