長谷川豊はとうとう全番組降板も…背後にいた“医療自己責任論”を叫ぶ若手医者グループは逃走

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 のっけから完全なデマである。40兆円という数字は患者の負担分や社会保険からの支出も含めた総額であり、そのうちの国の負担分は約4分の1。国の税収全体における比率を計算すると約20%ということになる。それを税収の80%を医療費に使っているなどというのは、世論をミスリードしようという意図が見え見えではないか。さらに、O氏はこんなことを言い始める。

〈・totalの医療費は他国と比べて平均くらい ・受診回数は圧倒的に多い というわけで、そこからはじき出されてくる答えは、そう。医療費の単価が安すぎる!!ってことです。ここ、めちゃ強調ポイントなんで、もう一回いっとく! せーの!(笑) 医療費の単価が安すぎる!!〉

 ようするに、O氏は政府支出を問題にしているではなく、医療費の単価が安すぎる、つまり、医者や病院の儲けが少なすぎると言っているのだ。完全に「医者の側の論理」丸出しである。

 また、O氏は副理事のY氏とともに今年4月、インターネットテレビ「AbemaTV」が配信している長谷川の番組『激論!! 長谷川豊の本気論、本音論TV』に「医信」の代表として出演していたが、その際もこのような持論を展開していた。

「日本は単価あたりの医療費がすごい安いですし、先ほど申しましたように、自分のプライベート、支出、自分の個人の負担率というのがよけいに低いわけですから、なのでその、医療に対する、受診ということに対するそのバリアがすごい低いんですよね」
「日本の悪いところはやっぱり、いまのこのセーフティネットがよさすぎて、そこに甘えてしまってる現状があると。これはやっぱり、それを見直していかないと次の世代だったりとか、これからの医療には繋がっていかないですよってのが、僕たち(「医信」)の訴えているとこの本音ですよね」

 現状でもすでに貧困層は保険料を支払えず受診抑制が起こっているが、彼らはその現実をまったく無視。逆に、社会保険制度を見直して、貧乏人が病院に行けない状況をさらに推し進め、患者を減らせと言っているのだ。

 いずれにしても、今回、長谷川が繰り出した「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!」というアジテーションのバックボーンに、この「医信」なる集団の“患者負担を上げろ”“患者はみだりに診療に来るな”という主張があるのは明らかだろう。しかも、彼らは長谷川と一体になって「糖尿病患者を公費で面倒見る必要なし」と言いながら、いざ問題になると、すべてのコンテンツを閉じて、遁走してしまった。まったく卑劣と言うしかない。

 だが、もっとうんざりさせられるのは、こういう医療自己責任論に賛同する医者が、この「医信」以外にも結構いることだろう。実際、医師同士の勉強会や懇親会では同様のセリフが頻繁に飛び交っているし、若手の開業医を中心に、「医療単価をあげて、社会保険制度を見直せ」と主張する医師は急増しているという。しかも、このような「医療亡国論」を唱える医師に限って、金儲けに余念がないらしい。

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