高校生も安保反対デモ「戦争に行くのは政治家のおじさんじゃなくて、私たち!」 セブンティーンでも「憲法変えないで」…安倍は十代の叫びを聞け!

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 たとえば、「憲法を変えるべき?変えないべき?」という問いに、高校1年の女子は「もし戦争がどっかで起きて、それに自分も行きたいかって聞かれたら、行きたくないですし。憲法を変えないでほしい」と主張。また別の高校1年の女子は、「せっかく決めたのに、改正やらなんちゃらでそれを変えてしまったら今後も変わることがまたあるんじゃないか?と思いました」という。戦争には行きたくないし、かんたんに改正してしまえば歯止めがきかなくなるのではないか──そうした危機意識を彼女たちがもっていることがわかる意見だ。

 また、憲法9条についても、高校3年の女子は「憲法9条は、日本を引きこもらせるものではなく、国際支援をしやすくするためのものであることを認識すべきだと思う」と、与党の政治家などよりもずっとしっかりした意見を展開。現在世界で起こっている戦争についても、大学1年の女子は「戦争でしか解決できないことを限りなくゼロにするためにも、これからもよりよい国際法を追求していってほしい。戦争は絶対にダメだと思う!!」という。

 先生役を引き受けた木村氏は、〈「1945年」を「反省」ではなく、「敗戦の屈辱」の出発点だと考えてしまう人もいます。そうした人々にとっては、日本国憲法の制定も、民主主義の定着も、平和の実現も、すべてが敗戦国による押しつけに見えてしまうのです〉〈憲法について議論したり、政治家になったりする人の中には、「敗戦の屈辱」にこだわる人が集まりがちです〉と現在の状況を解説した上で、この企画に集まった「SEVENTEEN」の読者たちとの対話の感想をこう述べている。

〈あまりに饒舌な(敗戦の屈辱を抱える)彼らの話を聞いていると、だんだん、「自分のほうがおかしいのかな」と不安になることがあります。ところが、今回のゼミでお話したみなさんは、「過去の反省はしなければいけないけど、敗戦の屈辱をいつまでもかかえていても前向きな気持ちにはなれない」と語ってくれました。それが、良識ある圧倒的多数の人にとって、素直な感覚だと思います〉

 安倍首相を筆頭に、自民党にもネット上にも、70年前の侵略戦争という過ちを正当化しようとする勝手な大人たちが大勢いる。だが、多くの高校生たちはその欺瞞にきちんと気づいているのだ。

 きょうのデモでも、高校生たちは18歳に引き下げられた選挙権や経済的徴兵制にもふれ、安保法制を“自分たち若者の問題だ”と叫んだ。安倍首相にとっては、若者はみんなネトウヨだと見下し、選挙権の18歳引き下げは自分たちには好都合だと考えたのだろうが、そうはいかない。「マジ安倍いらない!」という生の声は、確実に広がっている。
(水井多賀子)

最終更新:2015.08.03 11:10

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