GDPマイナスは当然! アベノミクスのまやかしはデータが証明していた

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『アベノミクスと暮らしのゆくえ』(岩波ブックレット)

 解散・総選挙を控えて発表されたGDPがまさかの二期連続マイナスだったということで、与党関係者や御用マスコミの間で動揺が広がっている。

「“消費増税による落ち込みは夏から回復する”という政府予測の見込み違いはすでにわかっていましたが、消費税で大幅に落ち込んだ前回よりは、微増に転じると思われていた。それがマイナスですからね。政府は天気のせいとか消費増税の影響力が続いているといっていますが、さすがに説得力がない」(全国紙経済部記者)

 しかし、これは驚くに値しない結果だ。そもそも、今回のGDP発表以前にさまざまなデータから、アベノミクスがまったく効果をあげられていないことはわかっていた。

 周知のように、アベノミクスは「第一の矢:大胆な金融政策」、「第二の矢:機動的な財政政策」、「第三の矢:民間投資を喚起する成長戦略」からなるが、『アベノミクスと暮らしのゆくえ』(山家悠紀夫/岩波ブックレット)によれば、これらはすべて的外れの矢ばかりで、どれひとつ目標を達成できていないという。

 まず、「第一の矢:大胆な金融政策」。これについては、株高・円安が生じているという指摘があるが、これは副次的な効果で本来の目的ではない。最大の目標は、金融緩和で民間貸出を増大させて、景気をよくすることだった。

「マネタリーベースの残高は、二〇一三年末で二〇二兆円であり、計画通り二〇〇兆円を超え、一二年末に比べ六四兆円増えています。それでは民間金融機関の貸出の方はどうでしょうか。二〇一二年末が四三四兆円で、一三年末が四四九兆円です。つまり、一五兆円しか増えていません」(同書より)

 したがって、景気(GDP・国内総生産)も「一二年一〇~一二月期の一二三兆円が一三年一〇~一二月期の一二五兆円となっており、二兆円の増加に止まっている」。

「第二の矢:機動的な財政政策」は「機動的」とは名ばかりで、実は、単なる「公共事業拡大政策」にすぎないという。

「この一年半の安倍内閣の財政政策を見ますと、ひたすら公共事業の拡大に努めているばかりだからです。『機動的』と言いますと、状況に応じて財政支出を増やしたり、減らしたりする臨機応変の政策ととれますが、実際はひたすら増やすばかりで、少しも『機動的』ではないのです。また『財政政策』と言いますと、所得再分配政策=社会保障政策も含むはずですが、こちらはひたすら削る一方で、公共事業は増やすばかりです。言葉の意味を知らないのか、あるいは知っていてごまかしているのか(おそらく後者でしょう)、『第二の矢』については正しくは『公共事業拡大政策』と呼ぶべきでしょう」(同書より)

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