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NGT山口真帆が秋元康と指原莉乃に謝罪の謎! 山口に教えたい、リテラが直面したAKSと秋元康の一体関係
『ワイドナショー』で暴行事件に言及した指原だが…
NGT48暴行事件は被害者である山口真帆が卒業に追い込まれ、秋元康はだんまりを決め込んだままだが、どうやら根本的な解決なしに決着に向かっているらしい。
メディアが暴行事件などなかったかのように、指原莉乃のAKBグループ卒業で盛り上がっているというのももちろんだが、被害者の山口真帆が秋元康と指原莉乃に謝罪をするという不可解な行動を起こしたのだ。
5月2日、山口がモバイル有料会員向けメールでこんな文章を書いていたと報じられている。
「私も秋元さんがトップだと思ってたし、助けてくださいってsnsで直談判しようと思ってたぐらいなんですが、秋元さんはaksのトップではないから逆らえないし、何も報告されなくなって、何も知らないらしいんだ」
「昔のAKBとは組織も人も違うし、私の経験上納得するところはありました。だからコメントするにもコメントできないらしくて、(略)ご迷惑かけてごめんなさいって私は思っています」
「このことに関してニュースにしてまた指原さんにコメント求めるのは止めてください」
「自分のことを知らないメンバーに勝手にこういう人だなんて言われるのは正直驚くこともあるけど、一番コメントを求められる指原さんは私のことを気遣ってくれて、本当に有り難く、そして申し訳なく思っています」
「秋元さんも自己保身の為に私のこと都合良く言い回るのかなと思っていたし、あれだけ有名な人だから1番そうすればいい人なんです。だから私もそうされても仕方ないと思っていたし、秋元さんも極悪人のように思っていたのですが、私が傷つくようなことは一切しなくて、唯一心配してくれていたと聞いています」
「『まほほん騙されているよ!』と、言われるかもしれないのですが、私の判断はれな(引用者注:長谷川玲奈)とりこ(引用者注:菅原りこ)にもあって、れなとりこのことを傷つける人は許せないんです。何か2人にされてなかったら、卒業します!だけでした」
「秋元さんはれなとりこのことも心配してくれたから、私は凄く感謝しています。それなのに極悪人だと思っていたことをここでお詫び申し上げます…」
「名探偵の方々もそこだけは勘違いされてるかなと思って」
「私が秋元さんにとって極悪人だ(笑)」
しかし、不可解なのは、そもそも山口が秋元康についてはSNSなどで公に名指しで批判など一切していないことだ。山口は極悪人だと思っていたと反省していたが、実はSNSなど公の場でそんなことを口にしたことはない。指原についても同様で、これまで公には一切批判したことはない。
にもかかわらず、なぜ山口は秋元康や指原にわざわざ謝罪をしたのか。首をひねっていたら、今度は、指原莉乃が本日5月5日の『ワイドナショー』で、秋元康と事件の関係を問われ、こう語った。
「私も実際に、ある日、ちょっとこれはどうしようもないなと思ったので、秋元さんに相談をしたんですけど、そのときに、言っていいのかわからないんですけど、会社側がすべていまは勝手に動いてしまっていて、本来相談するべき秋元さんに相談も報告もせずに、NGTの今後の動きなどを先に発表してしまっていたり、まあ、ある瞬間にトップが変わった瞬間から、秋元さんがクリエイティブだけのプロデューサーになっていたので、それをきっと真帆ちゃんに、唯一間に入って話せる人がいるんですけど、その人が話していて、その人づてに秋元さんも励ましの声をかけていたというのは聞いています」
まるで口裏を合わせたかのようなタイミングでの指原の発言だが、ようは、山口に対して、「唯一、間に入って話せる人間」が、「秋元さんはAKSのトップじゃなくてクリエイティブにかかわっているだけ」「だから秋元さんもAKSのやることには逆らえない」「今回のことはすべて会社側が勝手に動いているだけで、秋元さんに相談も報告もしていない」「秋元さんは山口のことを心配して励ましたいと言っている」と伝言をしたということらしい。
秋元康の歌詞批判をしたリテラにAKS法務部から抗議メールが
しかし、はっきり言って、これ、山口が言いくるめられているとしか思えない。なぜなら、本サイト自身が、「AKSと秋元とが一体」「AKSは秋元の下僕として動いている」としか考えられない体験をしているからだ。
それはいまから3年前、2016年4月、HKT48のシングル「74億分の1の君へ」に発売された少し後のこと。本サイトは、同シングルに収録されているカップリング曲「アインシュタインよりディアナ・アグロン」の歌詞が女性蔑視であるというネットの声を受けて、秋元康の歌詞にある女性差別思想を分析、批判する記事を掲載した。
すると、AKB運営会社であるAKS 法務部から、「名誉毀損及び侮辱罪が成立する」「即刻、記事を削除せよ」というメールが送りつけられてきたのだ。
当該記事が正当な論評記事であることは当時、本サイトで徹底的に反論しているので詳細はそちらを参照してもらいたいが(https://lite-ra.com/2016/04/post-2181.html)、そもそも当該記事は、秋元康の歌詞とその背景にある秋元康の女性蔑視思想を批判したもので、秋元康の歌詞を歌わされているメンバーの批判など一切していないし、運営会社であるAKSのことなど一文字足りとも書いていない。
しかしこの秋元康批判記事を、なぜかAKS法務部が「削除しろ」とメールを送りつけてきたのだ。
しかも秋元康の歌詞について〈当該歌詞は、女優ディアナ・アグロンに憧れる架空の女の子のお話しであり、特定の女性像を推奨する内容ではなく、差別的な意図は全くありませんし、その他貴社が指摘される楽曲の歌詞についても同様に、女性蔑視やセクハラの意図は全くありません〉と外部クリエイターにすぎないという作詞者・秋元康の意図まで代弁していた。
ちなみにAKSは「その他の楽曲の歌詞についても同様に、女性蔑視やセクハラの意図は全くありません」と言っているが、その他の楽曲のなかにはAKSとはなんら関係のないおニャン子クラブの楽曲の歌詞も含まれていた。外部クリエイターにすぎないらしい秋元康の過去の楽曲まで含めた批判記事を、AKS 法務部は「削除しろ」と要求していたのだ。
AKSと秋元康が組織として無関係というならば、いったいどういう立場で、AKS法務部が秋元康の批判記事の削除要求し名誉毀損を提起するというのか。この不可解な抗議を見るかぎりAKSは秋元康と一体(少なくとも一体という意識を持っている)であり、秋元康のために動いている。「AKSに秋元が逆らえない」のでなく、「AKSが秋元に逆らえない」としか、考えられないだろう。
NHKも「松村AKS取締役を外部の秋元康が叱責するのはおかしい」
実際、その関係がうかがえるのは、本サイトへの抗議だけではない。今回のNGT問題でも、秋元康のほうがAKSよりもはるかに力が上であることがうかがえることがいくつかあった。
たとえば、そのひとつは、1月14日に行われたAKSの会見で、AKSの松村匠取締役が秋元氏について問われ、こう話したことだ。
「大変憂慮されている。運営は私が進めておりますので、叱責されました。当然です。『しっかりとメンバーとメンバーをケアしていくというのは、運営の責任者の仕事。経験もあるわけだから』と」
秋元氏の他人事ぶりにも呆れるが、「憂慮されている」「叱責されました」という言葉からは、明らかに秋元氏が松村取締役より上の立場にあることがわかる。
この会見の不自然さについては、報道機関も指摘している。NHK新潟放送局が4月9日にNGT問題を特集し、そのなかで、「組織のなかでの役割と責任の所在が明確になっていないというのが、AKSという組織の特徴」として、秋元康の問題に踏み込んだのだ。
まず、アナウンサーが「秋元さんは今回のこの問題についてあまり公での発言が聞こえてきてませんよね、なぜなんでしょうか」と口火を切る。すると、解説役の記者がこう答えた。
「記者会見で松村取締役は、NGTの運営はAKSが全権を握っているとしていて、秋元さんは音楽の提供や企画などクリエイティブな部分を担当していて、組織の運営にはタッチしていないと説明しています。しかし、松村取締役は、秋元氏が今回の問題についてたいへん憂慮しているとしたうえで、秋元氏からメンバーのケアをすることを考えなさいと叱責されたことを明らかにしているんです。
ただですね、組織運営の権限がないとされる秋元氏が経営者を叱責するという事態は会社のガバナンスから見ても、こちらも問題があるんじゃないかと思います」
そして、この問題について「企業のガバナンスに詳しい専門家に話を聞いた」として、若槻良宏弁護士のこんなコメントVTRが放送された。
「記者会見をしている取締役を叱責する別の人物がいるっていうのは、それはガバナンスとして機能しているのかというところは疑問として残るんだろうと思います。本来であれば、監督を受ける立場というのは上司であったり代表取締役であるわけですけれども、そうではない方(秋元氏)から指揮・監督・命令を受けているとなると、まさにガバナンスが問われるんじゃないかと思うんですね。この会社はいったい誰が意思決定をしていて、誰が責任を負っている会社なのか、ということが不明瞭になる」
ようするに、NHKは秋元氏が「運営統括責任者」である松村AKS取締役を「叱責」できる明らかに“上の立場”であり、“事実上の最高責任者”であることを示唆。秋元氏の存在が隠され、表に出てこないことが、組織を歪にしている最大の原因だと指摘したのだ。
今村悦朗・前NGT48劇場支配人も松村匠AKS取締役も秋元人脈
NHKの指摘は当然だろう。秋元氏は現在AKSの役員でなく株も保有していない。しかし、組織にも運営にも大きな影響力をもっていることは、ビジネスや取材をしたことのある芸能関係者やマスコミ関係者の間では常識だ。いや、そのことはいまの組織のトップの顔ぶれからもみてとれる。
たとえば、会見で「叱責されました」と語った松村取締役は元フジテレビ社員で、秋元氏が関わってきた『とんねるずのみなさんのおかげです』でAD、ディレクターを務めてきた盟友。
また、今回のトラブルの元凶と言われる今村悦朗・前NGT48劇場支配人は、インタビューで〈秋元(康)さんとは25歳のときからの付き合いだから約30年〉(「週刊プレイボーイ」2015年3月30日号/集英社)と語っていた。
ようするに、AKS幹部もNGTの責任者も秋元氏の息のかかった人物だったのだ。これだけでも、秋元康が事実上の最高権力者であることは明らかではないか。
実際、秋元氏は今回の暴行事件についても、発生当初から報告を受けていた可能性が高い。それは、1月12日にニコニコ生放送で放送された『直撃!週刊文春ライブ』で公開された、一通のメールだ。これは山口真帆への暴行事件が起こった際に今村劇場支配人がメンバーに送ったとされるメールなのだが、そのなかでは、こんな一文も登場するのだ。
〈秋元さん、伸介さん、AKS、AKS弁護士への報告もしてあります。〉
このメールが事実であれば、秋元氏は暴行事件の報告を受けながら、それを黙って見ていたことになる。
しかも、メールに登場する「伸介さん」というのは、秋元氏の実弟であり、AKBグループのスキャンダル対策を率先しておこなってきた人物で、主に週刊誌やスポーツ紙を担当。カレンダーやパンフレット、公式本などといった“利権”を各出版社に分配することでメディアを手なづけてきたことで知られている。
これだけの関係、疑惑があって、「秋元さんは関係ない」「秋元さんはAKSに逆らえない」なんてありえないだろう。しかも、秋元には、こうした事件を生み出す背景になっている握手会ビジネスや恋愛禁止ルールといったAKBシステムの生みの親としての責任もある。少なくとも、公の席で暴力事件の隠蔽について釈明し、謝罪する責任があるのは当たり前だ。
山口は「私が傷つくようなことは一切しなくて、唯一心配してくれていたと聞いています」というが、秋元が本当に心配していたというのなら、仮に秋元が本当に運営にノータッチだとしても、山口の身を案じ励ますコメントを公に発信することくらいはできただろう。しかし、秋元はそんなことも一切やっていない。それが本当の秋元のスタンスを物語っているではないか。
山口が会員向けメールで秋元擁護したあと更新されないままのツイッター
ところが、指原、山口がここにきて、まるで申し合わせたように、秋元康を擁護したのだ。
指原の場合は、これまで『ワイドナショー』で一切触れなかった「事件と秋元康の関係」についてこのタイミングではじめて質問が飛び、それに答えるかたちをとったことをみても、“やらせ”のにおいがプンプンするが、被害者である山口までがなぜ、秋元康に謝罪する必要があったのか。
前述したように、山口は、「運営」とファンとつながっているメンバーに対しては批判してきたが、秋元康については公に名指しで批判などしていない。そう考えると、この山口の謝罪は、秋元康への批判を収束させるため、火消しのため以外に説明がつかない。
しかもこの秋元康への謝罪文が有料会員向けメールでの話で、山口がAKSの会見と同時進行で運営批判するなど、発信の場としてきたツイッターは更新されないままというのも、気になる。
事件発覚直後の劇場での謝罪の言葉も運営の指示で言わされていたと山口は後に告発したが、今回も同様のことが起きているのではないか。
もちろん、一方では、山口が仲介者の言い分を本気で信じ込まされてこの文章を書いた可能性もある。
しかし、いずれにしても、秋元康の責任が減じるということではまったくない。むしろ、こうやって、憎悪や怒りがメンバー同士にしか向かわず、トップや最大の利益享受者がなんら責任を取ることなく、手を汚さない。これこそが坂道系も含む秋元康の生み出したAKBというシステムの最大の問題なのだ。
これ以上の犠牲者を出さないためにも、ファンは、本当の権力者の責任をきちんと追及し続けるべきだろう。
(編集部)
最終更新:2019.05.05 09:09
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