右派論壇誌“ヘイトスピーチ”広告の20年間を検証! 彼らは敵の設定と愛国話法をどう変化させてきたのか

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 もともと、“日本的なもの”ってなんなんだろう?という素朴な疑問から、戦前・戦中日本の大衆印刷や雑誌などを読みだしたという早川氏。

「たぶん戦前・敗戦までは“古きよき日本”があったのだろう、と漠然と思っていました。中学生ぐらいの頃、自分の頭を“戦前脳”にすると、昔の日本のことがわかるんじゃないかなと考えつき、図書館で古い雑誌などを読み始めたんです。つまり最初はユートピアだと思っていた。でも、実際にはものすごくディストピアだった(笑)」

 SF好きもあいまって、どんどんのめりこんでいったという早川氏だが、そうして当時の雑誌や大衆広告に触れるなかで、“ひょっとして、これは過去のことではなくて、じつは未来のことではないのか?”と感じていたという。

「たぶん、『憎悪の広告』を中学生の頃の僕が読むと、うわ!やっぱり未来はこうなったか!と感じるだろうな」

 現在だけを切り取って「日本は凄い」「日本人として誇りに思う」と語るとき、視界から外れるものがある。『憎悪の広告』から「愛国」の系譜をたどっていくと、そんな風に思えてならない。

「ひょっとすると、すでに時代が過去の総動員体制を追い越してしまったのかもしれません。戦前・戦中の広告は僕にとってのディストピア的な未来だったんです。それが、今は、もう追いつかれ、さらには追い越されようとしているんじゃないかって」
(梶田陽介)

最終更新:2018.10.18 05:06

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