昭恵夫人口利きの証拠「2枚目のFAX」をマスコミはなぜ追及しない? 背後に官邸、山口敬之、田崎史郎の情報操作

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安倍晋三公式サイトより


 夕方の記事で指摘したように、本日行われた籠池泰典氏の証人喚問では、安倍首相辞任必至の爆弾証拠が飛び出した。それは、国有地について籠池氏が昭恵夫人の携帯に「定期借地契約の延長」を依頼したあと、経産省から出向している昭恵夫人付きの官僚・谷査恵子氏から送られてきた回答のFAXだ。

 報道では、「大変恐縮ながら、国側の事情もあり、現状では希望に沿うことはできないようでございますが〜」といったお断りの部分のみが強調されているが、このFAXには2枚目があった。籠池氏が午後の衆院での証人喚問で読み上げたのだが、それは衝撃的な内容だった。

「『10年の定借の是非』『50年定借の変更の可能性』『土壌汚染や埋設物の撤去期間にかんする資料の扱い』そして4番(目)が『工事費の立て替え払いの予算化について』というふうなことも書いていただいている。『一般的には工事終了時に精算払いが基本であるが、学校法人森友学園と国土交通省航空局との調整にあたり、予算措置が付き次第、返金する旨の了解であったと承知している。平成27年度の予算での措置ができなかったが、平成28年度での予算措置を行う方向で調整中』というようなものをいただいています」

 ようするに、昭恵夫人が財務省に働きかけ、その結果、来年度に予算措置ををはじめさまざまな対策を講じることを約束したFAXである。安倍首相は自分や妻が国有地の取引に絡んでいたら、総理大臣も国会議員も辞めると言っていたが、その口利きへの関与の決定的証拠が飛び出したのだ。

 断っておくが、このFAXは喚問のあとに外国特派員協会で開かれた籠池氏の会見で配られており、実際に存在する。後述するが、官邸もその存在と内容を認めており、捏造というのはありえない。

 しかし、なぜかテレビはこの2枚目のFAXについて、ほとんど報じていないのだ。夕方のニュースも100万円寄付問題や3通の契約書問題についてやたら取り上げる一方で、このFAX問題については大きく取り上げない。取り上げても、なぜか1枚目が中心で、2枚目の内容については触れないのだ。

 いったいなぜか。実は、この背景には官邸と御用コメンテーターの狡猾な情報操作があった。

 まず、このFAX問題は、本日午前、参院の証人喚問で、籠池氏が夫人付きの谷査恵子氏からFAXにて返信があったという事実を明かしたことから始まったのだが、籠池氏はこのとき、FAXの現物があるかどうかを聞かれ、いま手元にないがFAXは残っているので追って提出する旨を語っていた。

 するとその直後、きょうの『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ)で、安倍御用ジャーナリストの山口敬之がこのFAXを独占入手したとして、籠池氏より先にその内容を公開したのだ。

 典型的な安倍御用ジャーナリストで、森友問題でも安倍首相と昭恵夫人を徹底的に擁護してきた御仁がなぜ?と思うかもしれないが、これこそが官邸サイドの作戦だった。

 山口はなんと、実際には2枚あったFAXの1枚目だけを出してきて、予算措置などの配慮を報告した2枚目の存在を完全にネグってしまったのだ。

 いや、ネグったのは2枚目だけではない。実際はこのFAX、1枚目だけでも十分に問題がある。「本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいております」という文言を見れば、昭恵夫人の関与は明らかだし、「今後も見守ってまいりたい」「何かございましたらご教示ください」などの記述は、その後の働きかけの可能性を示唆するものだ。また、首相夫人付きの官僚が財務省に問い合わせをしていること自体、忖度を発生させる原因になる。だが、山口はこれらの問題点をすべて無視し、「希望に添えない」と回答している部分だけを強調して、なんの問題もないと言い張ったのである。

「山口さんにFAXを流したのは明らかに官邸でしょう。ようするに、午前の喚問で、籠池氏がFAXを出してくることを知った官邸が先手を打って、山口さんに1枚目だけを強調させて、たいしたことがない、こんなのことで騒いだら逆に恥を書くという空気をつくりだしたのです」(全国紙政治部記者)

 そして、この空気にダメ押しをしたのが、菅義偉官房長官の夕方の会見だった。菅官房長官もやはり、2枚目の詳細には触れずに、「籠池氏側の要望には沿うことはできないときっぱり断っているのではないか。忖度以前のゼロ回答だった」と強弁したのだ。

「平成28年度での予算措置を行う方向で調整中」という回答のどこがゼロ回答なのか、さっぱりわからないが、つまり官邸はとにかく「拒否した」ということにして押し切るつもりらしい。

 さらにもうひとつ、官邸がしきりに仕掛けている情報が「谷氏個人が動いたものであって、昭恵夫人が関与したものではない」というストーリーだ。御用コメンテーターの山口や田崎史郎もやたら強調していたし、菅官房長官は籠池氏の妻が谷氏に宛てた封筒を出してきて、これは谷氏個人に依頼して谷氏個人が動いたものであって、昭恵夫人が関与したものではないと主張した。

 本日質問をした自民党の葉梨康弘衆院議員が『Nスタ』(TBS)で同じように封筒を出し、また同じ主張をしていた。いったいそれのどこが夫人の関与を否定する証拠になるのか、これまたむちゃくちゃだが、ようするに、いざとなったらすべてを谷氏に押し付け、トカゲの尻尾切りをする腹づもりらしい。

 さらに、ネットでもこのFAXを打ち消すための謀略情報がどんどん流されている。ネトウヨやネトサポらしきアカウントが、「枝野と籠池は、事前に打ち合わせしていた」というツイートを大量に拡散しているのだ。

 その結果、テレビニュースはその空気に飲み込まれ沈黙。今日の時点では2枚目のFAXを具体的に取り上げたのは前述の『Nスタ』と『スーパーJチャンネル』『報道ステーション』(テレビ朝日)くらいにとどまっている。

 しかし、官邸と自民党、安倍応援団コメンテーター連中がいくら火消しに躍起になっても、国会中継で、籠池氏が2枚目のFAXを読み上げる場面は多くの国民が目撃している。そして、目撃した人のほとんどは、これが明らかに、昭恵夫人の関与を裏付ける証拠であり、安倍首相の辞任に価する事態であることを認識している。

 今日から明日にかけて、この問題を無視し続けるテレビ局や番組に視聴者からの不満と疑問の声が大量に届けられることになるはずだ。

 そもそも、この森友学園報道は、発覚直後、この問題をなかなか取り上げようとしないテレビ局に抗議が殺到した結果、いまの大報道につながっていったという経緯がある。
 
 今回、メディアは、このまま官邸のいいなりに国民を欺き、2枚目のFAXを葬り去るのか。それともこのところのファイティングポーズを取り戻して、真相追及を続けられるのか。まさにメディアの真価が問われている。

最終更新:2017.11.22 01:02

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