北九州一家監禁殺害事件“犯人夫婦の息子”の告白! 9歳の子どもを襲ったセーフティネットなき日本社会の冷酷

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『ザ・ノンフィクション』で告白する”息子”


 北九州一家監禁殺害事件。2002年に発覚したこの事件は日本犯罪史でも類を見ない凄惨なものだ。主犯である松永太(2011年に死刑が確定)は内縁の妻である緒方純子(無期懲役)の親族らを相手の弱みにつけ込むなどして監禁、暴力や巧みなマインドコントロールで、自らは手をくだすことなく、子どもを含む7人を家族間などで殺害させたという戦慄すべき事件だった。
 
 今年10月、この事件に関するあるドキュメントが放送され、大きな反響を呼んだ。それが主犯の松永と緒方のあいだに生まれた実の“息子”が、事件や両親について初めて告白したドキュメント『ザ・ノンフィクション 人殺しの息子と呼ばれて…』(フジテレビ・関東ローカル10月15日、10月22日放送)だ。息子の告白では、自身も幼少期から両親によって虐待、監禁され、さらに殺害現場を目撃するなど、壮絶な体験が語られていた。

 そんな『ザ・ノンフクション』だが、今夜21時、“息子”への新たなインタビューに加え前作2編を再編集したスペシャルドキュメンタリー『ザ・ノンフィクションSP 人殺しの息子と呼ばれて…』が全国放送される。フジの告知によると、前回の放送後、“息子”に再びインタビューを行い、母親である緒方からの未公開の手紙なども紹介されるという。

 本サイトは10月のドキュメンタリー放送直後、この番組について取り上げ記事化している。“息子”の赤裸々な告白から浮かび上がってきたのは、事件の壮絶さだけでなく、両親の逮捕後、“犯罪加害者の子ども”“親がいない子”となった当時9歳の“息子”が置かれた過酷な環境、そして日本の絶望的な社会保障やセーフティネットの欠如だったからだ。

 たまたま両親が犯罪者だっただけで本人にはなんの落ち度もないにもかかわらず、社会保障やセーフティネットの外に置かれてしまった当事者である“息子”。彼が身をもって語った証言は非常に貴重なものだった。「有名な殺人事件の犯罪者の家族」という特殊な個人の体験ということにとどまらず、弱者を徹底的に排除するこの日本社会のなかでいったんセーフティネットの外側にはじき出されるとどういう事態に陥るのか。まさに、いま日本社会が抱える問題を、克明に冷静に語った“息子”の勇気ある告白を紹介した記事を、あらためて以下に再録するので、ご一読いただきたい。
(編集部)

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