「基地反対派がハーフ女児暴行」は右派のデマ攻撃だった! 元国会議員も関与

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
nakamaru_150407.jpg
「八重山日報」の記事を拡散する中丸啓氏のツイート(@maruchan777jp)より


「【ヘイトクライム】沖縄で基地反対派5人が日米ハーフ女児に暴行!!」

 今、2ちゃんねるまとめサイト「保守速報」などでこんなタイトルの記事が出回り、物議を醸している。案の定、ネット右翼たちは「これは都合の悪いヘイト」「プロ市民は本当にキチガイだな」と祭り状態になっているが、本サイトが関係各所を取材してみたところ、ここには右派のデマゴギーが介入していることがわかった。今回、その経緯が判明したので、少し長くなるが、順をおって説明しよう。

 まず、ネットに出回っている「基地反対派が女児暴行」という2ちゃんねるまとめのソースになっているのは、沖縄県の地方紙「八重山日報」(4月3日付)に掲載された「読谷 背景に反基地感情? ハーフ女児押し倒す」という記事だ。その内容は、沖縄県読谷村に住むアメリカ人と日本人のハーフである6歳の女児が複数の男に押し倒されて暴行を受け、女児の母親が嘉手納警察署に相談したと伝えるもの。「八重山日報」は「事件」の詳細についてこう報じている。

〈女児によると3月27日午後、姉と友人の3人で公園へ行き一人離れて遊んでいた際、マスクとサングラスをした5人の男性に囲まれ、 突然押し倒されたあと腹部を踏まれ、あごをわしづかみにされた。
 男たちは「何でアメリカ人がこんなところにいる」と凄んだという。女の子に大きなけがはなかった。〉

 これが事実ならば卑劣な暴行事件としてすぐさま捜査が行われるはずだ。しかし、嘉手納警察署は本サイトの電話取材に対して、こう回答した。

「この女児の母親による相談があったのは事実です。しかし、今日の時点(4月7日)ではまだ暴行の事実は確認できていません。現在、事実関係を調査中ということです」(担当者)

 つまり、まだ刑事事件として捜査すら始まっていないわけである。「八重山日報」によれば、事情聴取した嘉手納署刑事課の担当者は「付近の巡警を強化する」と応じたという。実際、本サイトの取材でも嘉手納警察署は「巡警強化」こそ認めているが、しかし、「事件」が発生したとされる日から2週間が経とうとしている今でも立件されていないことを考えると、どうも不審に思えてならない。

 実は「八重山日報」の記事には、他にも曖昧な点がある。それは、「支援者で、沖縄教育オンブズマン協会会長」という肩書きの手登根安則氏という人物による、こんなコメントを掲載していることだ。

「米軍基地に対する怒りのはけ口がハーフの女の子に向けられたのかも知れない。平和運動の名のもとに事実上のヘイトスピーチが横行している実態がある」

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて (g2book)

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

「基地反対派がハーフ女児暴行」は右派のデマ攻撃だった! 元国会議員も関与のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。ネトウヨ八重山日報捏造梶田陽介次世代の党沖縄の記事ならリテラへ。

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄