ファンに枕営業、パンスト、小学校の通知表まで売りつけ…食えない地下アイドルたちの壮絶生活とは?

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『潜行 地下アイドルの人に言えない生活』(サイゾー)

 AKB48グループ、ももいろクローバーZなどのブレイクに端を発し、ゼロ年代後半から徐々に始まった、いわゆる「アイドル戦国時代」と呼ばれるアイドルブーム。現在はだいぶ落ち着いてきたこの現象だが、アイドル人気が盛り上がるにつれクローズアップされてきたのが、AKBなどのメジャーアイドルとは明らかに異なる、食うや食わずの過酷な状況で生きる「地下アイドル」たちの存在である。

 特に、『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)は、ここ数年地下アイドルをテーマにしたドキュメンタリーを複数回にわたって放送。月収1万円にも満たないアイドル、生活費を切り詰め交通費全額自腹で関西から東京まで通うアイドルなど、あまりにも過酷な彼女たちの生き様は、放送されるたびに視聴者を戦慄させ続けている。そんななか、自らも地下アイドルとして長く活動し、ライターとして執筆も行う姫乃たまが出版した『潜行 地下アイドルの人に言えない生活』(サイゾー)には、当事者でなければ語られることのない地下アイドルの現状と本音が詰まっている。

 まず、彼女たちはどうやって暮らしているのだろうか? 地下アイドルの主な収入源は、ライブごとに行う〈500円から1000円が相場〉の「チェキ撮影」と、「チケットバック」の二つであるという。「チケットバック」とは〈ライブの前売り券を予約してもらうことで発生し、これまた500円から1000円くらいが相場〉というものだ。しかし、一回のライブに数十人単位の人しか集まらない彼女たち。これではとうていやっていけない。そんな状況下、姫乃はこんな先輩地下アイドルに出会ったという。

〈「地下アイドルで食っていきたいなら、思い出でもなんでも売れ」と、ベテランの地下アイドルが言い放っていたのが印象的です。彼女は幼少期の写真や小学校の通知表のコピー、お母さんの写真(!)まで売っていましたが、地下アイドルとして生きるって、時にそういうことなのかもしれません〉

 そして、姫乃はこんな撮影会モデルにも出会ったという。

〈いまではアマゾンの「ほしい物リスト」を客に公開し、プレゼントされた物品を二次収入にしつつ、撮影会で客が持ち込んできた衣装を、帰り際に客に売って稼ぐようになりました。衣装の売買を持ちかけるのは「焦って判断しちゃう終了10分前くらいにやるのがコツ」だそうで、撮影会全体のギャラよりも高いんだとか。外部から見れば濁ったグレーゾーンにいる彼女は、ようやくほしかった自分の服を着て、笑っていました〉

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