『アナと雪の女王』は原作レイプなのか!? ディズニー原作改変の功罪

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
anayuki_01_141224.jpg
原作“ありのまま”はムリだった!?(画像はディズニー公式サイトより)


 ディズニー史上、歴代No.1に輝く大ヒットを記録した『アナと雪の女王』。主題歌「Let it go」の歌詞にも出てくる「ありのままで」は2014ユーキャン新語・流行語大賞のトップテンに選ばれるなど、まさに今年1年を代表する作品となった。しかし、一部ではこの作品に対して、疑問の声もあがっているようだ。なぜなら、「原案」となったアンデルセンの『雪の女王』とはあまりにも違うから。その点を指摘しているのが、『『アナと雪の女王』の光と影』(叶精二/七つ森書館)だ。

 そもそもディズニーには原作改変の歴史がある。ディズニーといえば、アンデルセンやグリム童話など、数々の作品をもとに、オリジナルのアレンジを施してきた。同書によると、たとえば、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』を題材にした『ふしぎの国のアリス』。原作は「綴りや文法を逆手にとった言葉遊びや謎解き、不条理で一貫性のない物語、不可解で不気味なキャラクター」などが魅力だったが、ディズニーでアニメ化されたときにはチシャ猫もカラフルでポップなキャラになり、ティーパーティの様子もにぎやかなものになっていた。

 また、イギリスの児童文学『クマのプーさん』は、もともと作者のミルンが息子・ロビンのために彼をモチーフにして書いたもの。しかし、ロビンのボブカットはディズニーの『くまのプーさん』ではアメリカ少年風の短髪になり、台詞のアクセントもアメリカ中西部に変更。そのため「新聞紙上で抗議運動が起きた結果、ロビンの声をイギリス南部のアクセントで録音し直し」する事態にまでなったという。こういった騒動に対し、息子のロビンは後年自伝の中で「原作のシェパードの挿絵を支持する人たちが、ディズニーを支持する人たちと争うようなことにでもなったら残念なことだ」と、わざわざファンに自重を促したほど。

 そして、ディズニーの『白雪姫』では、「後日談の婚礼で王妃が赤く焼けた鉄の靴で踊らされる」といった残酷な描写が軒並みカットされているのに加え、グリム童話の『白雪姫』と決定的に違うのは、白雪姫が「リンゴを吐き出して蘇生」するのではなく、「王子のキスで蘇生」して終わること。アンデルセンの『人魚姫』だって、原作は人魚姫が王子との恋に破れ、泡となって消えるという悲恋の物語なのだが『リトル・マーメイド』では、「深海世界征服をたくらむ魔女を王子と姫の姉たちが力を合わせて退治し、恋愛成就のハッピーエンド」に。王子様と結ばれることこそがハッピーエンドであるディズニー作品では、リンゴを吐き出して生き返るとか、叶わぬ恋といった夢のない現実的な展開なんて求めていないのだ。

 このように、ディズニー作品ではどんな原作も“勧善懲悪”そして“ヒロインは王子さまと結ばれる”というステレオタイプのハッピーエンドへと改変されてしまうため、作品の根底にある地域性、歴史観、人種差別などの問題といったものが排除され、無菌化=“ディズニー化”していると批判されてきた。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

『アナと雪の女王』の光と影

新着芸能・エンタメスキャンダルマンガ・アニメビジネス社会カルチャーくらし教養

『アナと雪の女王』は原作レイプなのか!? ディズニー原作改変の功罪のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。ディズニー島原らん海外アニメの記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 美智子皇后がトランプとの面会に難色
2 安倍政権が企む“子なし世帯増税”の異常性
3 マツコがLGBT発言を封印した理由
4 レコ大責任者がバーニング周防社長を告発
5 安保法制密約で自衛隊将校が実名告発!
6 日馬富士暴行で貴乃花批判のおかしさ
7 安倍の教育無償化はやっぱり嘘だった
8 池上彰が朝日叩きとネトウヨを大批判
9 たけしが安倍を「軍国主義」と批判!
10 欅坂・平手が「今年はひどいことばかり」
11 安室奈美恵ベスト盤にも奴隷契約の影が
12 マツコ「安倍首相は馬鹿」にネトウヨが
13 オリラジ中田が日馬富士事件で松本批判?
14 安倍がネトウヨ『報道特注』に出演熱望
15 内田樹が喝破!安倍独裁を容認させるもの
16 柳広司、中原昌也らが東京五輪に疑問の声
17 稲垣、草なぎ、香取と日本財団の関係
18 ロンブー亮の芸能タブーツイートと松本
19 山口敬之氏が詩織さんに卑劣すぎる反論
20 マツコがいじめ、弱者叩きの構造を喝破
1安倍政権が企む“子なし世帯増税”の異常性
2国連が安倍政権のメディア圧力に勧告へ
3加計学園で設置審委員が内情暴露!
4日本大使館が「民進党は米国が分裂させた」
5義家前文科副大臣が加計疑惑に茶番質問
6萩生田が前川前次官にシンゴジラを観ろ
7安倍政権が乱発するトンデモ閣議決定
8安倍の教育無償化はやっぱり嘘だった
9欧米で安倍と訪日トランプに嘲笑の嵐
10 安保法制密約で自衛隊将校が実名告発!
11鶴保前沖縄担当相に辺野古利権疑惑
12内田樹が喝破!安倍独裁を容認させるもの
13マツコがいじめ、弱者叩きの構造を喝破
14安倍がネトウヨ『報道特注』に出演熱望
15沖縄タイムス記者が官邸と百田に反撃
16 柳広司、中原昌也らが東京五輪に疑問の声
17美智子皇后がトランプとの面会に難色
18「朝日、死ね」足立議員のトンデモぶり
19日馬富士暴行で貴乃花批判のおかしさ
20JASRACが坂本龍一を騙しうち!

人気連載

アベを倒したい!

室井佑月

連載一覧へ!

アベを倒したい!

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄

"体育会系相田みつを"松岡修造は本当に「ブレない男」なのか? 年を追うごとに変わっていく修造語録を読み解く

「売れてる本」の取扱説明書

ネット右翼の15年

野間易通

高市早苗はいかにして"ネオナチ"と出会ったか

ネット右翼の15年

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

戦争を放棄せよ! 軍事力がなくても侵略と闘う方法はある、自由のために闘える!

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」