「愛情の搾取」問題は最終回でどう着地するのか?『逃げ恥』が疑い続けた男と女、結婚と恋愛をめぐる価値観

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TBS『逃げるは恥だが役に立つ』番組ページより


 ついに今夜最終回を迎える『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS)。今月6日に放送された第9話の総合視聴率(リアルタイムの視聴だけでなく、レコーダーによる録画再生も反映させた視聴率)は30%台に届くなど、人気も評判も日を追うごとに高くなっている。

『逃げ恥』がこれだけの人気作品となった要素は色々あるだろう。「ムズキュン」とも称される津崎平匡(星野源)と森山みくり(新垣結衣)の不器用すぎる恋愛模様はもちろん、「結婚」というシステムをめぐって2人が会社の人間関係や家族との関係に悩みながら前に進んでいくストーリーも極めて現代的なテーマである。

 なかでも先週放送の10話では、会社の人員整理に巻き込まれ近々職を失う予定の平匡が、本当に結婚すれば家事代行のための経費がかからず貯蓄に回すことができると無神経なプロポーズをしたのに対し、みくりが「愛情の搾取に断固反対します!」と宣言して求婚を拒否したラストシーンが話題となった。

 みくりは家事労働を「仕事」として引き受け平匡に雇用されてきたのに、お互いが恋愛関係になった途端、平匡は家事を無償労働として提案した──。つまり愛情で結ばれた関係であるならば見返りなど求めず家族のために尽くすのは女性として当たり前、という社会で“常識”とされている価値観を、みくりは愛情を盾にした「搾取」だと批判したのだ。

 いわゆる安倍政権の「女性の活躍」とは、女性に“安い労働力”として社会進出を推奨する一方、家事や子育て、介護などの再生産労働を無償で押し付け、女性たちに二重負担を迫っている。社会はこの無償労働を「女性は家事が得意」「女には母性がある」などという社会的につくりあげられた性役割と「家族への無償の愛」という“尊さ”を女性たちに突きつけて、二重負担を正当化してきた。そういった愛情につけ込んだ女性への脅しを、『逃げ恥』は「搾取」として明確に俎上に載せたのである。

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