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「北朝鮮と国交断絶」を呼びかけた河野太郎外相の「安倍の犬」化が止まらない! ついにはフェイクまで垂れ流し
自由民主党HPより
平昌冬季五輪を契機にしておこなわれた南北閣僚級会談には国際的に「一歩前進」と評価の声が上がるなか、外遊先で北朝鮮脅威を説いて回った安倍首相。だが、異常な言動を繰り返しているのは安倍首相だけではない。首相の意を汲んだ先兵となっている河野太郎外相もだ。
16日にカナダとアメリカが共催してバンクーバーで開かれた北朝鮮の核・ミサイル問題に関する20カ国外相会合で、河野外相はこんなことを主張したのだ。
「国交を断つとか、あるいは北朝鮮からの労働者を送還するなど、各国は制裁をステップアップさせるべき時期だ」
なぜか国内の大手メディアはこの河野発言をまったく取り上げていないが、上記の発言はNHKの国際放送「NHK WORLD News」で伝えられているものである。
他国の国家間の問題に干渉し、国交の断絶を呼びかける──。この河野外相の発言は、越権行為ともいえるだけでなく、北朝鮮を無用に刺激して対日本への緊張関係を高めるだけのもの。河野外相は昨年9月に米コロンビア大学での講演でも「我々は、これらの国々に対し、北朝鮮との外交的・経済的な関係を断つよう求めなければならない」と主張していたが、実際に世界の外相に向かってこんなヒステリックな意見をぶつけるとは、国を代表する外交担当トップとしてあり得ない言動だ。
しかも、河野外相はこの外相会合で、北朝鮮籍とみられる船の漂流・漂着が急増していることについて「食糧不足のため、冬にもかかわらず燃料が不十分な船で出漁を命じられた」結果だと説明したと、同席していたティラーソン米国務長官が明かした。つまり、「制裁が効き始めている結果」だとする発言をおこなったというのである。
北朝鮮に暮らす国民には何の罪もなく、むしろ人権がないがしろにされている現状を国際社会が問題にするべきなのは当然のこと。にもかかわらず、経済制裁によって国民が困窮しているという認識を、得意げになって開陳したのである。この発言は、人道に反して北朝鮮の国民の命を虫けら同然のように捉えている証拠で、これでは北朝鮮と同じ人権無視の態度ではないか。
その上、河野外相は南北対話に対しても「北朝鮮は核・ミサイル計画を継続するための時間稼ぎを意図している」と発言。さらには会合後、こんなふうに記者団に断言までしてみせた。
「(会合では)対話ムード、融和ムードは一切なかった」
これは事実に反する発言だ。現に、議長総括は「圧力継続」を盛り込みつつも実質的に現状維持と呼ぶべき内容だが、一方で「南北対話と北朝鮮の五輪参加の意思」に対しては「歓迎」し、「緊張緩和に繋がることを期待する」と盛り込まれた。共同議長国であるカナダのフリーランド外相も「外交的解決が可能であり、不可欠だと信じている。それが今日の会合の結果だ」とし、「北朝鮮が平昌五輪に参加することは希望の兆候だ」と河野外相の主張とは異なる意見を会見で述べている。なのに、河野外相は現実を無視して「対話・融和ムードは一切なかった」と言い切ったのである。
日韓合意と関係ない徴用工問題をもち出し「像を立てるな!」と圧力
このような河野外相の態度は、韓国が打ち出した日韓合意の新方針でも同様だ。韓国の康京和外相との会談でも「さらなる措置を求めることはまったく受け入れることはできず、協議には応じられない」と全面拒否しただけでなく、ソウルの日本大使館前に強制徴用労働者像を設置する動きに対してまで“適切な対応”を強く要求したというのだ。
そもそも日韓合意では「当時の軍の関与」と「多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた」ことを明確にし、その責任から日本の首相が「心からおわびと反省の気持ちを表明」するとしたものの、安倍首相は元慰安婦の人々に直接謝罪することもなければ、手紙も拒否。自らの口からはっきり「心からおわびと反省」と言ってすらいない。そうしたなかで文在寅大統領が「自発的で誠実な謝罪」を日本政府に求めたことは至極当然の行為だが、それを拒否したばかりか、日韓合意とは関係のない徴用工問題にまで言及し、像の設置によって歴史を伝えるという「表現の自由」に圧力をかけたのだ。
まるで安倍首相や稲田朋美元防衛相かと見紛うほどの極右的態度──。河野太郎議員といえば、ハト派の重鎮だった父・河野洋平氏の存在や、原発事故以前から脱原発を訴えてきたこと、また総理大臣の靖国参拝に否定的だったり、選択的夫婦別姓に賛成の立場をとってきたことなどから「自民党内リベラル」という印象をもっている人も多かった。事実、原発事故後におこなわれた田中康夫との対談では、自民党内の原発推進派議員から「あいつ(河野)は共産党なんだ、 共産党の議員が自民党の本部にいるんですか?」「社民党へ行け、お前は共産党だ」と言われていることを明かしていた。
しかし、じつのところ河野太郎はアメを与えられれば尻尾を振り、主義主張もかんたんに変えて寝返ってきた人物だ。たとえば、河野は原発輸出政策を批判していたが、2014年のトルコ、アラブ首長国連邦への原発輸出を可能にする原子力協定の承認案の採決時には、党内の締め付けにあっさり屈して「中腰」で起立し賛成に回った。また、2015年10月に行政改革担当相兼国家公安委員会委員長として初入閣を果たすと、原発批判を繰り返してきた自身のブログを閲覧できないように処置。その理由を問われると、「いままでは外から言っているだけだった」などと言い出したのだ。
そして、昨年に重要閣僚ポストである外相に引き立てられると、河野の変節に磨きがかかった。とくに驚かされたのは「外相専用機を導入しろ」と要求したことだ。しかも、その外相専用機の候補として「ガルフストリーム G650ER」という具体的な希望まで出した。一部報道によると、同機の値段は74億円(!)。自民党無駄撲滅プロジェクトの座長として「たとえ小さい金額でも予算の隅々に目を光らせて、無駄なものを削減していく」(2013年11月9日のブログより)と意気軒昂に述べていた人と同一人物とはとても思えない。
だが、この男の危険性が露呈したのは、昨年12月1日におこなわれた衆院安全保障委員会での答弁だろう。
「予防攻撃、先制攻撃は国際法違反」という政府答弁を反故!
この日、立憲民主党の本多平直議員から「安倍総理は『すべての選択肢がテーブルの上にある』とのトランプ大統領の立場を一貫して支持と言っているが『すべての選択肢』にアメリカからの先制的な軍事攻撃は含まれているのか」と問われた河野外相は、人を食ったように「『すべての選択肢』というのは『すべての選択肢』ということ」と答弁。同じ回答を何度もつづけた。
狂犬じみたトランプ大統領の「すべての選択肢」を支持するとは恐ろしいにもほどがあるが、問題はここから。本多議員が「我が国は国際法上、予防攻撃、先制攻撃は違法という認識でよろしいんでしょうか」と食い下がると、なんと、河野外相はこんなことを口にしたのだ。
「一概には言えないんだろうと思います。具体的にそれぞれの事象に適して国際法に違反しているものは違反しているし、適しているものは適しているということになると」
とんでもない答弁である。安保法制の議論がおこなわれていた2015年5月27日の特別委員会において、当時の岸田文雄外相は「国際法上は予防攻撃も先制攻撃も認められておりません。これは国際法に違反するものであります」と明確に答弁している。この河野外相の発言には、本多議員もすかさず「これまでの政府の答弁を大きく変えられるご答弁をされていますよ」と突っ込んだが、しかし河野外相は「個別具体的に判断をしなければならない」と言い張った。
「すべての選択肢を支持する」と言って憚らないのだから、トランプの行動に「個別具体的に判断」などするはずがない。国際法違反という政府の認識による歯止めを無効にしようとした河野外相の答弁は、看過できるものではないだろう。
重要ポストを与えられただけで、あっという間に「安倍色」に染まりきった河野外相。今後の日米関係や歴史問題について考えると、河野を「お調子者」と揶揄しているだけでは済まさず、むしろ「底知れない問題児」として警戒しなくてはならないはずだ。
(編集部)
最終更新:2018.01.19 12:32
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