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安倍首相の党首討論が異常! 時間稼ぎ、質問無視のあげく野党に「ルール、守んなきゃ」…ルール違反で退場すべきは、安倍首相だ!
自由民主党HPより
呆れてものも言えない。多くの人がそう思っただろう。27日の国家基本政策委員会合同審査会で行われた党首討論で、安倍首相が野党代表からの質問にまともに答える場面は一度たりともなかった。
本来、党首討論は、総理大臣と各党代表との一対一の真剣勝負の場のはずだ。ところが、安倍首相は徹底的に曖昧な言葉でごまかし続け、見え見えの時間稼ぎによって党首討論の意義を根底から崩壊させたのである。
たとえば、無所属の会の岡田克也代表との討論。岡田代表は森友問題に関し「公文書の改ざんや隠蔽あるいは廃棄、そして国会での局長の虚偽答弁。民主主義の根幹に関わる問題だと私は思いますが、そういう認識は総理にありますか」と質問したのだが、安倍首相は「行政府の長として責任を痛感」などと従来の答弁を繰り返すだけ。実際には官僚に全責任を押し付け、自分は何ら責任をとっていないことは言うまでもない。
そこで岡田代表は「総理も含めて、この問題の当事者だということをお認めになるべきではありませんか」と追及。すると、安倍首相はこんな詭弁をダラダラと言い始めたのである。
「この、当事者という意味についてですね、正確に定義をしていただきたいのですが、私自身がですね改ざんをしたわけではない(中略)。そして私自身が佐川(宣寿)局長に指示をしたわけではないということ(中略)。したがって、この公文書の改ざんについては、私自身はもちろん関わってはいないわけでありまして(中略)。でありますが、そのうえにおいてですね、これは行政において起こった出来事でありますから、私は行政府の長としてその責任を痛感していると、こういうことでございまして、しかし、その言い方自体がですね、人ごとであるということではまったくありません(中略)。今後二度と起こらないようにしていく責任はこの私にあるわけですから、そういう覚悟を込めてそう申し上げているところでございます」
ようするに、文書改ざんというとんでもない事態を起こした「責任」ではなく、いつのまにか再発防止の「責任」にすり替え、自身の関与を徹底して隠す。その答弁は、まさに岡田代表が指摘した「当事者性」の欠如としか言いようがない。
だが、その後も安倍首相は、岡田代表の3回目質問に対して「前にも述べたとおりですが」「議事録にもありますが」などと言いながら、わざわざ議事録を読み上げ、ひたすら時間を空費した。そのあまりに露骨な時間稼ぎに議場はざわつき、途中で委員会を仕切る鉢呂吉雄委員長からも「総理、時間が来ておりますので簡潔にまとめてください」と注意されたのだが、安倍首相は無視。「これは妻がですね!(中略)籠池さんが!(後略)」などとまくし立てて、議長から二度目の注意されるのだが、さらに安倍首相は声を張り上げながら「少しコメントが長くなりましたが、これはまさに名誉に関わることでありますし!」などと続け、「時間が来ております」と三度の忠告を受けた。
これだけ注意されると、さすがの安倍首相も自重するかと思いきや、そうではなかった。安倍首相は急に議長のほうを向いて、「あの議長すみません!」と逆ギレ。時間切れを見計らって、「これで、この討論は終わりになるわけでありますが、つまり私が申し上げたのはですね、そういうことで申し上げたのでございます。大変あの、言葉が長くなりましたことをお詫び申しあげたい」と言い、討論を終わらせてしまったのである。
この首相答弁は、岡田代表の持ち時間である6分間のうち約3分、実に半分を占めるものだった。岡田代表はほとんど質問できず、当然、打ち切りに反発。最後に「総理、良心の呵責は感じませんか?」などと食い下がったのだが、驚いたのはそのあとだ。なんと、安倍首相は討論終了後、ニヤつきながら岡田代表にこう語りかけたのである。
「やっぱり岡田さん、ルール守んなきゃ」
「お前が言うな」、である。議長からの静止に聞く耳を持たず、時間稼ぎをしたのはどこの宰相か。タチの悪い冗談でなく本気で言っているのであれば、完全にサイコパスだろう。
ネタでなければ、サイコパス!質問に一切答えず、関係ないことを話す安倍首相
いや、このエゴイストっぷりをみると、本当にこの国の現総理はサイコパスなのかもしれない。共産党の志位和夫委員長との討論でもそうだった。
志位委員長は森友・加計問題にまつわる改ざん・隠蔽・虚偽答弁等について「なぜあなたの政権でこのような悪質な行為が引き起こされたのか、その理由を端的にお答えください」と質したのだが、安倍首相は「李下に冠をたださずという気持ち」などと言うだけ。志位委員長は悪質行為が引き起こされた理由についての首相の認識を問うているのに、それには一切応じず、ただ「私はあずかり知らない」「答えようがない」など逃げ一辺倒の答弁を繰り返すだけなのだ。「話が通じない人」とは、まさにこういう人のことを言うのだろう。
そして極め付きが、立憲民主党の枝野幸男代表との討論でのことだ。枝野代表はまず消費増税、参院の議員定数を増加する自民党案、二階俊博幹事長の「子どもを産まないほうが幸せじゃないかと勝手なことを考えて」発言と、複数の議題をあげた。そのうえで最後に、「安倍政権の問題点を7つ列挙したい」として森友・加計学園に関する問題を指摘しながら、沖縄での米軍機F-15墜落をめぐる答弁矛盾について問いただした。
これを受けた安倍首相は、「時間がありませんから最後の一問について」としてF-15墜落問題についてデタラメ答弁したうえ、最後にこう言い放ったのである。
「私はですね、枝野さんの質問というか演説で感じたんですが、先般、党首討論が終わったあと、枝野さんはですね『党首討論の歴史的な使命は終わった』とそうおっしゃった。まさにいまのやりとりを聞いていて、本当に歴史的な使命が終わってしまったなあと、このように思った次第でございます」
これは、前回5月の党首討論で、枝野代表の持ち時間16分のうち、安倍首相が12分間もダラダラと答弁して時間を潰したことについて、終了後、党首討論制度の改善を持論とする枝野氏が記者団に「いまの党首討論制度はほとんど歴史的意味は終えた」と苦言を呈したことに対する首相の意趣返しだが、いや、これまた「お前が言うな」である。
安倍政権の「国会は機能していない」という印象操作に騙されるな
念のため言っておくが、2000年からスタートした国会での党首討論制度は、総理大臣が官僚のつくったペーパーを読んで回答するのではなく、一対一で野党側の代表と直接議論するためのもの。たしかに、モデルになった2大政党制の英国議会と異なり、日本では野党が乱立しているので、配分時間の都合上、腰を据えたガチンコ議論がされにくいのは事実だ。その意味で、現状の制度は十分ではない。
だが、前回も今回も、安倍首相はその野党がまとまりにくい制度状況を利用して、聞かれた質問に答えず、関係のない話や従来の答弁の繰り返し、あるいは議事録を読み上げたりすることで時間を潰した。議論にならないのはもっぱら安倍首相のせいであり、すなわち「党首討論制度の歴史的な使命」を終わらせたのは安倍首相に他ならないのである。
自分で崩壊させた党首討論を野党批判に使うというのは、姑息としか言いようがない。しかし、安倍首相の狙いはそこにこそある。つまり、有権者が国会に失望すればするほど、権力者は自分たちの好き放題できるのである。思想家の内田樹は「『立法府は機能していない』という印象操作に安倍内閣ほど熱心に取り組み、かつ成功した政権は過去にない」と指摘しているが、言い得て妙だろう。
いずれにしても、「国会論戦は不毛だ、野党の追及は空回りしている」との印象をつくることこそ安倍首相の狙いだ。「呆れてものも言えない」状態になってしまうと思う壺なのである。忘れてはならないのは、森友・加計問題のみならず、安倍政権では政府による違法行為や不法行為が次々に露呈しているという事実。必要なのは、小泉進次郎のトンチンカンな「国会改革案」などではない。私たちが声を大にすべきは、それこそ「安倍さん、ルールは守んなきゃ」。耳を貸さない首相には、辞めていただくしかない。
(編集部)
最終更新:2018.06.29 09:31
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