森友文書改ざんで安倍応援団コメンテーターの醜態(後編)

北村晴男弁護士と和田政宗議員が朝日報道批判の反省もなくワイドショーに登場! 支離滅裂な詐術だらけの安倍政権擁護

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『直撃LIVE グッディ!』で朝日批判をする北村晴男弁護士

 森友文書改ざんで相変わらず、安倍政権擁護を展開している安倍応援団コメンテーターたち。前編では、田崎史郎・時事通信社特別解説委員と、八代英輝弁護士コンビが“安倍応援自虐漫才”状態になっていたことをお伝えしたが、醜態をさらしている応援団は、ほかにもいる。

 そのひとりが、八代弁護士と同様にテレビで“朝日は証拠を出せ!”と攻撃、まるで報道がデマかのように言いふらしていた、やはり弁護士の北村晴男氏だ。北村センセイは6日放送の『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ)ではこう主張していた。

「国会でワーワー言ったところで何も明らかにならない。そんなことをただ疑惑があるといって大騒ぎしたって意味がないんですよ。(改ざん前文書の証拠が)あるかないかが重要ですから。だから朝日が証拠を出さなきゃダメです、これは。それで告発しないと。それをやらなきゃダメです。ただたんに疑惑があるよっていう報道をただやっていくというやり方は正しくない」

 そんな北村センセイが、13日の『グッディ!』にご出演。スタートからしかめっ面で、明らかに苛立っている様子だったが、番組が改ざん文書の疑問点に次々と切り込むなかで、もはや錯乱状態としか言いようのない醜態をさらけ出したのだった。

 たとえば、他の出演者たちが“昭恵夫人の名前が登場したことで特例取引が動いたように見える”というふうに疑義を呈すると、北村センセイは唐突に「一般的にはですね、そういうのチラつかせる人ほど一番信用できないじゃないわけですか!?」とキレ出す。

 当然、スタジオは「なに言ってんのこの人?」という空気になり、ほかの出演者から、実際に昭恵夫人の存在や政治家の「口利き」などがあり、近畿財務局が籠池泰典氏のことを信じてしまうだけの客観的事実があったことを指摘されてしまう。

 ところが、驚いたのはその後だった。サバンナの高橋茂雄が「(昭恵夫人が)名誉校長ほんまにやってはんねんやっていうのが、信用してしまう決定打になるような」と言うと、北村センセイはプッツン。脈絡もなく“江戸時代じゃないんだから、ありえない”と強弁し始めたのだ。

政治家の関与に北村弁護士は「麻生財相は官僚に嘘つかれた」

「江戸時代とかね? 江戸時代とか中国ならわかるんですけど、日本の社会で、そんなことが一般的には、われわれ一般人の感覚としても嘘だろ! それそりゃ江戸時代の話だろ!と思うぐらいの話じゃないですか。それを官僚がやるっていうことがね、それを配慮しましたっていうことがわざわざ出すっていうことがどういうことを意味しているというのがわからないんですよ!」

 いやはや、わからないのは北村センセイの頭の中である。

 これにはMCの安藤優子も「えっ? 何が江戸時代なんですか?」と困り顔。すると北村センセイは「あ、つまり、印籠出したからみんな“へぇへぇ”となると。昭恵夫人が名誉校長になったからそこには十分配慮するんだってこれは江戸時代の話じゃないですか」と珍言を重ね、あまつさえ「そうじゃないんですか日本社会っていま!?」と逆上。しまいにはサバンナ高橋から、なだめられるようにこう諭されてしまったのである。

「それやのに、こういうことがあったから、結構こうやって問題になってるということではないんですかね。普通やったら絶対ありえへん江戸時代のような忖度が、実際こうやって行われて、安く土地を手に入れて小学校建てようとまでしてたから、こうやって問題になってるということじゃないんですか」

 いや、サバンナ高橋の言う通りとしか言いようがないのだが、その後も北村弁護士は意味不明な政権擁護を連発。麻生太郎財務相の責任問題についても、全部の責任を官僚になすりつけて麻生大臣を被害者に仕立て上げようとした。

「ただまあ財務大臣の立場に立って考えると、やっぱり官僚に嘘つかれたんすよ。書き換えなんかしてないって言って嘘つかれてんすわ。で、それに対して怒ってこれを改革できるならこのまましばらく改革でもやってほしいし、できないならやめてもらったほうがいいんじゃないかと僕は思いますね」

 が、すぐに安藤が「でも、改革は別の人でもできるんじゃないか」と一蹴。北村センセイは「いや、別の人ができるならいいんですけどね」と捨て台詞を吐くのが精一杯。これほど簡単に論破される弁護士って……なんともトホホではないか。

朝日報道をデマ扱いの和田政宗議員が「私の報告が財務省を動かした」

 ちなみに、昨日14日放送の『グッディ!』では、希望の党の今井雅人衆院議員とともに、あの自民党の和田政宗参院議員が生出演。和田議員といえばこの間、ブログやTwitterで散々“文書問題は朝日の誤報”というように煽ってきたネトウヨ議員。財務省が文書改ざんを認めるまで、こんな妄想を散々垂れ流し、現実を直視しないネトウヨを狂喜乱舞させてきた。

〈朝日「文書書き換え」報道には説明不足の点が。「問題発覚後に書き換えの疑い」と報じたが、「疑い」と濁したのはなぜか。また複数の関係者の証言以外の証拠はあるのか?今回と同様の文書は、決済印を押す紙の後の2枚目以降は決裁途上で差し替えることがあり、朝日が見た文書は決裁途上の文書の可能性も〉(5日のツイート)
〈朝日新聞さん、指摘する文書の件、まさかとは思いますが全く別の決裁文書の調書を比較し、文言が変わっていると指摘ということはないでしょうか?「売買契約の決裁文書」とは全く別の文書の「予定価格の決定の決裁文書」の調書と比較すると、朝日の指摘とほぼ合致するのですが〉(8日のツイート)

 ところが、財務省が改ざんを認める方針という報道があった10日になると一転、〈財務省が「書き換えた」可能性と「書き換えていない」可能性は半々と、私は報道当初から見てきた〉と言い訳をし始める。そして、12日には「私の分析についてのおわび」と題したブログを公開したのだが、それがまた「おわび」とは名ばかりのひどい代物だった。

 和田議員はブログのなかで朝日に対しては一言の謝罪もせず、逆に〈今回は財務省による証拠隠しを、政治の力で防いだことになります〉と理解不能なことをほざき、さらには〈私が見つけた説明のおかしな点はおそらく誰も気付いていませんが、政権幹部には報告しています〉として〈この点も財務省に徹底調査を求めるきっかけの一つになったかもしれません〉とナント自分の手柄にしてしまったのだ。

 あげく、〈検察しか持っていない文書から真実が明らかになったとみられることから、検察が朝日新聞にリークした可能性が高くなりました〉と述べて、〈ただこの場合、捜査情報の漏洩になりはしないでしょうか?〉と締めている。ようするに和田議員は、朝日憎しでスクープを誤報扱いしただけでなく、この期に及んで「情報漏洩」などと言ってネチネチ攻撃しているわけである。

和田政宗はとっくに嘘とばれている「どうしても売りたい土地」説を蒸し返し

 クラクラしてくるが、そんな和田議員が『グッディ!』でいったいどんな言い訳をするのかと見ていると、予想通りのトンデモだった。政治評論家の有馬晴海氏から「昭恵さんが(籠池泰典前理事長に)うまく使われたとして、じゃあ昭恵さんがこれに関わってなかったら、それでもこの売買はあったと思いますか」と問われた和田議員は「関わってなくても(売買)はあった」「そもそもの問題は近畿財務局が相当悪い」と主張し、こうまくしたてたのである。

「近財は、これはどうしても売りたい土地だったんですよ。その周りはどんどん近畿財務局が持っていた土地が処分されていくなかで、大阪航空局が持っている土地ですけども、それで他の土地はいろいろなことが実はモメたりしてっていうことがあって、そうしたなかで、学校法人っていうものは官僚側から考えたら優良法人ですから、それでいわゆる買ってくれる人が出たっていうなかで、それで籠池氏側から森友側からどんどんどんどん言われて、この書き換え前の文書を見ると何が言えるかというと、森友側はいろいろ言ってきたけれどもわれわれはゼロ回答で、法令に基づいてやりましたっていうことが、これ全部わかるので、じゃあなんでこれ消したんだっていうような。それはその本省の理財局の指示なわけですけども、ちぐはぐじゃないかっていう」

 ちぐはぐなのは和田議員のほうである。というか、例の土地は「どうしても売りたい土地だった」というのは、とっくのとうにデタラメがはっきりしている。実際、2012年には同じ土地を大阪音楽大学が7億円で購入する意向を示していたにもかかわらず、国側が時価9億円超での売却を希望したため折り合わず、購入断念に追い込まれているのだ。

 しかも、和田議員は「改ざん前文書を見ると森友側の要求にゼロ回答」と主張しているが、これも真っ赤な嘘で、実際に「これまでの経緯」と題された決裁文書を読むと、森友側の数々の要望に難色を見せていた近畿財務局が、昭恵夫人の名前が登場した直後に一転して快諾しているのだ。

 よくも、こういうすぐにわかる嘘を公共の電波を使って垂れ流せるものだ。さすがは、安倍首相の子飼い、“国会のネトウヨ”と称される和田議員と言うほかはない。

 とまあ、安倍応援団のこの期に及んでのお笑い政権擁護をここまで紹介してきたが、だからといって、油断してはいけない。こういうギャグとしか思えないデタラメをそれこそ圧力と忖度と改ざんを使ってまるで事実のように拡散してきたのが安倍政権なのだ。

 これからも安倍応援団コメンテーターがテレビでどんどん政権擁護の詭弁を垂れ流していくだろうが、視聴者はゆめゆめ騙されてはならない。

最終更新:2018.03.15 11:34

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