福島の高濃度放射能汚染が「女性自身」に続き「週プレ」の調査でも判明! 影響否定の「週刊新潮」は原発村の広告漬け

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「週刊プレイボーイ」(集英社)3月21日号

 先日、「女性自身」(光文社)3月22日号が福島県下の多くの小中学校周辺の土壌で、「放射線管理区域」を上回る高濃度のセシウムが検出されるという驚愕の事実を報道したことを取り上げたが、今度は「週刊プレイボーイ」(集英社)が「県や村を維持するために住民を被爆させる“棄民”政策がさらに進んでいた!!」(3月14日号)、「原発事故から5年たっても、福島の汚染地域は住んでいいレベルではない!!」(3月21日号)と連続して福島県の各地の放射線土壌汚染と行政の欺瞞の実態をレポートしている。

 同誌の調査によればやはり「女性自身」の調査同様、多くの場所で信じられない数値が出ていた。

 例えば2014年に「特定避難奨励地点」が解除された南相馬市原町区馬場にある民家の裏庭では毎時1μSv(マイクロシーベルト)を超える空間線量があったという。

 これは一般の被爆限度である年間1mSv、毎時に計算すると0.23μSvを遥かに上回る数字だ。また来年3月に避難者指示区域解除を目指す飯館市の中学校では、雪に覆われているにも関わらず空間線量が0.7μSvを超える場所が何カ所もあり、雨水を測定すると80Bq(ベクレル)/kgだった。これは飲料水基準の8倍もの数値だという。

 また、早期の居住制限解除を目指し住民から猛反発にあった南相馬市小高地区の小学校でも1平方m当たり30万Bqもの土壌汚染が見つかっている。これはなんと事故前の3000倍もの汚染だ。

「一般の人が立ち入りできない放射線管理区域は4万Bq/㎡。それよりも7倍近い場所を『安全』と言い、子供たちを遊ばせようとしているのが今の政策だ」(14日号記事より)

 まだまだある。南相馬市高倉にある通学路の土からは400万Bq/㎡、飯館村の学校からは1000万Bq/㎡を超える汚染土も見つかっているが、同誌が測定した放射能プルームから外れた新潟の土壌に比べ、なんと100〜2400倍もの数値だという。

 こうしたホットスポットが点在する場所に住民や子供たちを帰還させる。同誌ではこれを“棄民”と表現しているが、まさにその通りだろう。

 記事には今年1月に飯館村中学校の校内を測定した市民団体の小澤洋一氏のこんなコメントを寄せている。

「私が今年1月に校内を測定したときには、毎時20μSvの場所がありました。村はまずこの小中学校を再開して、小中学校の授業を始めると聞いています。子供たちが避難する福島市や川俣町からスクールバスでここまで送迎するようです。ですが、これではわざわざ被爆せるために通学するようなもの」

 同誌では学校だけでなく様々な場所で土壌を測っているが、その結果も驚くべきものだった。

「そもそも法律では、4万Bq/㎡以上に汚染された場所は『放射線管理区域』に指定され、区域内には一般人は入れないようにしている。18歳以下の就労も禁止だ。理由は、それたけの放射線を浴び続ければ人体に悪影響があるから。

 しかし、福島の土壌を検査すると、多くの場所でこの基準をいとも簡単に上回ってしまうことがわかっている」(21日号記事より)

 しかも、行政や自治体には「住民を守る」という発想はなく、頭にあるのは「自治体の維持」ばかりで恫喝まがいのことまで行っている。それが避難区域解除に伴う賠償金の打ち切りだ。

「除染して線量が下がったから帰ってきても安全と宣伝し、帰ってこられるようにインフラも整えた。だから元の自治体に戻ってこない住民には補助を打ち切る。これでは、体裁を整えるためだけに無駄金だけが突っ込まれ、住民は命の危険に晒されることになる」(14日号記事より)

 子供の被爆を恐れる親が元の場所に戻らなければ、補助金は打ち切られ全ては自己責任というわけだ。既に福島県の166人もの子供たちが甲状腺がんに侵されているというのに、子供たちをさらなる被爆に晒し、欺瞞に満ちた“安全神話”で帰還を強制する。

 避難地区に指定された人々は福島第一原発事故直後、激烈な放射線に晒された。そして5年経った今、今度は根拠のない“安全宣言”と賠償金打ち切りという脅迫で、“第二の被爆”に晒されようとしている。

 さらに問題なのは、こうした調査や報道が「女性自身」や「週刊プレイボーイ」、テレビでは「報道ステーション」といったごく一部でしか報じられないことだろう。しかも電力会社や電力団体が、またぞろメディアに対しての原発広告というバラマキ工作を再開させている。このままでは再び、電力会社のメディア支配、そして原発の安全神話が復活しかねない。

 実際、毎号のように電事連の原発広告を掲載している「週刊新潮」(新潮社)は、3月24日号で、福島での「甲状腺がん」増加を報道した「報道ステーション」にかみつき、まったくデタラメな根拠を並べて、甲状腺がん増加を「過剰診断」だと断定した。

 そうした中、事故から5年経った現在でも一貫して放射線や健康問題を報じ続けている「週刊プレイボーイ」や「女性自身」には、圧力や懐柔に屈することなく、これからもぜひ告発を続けてもらいたい。
(伊勢崎馨)

最終更新:2017.11.24 09:31

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