【左巻き書店 夏のブックフェア】

この夏、ネトウヨに読ませたい三冊(1) 戦友を殺し、屍肉を食らう。それが戦場だ

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「あるとき、海岸近くのジャングルで十人ほどが腹ぺこで屯していた。そこへA軍曹がふらっと現れ、野豚の肉と塩を交換しないかと言ってきた。…その連中は早速交換に応じ、その肉を水たきにして食った。」
 その後、下士官BがAを追跡したまま行方不明になった。
「Aは簡単に自白したそうですが、二度目の肉はBを射殺し、自分で食った余りだったらしい。そして最初の肉も上官を殺したものだということまで話しだした。」
 そして、この証言者はこう語り続ける。
「日本人同士でも、人間が人を食わない理由はありません。兵隊は飢えていたのです。頭がおかしくなって、泥土を食うほど飢えていました。モラルは人間のつくった幻想でしょう。しかしあの島では、あらゆる幻想が消えていた。野戦病院で見たある下士官は、生きた野鼠を、その粗い毛を吐き出しながら食っていた。…一本の小さな芋を争って殺された兵隊もいます。」

 戦友を殺して人肉を食うなんてあり得るはずがない!と否定したいだろ。だが、かわいそうだが、フジサンケイグループの反共オピニオン誌「正論」(産経新聞出版)でも戦時中の人肉食を認めてるぜ。「戦後、マニラ東方山地にこもった振武集団の参謀長だった少将が、集団で人肉を食べた兵たちを銃殺刑にした事実を暴露した。」(「正論」平成17年9月号。Web版「正論」でこの記事は今も読める)。

 登場人物が語っている通り、戦争はモラルという幻想を吹き飛ばし、人肉を食らうところまで人間性を破壊するものなのだ。それでも、信じないやつは、明日の第2回を読め。もっとおそろしい現実にたたきこんでやろう。
(左巻き書店店主・赤井 歪)

●左巻き書店とは……ものすごい勢いで左に巻いている店主が、ぬるい戦後民主主義ではなく本物の左翼思想を読者に知らしめたいと本サイト・リテラの片隅に設けた幻の書店である。

最終更新:2014.11.17 12:04

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