産経「別冊正論」が丸ごと一冊「霊界特集」! オカルトに急接近する産経新聞のグロテスクな思惑

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 また、東大病院救急部・集中治療部長でありながら、『人は死なない』(バジリコ)、『おかげさまで生きる』(幻冬舎)などのオカルト本を出版、病院の中で霊感セミナーを主催して、現場をはずされたあの矢作直樹氏も登場。お得意の「肉体は滅んでも意識は存在する」との持論を語っていた。

 だが、本サイトとして見逃せないのは、こうした「別冊正論」のオカルト丸出し特集の端々に、明らかに産経新聞的な極右イデオロギーがちらつくことだ。たとえば、前述の矢作直樹氏が寄稿した文章では、こんな文言が普通に飛び出だしている。

「現代の日本人は、神・仏・儒から得られる教えを忘れてしまっている人が多いようにみえます。戦前の日本人に身に付いていた、ごくごく普通の考え方なのですが、天皇あるいは天皇の国ということについて、医療の現場に携わって三十年間、絶えず感じてきました」
「私は、敗戦によって連合国が展開した日本人弱体化政策で歪められた教育や法体系を本来あるべき姿に戻せば、歴史的に備わっていた“日本人の心”を取り戻すことができ、より良く生きられると思っています」

 いや、なにこの極右政治家のテンプレみたいなセリフ……と思うかもしれないが、他にも矢作氏は憲法9条批判なども展開している。ちなみに、矢作センセイ、夏の参院選で極右政党・日本のこころを大切にする党から人知れず出馬、落選していた。

 また同誌では、靖国神社元宮司で「日本の名誉を守る国民の会」顧問の湯澤貞氏が、戦没者の霊が「一陣の風」となって思いを伝えてくれる、というようなことを語りつつ、こんな主張をしのばせている。

「中学高校等で近現代史が正しく教えられず、戦勝国の私刑でしかない東京裁判史観や左翼の日本否定史観に凝り固まった教師が跳梁跋扈している。子供達は父祖が愛しみ護った祖国を、捻じ曲げて捉えてしまう」

 もしかして、産経は国家主義や歴史修正主義と、霊界・オカルト信仰を合体させようとでもしているのか。ゾッとするような話だが、実は産経のこうした路線は今に始まった事ではない。数年前からかなり意識的に、右派思想と親和性の高い宗教やオカルトに秋波を送り、タッグを組もうという動きを見せてきた。

 たとえば、そのひとつが幸福の科学との接近だ。産経新聞のここ2、3年の紙面を見てみればいい。幸福の科学関連の広告が大量に掲載されていることに気がつくはずだ。

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