成宮寛貴の引退宣言で強まる「フライデー」批判 でも引退に追い込んだのはテレビ報道のほうだ!

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 実際、こうしたテレビ局の対応が、その後の成宮の方向性を決定づけていった。

「事務所がもっとも頭を抱えたのは、すでに撮影に入っていた来年1月スタートのテレ朝ドラマ『就活家族~きっと、うまくいく~』への影響です。『フライデー』で記事になるとわかった段階では、事務所側も“事実無根”と主張し、仕事を継続させることで潔白を強調したがっていましたが、ワイドショーがあれだけ大々的に記事を取り上げたことで、それができなくなってしまった。それはテレ朝も同じ。表向きは、成宮の引退発表を受けて出演見合わせを決定したとテレ朝は説明していますが、降板はそれ以前に決まっていた。だから引退発表後、あれだけのスピードでテレ朝は今後の対応を公表できたんです」(芸能プロ関係者)

 こうした流れのなかで成宮が追い詰められていったことは、想像に難しくない。

「直接的ではないものの、事務所は自分を見放すつもりだということを成宮もはっきり感じたのでしょう。引退という宣言は、そうしてギリギリのところまで追い込まれた上で出てきたものだった」(同前)

 芸能界における力関係に追随し、“力のない”成宮だったからこそ疑惑でしかない記事を大きく報じたテレビ局。それなのに、テレビは自分たちの責任は棚に置く。この状況は、あまりに歪だとしか言いようがない。

 そして、忘れてはいけないのは、これは政治にかんする報道とも共通する問題であるということだ。現に、菅義偉官房長官への巨額の迂回献金疑惑など、週刊誌がどれだけ安倍政権のスキャンダルを報じても、テレビはそれを後追いすることなく完全に見て見ぬふり。そうやってテレビは内閣支持率の安定化に寄与しているのだ。

 ほんとうに伝えなくてはいけない問題は報じずに、弱い者は心置きなく俎上に載せる。世論にもっとも影響を与えているテレビの責任は非常に重いが、こんな態度で権力の監視などできるはずもないだろう。
(時田章広)

最終更新:2016.12.11 11:40

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