川内原発の再稼動審査で行われたおそるべき「非合法」! 手続きすっとばし、学者の警告無視、老朽化耐震審査の先送り…

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 そこで、菅直人元首相が老朽化審査の認可前の再稼動は違法ではないかという質問主意書を提出。すると、突如、規制委は審査を早め、川内原発の老朽化申請を認可したのだ。しかも8月5日。再稼動の前の週だ。

 さらに驚くのは、老朽化した設備等が想定される地震動に耐えられるかの評価が一部間に合わなかったために、九電がその評価を1年間先送りするとし、規制委もそれを認可してしまったことだ。つまり、川内原発は、老朽化によって地震に耐えられるかもわからないまま、今日、再稼働されるということだ。

■原子力規制委・田中委員長は“原子力ムラ”の代弁者

 ここまでくると「非科学的」「非論理的」どころか、「手続無視」「非合法」の超法規的再稼働の強行だが、いったいなぜ、こんな無茶が通ってしまったのか。

 九州電力が再稼働を急ぐのはわかるが、これでは、石橋教授の言う通り、独立した審査機関であるはずの規制委が九州電力の「使い走り」となっているといわれてもしようがないだろう。

 しかし、考えてみれば、これは当然の結末といえるかもしれない。この原子力規制委員会のトップに座る田中俊一委員長は、東北大学卒業後、日本原子力研究所(現・日本原子力研究開発機構)に入所。2004年には同機構の副理事長に就任し、その後も内閣府原子力委員長代理(07~09年)、日本原子力学会会長(09年)を歴任した、完全なる”原子力ムラ”の住人、いや村長といってもいいような存在なのだ。

 それが委員長に抜擢された背景には、震災翌月に研究者15人と国民に謝罪を表明し、福島で除染活動に取り組んできたことがあったとされるが、これも除染利権がらみだったのではないかと言われている。

 田中委員長の除染活動には、田中氏の関係する原子力関連企業のスタッフが参加しており、そのうちの1社はその後、除染事業を次々と受注したことが「週刊朝日」(朝日新聞出版)の報道で、明らかになっている。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

川内原発の再稼動審査で行われたおそるべき「非合法」! 手続きすっとばし、学者の警告無視、老朽化耐震審査の先送り…のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。事故原発松崎 純の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

1 小林製薬「紅麹」で問題視される「機能性表示食品制度」は安倍案件!
2 櫻井よしこの朝日攻撃の「捏造」が法廷で
3 東山紀之が“反ヘイト本”を出版
4 乙武洋匡が不倫旅行、5人の女性と関係
5 安倍派裏金で読売新聞「非公認以上の重い処分」報道の違和感!
6 久米宏が終了決定のTBSラジオで田中真紀子と
7 セカオワFukaseのいじめ発言
8 葵つかさが「松潤とは終わった」と
9 安倍政権御用ジャーナリスト大賞(前編)
10 コロナ収束前の「Go To」予算1兆7千億円計上に非難殺到も田崎史郎は…
11 東山紀之、朝鮮学校無償化に言及
12 五輪延期で発覚!安倍のお友だち「アパホテル」に組織委用の部屋
13 石田純一がコロナバッシングで「組織に狙われている」と語った理由!
14 御用新聞・産経が安倍首相に食い下がった毎日記者を攻撃する露骨ぶり
15 安倍は辞任報道でもお友達優遇! 前回のTBS時代の山口敬之が
16 世界的建築家の「カジノありきの万博」批判に大阪市長が大ウソ反論
17 小泉進次郎が「靖国参拝」したのは父親と同じ右派支持狙いの戦略か
18 総裁選で自民党がまた新聞社に圧力文書!
19 松本人志『ドキュメンタル』のセクハラ
20 和泉・大坪の安倍側近“不倫コンビ”の新疑惑を政府機関の理事長が告発

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄