憲法記念日特別企画

立憲主義の危機だ! 池上彰が安倍首相の憲法軽視と自民党の改憲草案をぶった斬り

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
ikegamiakira_150502.jpg
『超訳 日本国憲法』(新潮新書)

 明日5月3日は憲法記念日。そんななか、自民党の憲法改正推進本部が発表したマンガ「ほのぼの一家の憲法改正ってなぁに?」が物議を醸している。

 物語は、憲法記念日に家で団欒する一家の様子からスタート。なぜか話題は現行憲法の話となるのだが、するとおじいちゃんが突然、“現行憲法はアメリカの押し付け憲法だ”と怒りをたぎらせはじめる。そして、このような説教を展開するのだ。

「戦争を放棄さえすれば戦争がないと思っとるのか?」
「敗戦した日本にGHQが与えた憲法のままでは いつまで経っても日本は敗戦国なんじゃ」

 ほのぼのとした絵柄と相反する、おじいちゃんの強迫的な台詞の数々。しかしこのマンガには触れられていない、自民党が考える肝心の改憲内容がある。

 その点にまで突っ込んで憲法について考えているのが、池上彰氏の新刊『超訳 日本国憲法』(新潮新書)だ。この本では、池上氏が現行憲法をわかりやすく超訳している。さっそく、憲法改正の焦点となっている第九条の池上訳を見てみよう。と、その前に、まずは現行の憲法第九条を確認してみたい。

《日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。》

 そもそも、この第九条について歴代の政府によって違う解釈が行われてきたのは、昭和21年(1946)年当時、自由党の芦田均委員長が第九条二項の冒頭に「前項の目的を達するため」という文言を挿入したことだ。草案が提出されたとき、吉田茂首相は「自衛権まで含めての戦争放棄を考えて」いた。しかし、芦田修正によって「自衛権は認められることになった」とも解釈することが可能になった。

 そのため池上氏は、第九条の超訳にあたり、2パターンを用意。「すべての戦争を放棄した」と解釈するバージョンと、政府の「自衛権は保持した」と解釈したバージョンだ。

◎すべての戦争放棄バージョン
《日本国民は、正義が守られ、混乱しない国際社会を実現することを誠実に強く求め、あらゆる戦争を放棄する。国際紛争を解決する手段として、武力を使って脅すことや武力を使うこともしない。
② 武力は使わないと宣言したのだから、陸軍も海軍も空軍も、その他の戦力も持たない。国が他国と戦争する権利は認めない》

◎政府の「自衛権は保持した」バージョン
《日本国民は、正義が守られ、混乱しない国際社会を実現することを誠実に強く求め、侵略戦争を放棄する。武力を使って脅すことや武力を使うことは、国際紛争を解決する手段としては放棄する。しかし、自衛権まで放棄したわけではない。
② 侵略戦争や国際紛争を解決するための武力による脅し、武力行使はしないので、そのための陸軍や海軍や空軍や、その他の戦力も持たない。国が他国と戦争する権利は認めない。だが、自衛のための力を持つことまでは否定しない》

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

超訳 日本国憲法 (新潮新書)

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

立憲主義の危機だ! 池上彰が安倍首相の憲法軽視と自民党の改憲草案をぶった斬りのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。安倍晋三憲法水井多賀子の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 キャンセル続出も…「五輪観戦子ども動員」ラグビーでは1試合1万3千人!
2 赤木ファイル公開で改ざん指示は安倍から菅、菅から佐川のルートが濃厚に 
3 宮本亞門が衝撃告白「トップの方が裏で大金を渡し招致を決めたと自慢げに」
4 五輪映画監督の河瀨直美が露骨な五輪礼賛発言、反対の声を八つ当たり扱い!
5 葵つかさが「松潤とは終わった」と
6 「五輪子ども動員」強行のために東京都が“キャンセル案内文書”を隠蔽!
7 立民議員「50歳と14歳」問題でおぎやはぎが「多様性」「ロリータは名作」
8 “G7でぼっち”菅首相フォローのため甘利明やFNNが妄想ストーリー
9 五輪感染対策がザル化!開会式の観客は2万人、毎日PCR検査が抗原検査に
10 組織委が五輪取材の海外メディアに「隔離0日」になる“抜け穴”例文を提示!
11 安倍首相の1億総活躍社会はインチキ
12 安倍が天皇“お気持ち表明”に報復人事
13 平井卓也のヤクザ並み恫喝はオリパラアプリのデタラメ発注をごまかすため! 
14 小倉優香の番組中「辞めさせてください」の本当の理由は番組のセクハラ
15 五輪組織委の現役職員が異常な人件費と中抜きの実情を告発!
16 櫻井よしこ、西岡力、文春…朝日・慰安婦報道叩きのデタラメが次々露呈
17 自殺した近畿財務局職員が手記であげた「刑事罰を受けるべき財務省職員」
18 国会延長拒否の菅政権が「土地規制法案」だけ強行採決へ!その危険な中身
19 安倍首相が会見も新しい対策ゼロ! 質問打ち切りに記者から怒号
20 聖火リレーの醜いスポンサーファースト 子どもにスポンサー品の着用強要
1赤木ファイル公開で改ざん指示は安倍から菅、菅から佐川のルートが濃厚に 
2「五輪子ども動員」強行のために東京都が“キャンセル案内文書”を隠蔽!
3「大阪の自宅死が全国最多」でも吉村知事を追及できないマスコミ 朝日も…
4組織委が五輪取材の海外メディアに「隔離0日」になる“抜け穴”例文を提示!
5G7で“借りてきたネコ”状態の菅首相をヨイショするためNHKがフェイク!
6平井卓也のヤクザ並み恫喝はオリパラアプリのデタラメ発注をごまかすため! 
7国会延長拒否の菅政権が「土地規制法案」だけ強行採決へ!その危険な中身
8吉村知事の大阪府は「時短協力金」支給も大幅遅れでダントツ最下位! 
9“G7でぼっち”菅首相フォローのため甘利明やFNNが妄想ストーリー
10五輪感染対策がザル化!開会式の観客は2万人、毎日PCR検査が抗原検査に
11安倍晋三が「赤木ファイル」を冒涜するツイート!
12五輪の有観客開催強行のため菅首相が会見で空疎な嘘を連発!
13宮本亞門が衝撃告白「トップの方が裏で大金を渡し招致を決めたと自慢げに」
14キャンセル続出も…「五輪観戦子ども動員」ラグビーでは1試合1万3千人!
15夫婦別姓もLGBT法案も安倍晋三がツブした!
16立民議員「50歳と14歳」問題でおぎやはぎが「多様性」「ロリータは名作」

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄