読売TV『あさパラ!』が岡田晴恵の容姿をからかうセクハラ的バッシング! 千原せいじは「医療崩壊は岡田のせい」とデマ

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『あさパラ!』で岡田バッシングするせいじ


 新型コロナウイルス感染拡大をめぐり、ごく初期からPCR検査の拡充などを訴えてきた岡田晴恵・白鴎大教授。政権からも目をつけられテレビ番組での発言が監視されていたことも明らかになっているが、安倍応援団やネトウヨたちから激しいバッシングを受けてきた。

 もっとも、その後、世界中で検査拡充が叫ばれ、日本政府も方針転換。岡田教授の主張の正しさが証明されたため、バッシングは弱まり、逆に厚労省の御用ジャーナリストやネトウヨ、新自由主義者の叫んできた検査不要論のトンデモぶりのほうが浮き彫りになった。……はずだったが、頭の悪いワイドショーはまだ、一周遅れの岡田バッシングに励んでいるらしい。

 7月11日放送の『あさパラ!』(読売テレビ)で、聞くに耐えないような岡田教授への個人攻撃が繰り広げられたのだ。

『あさパラ』は毎週土曜日朝に、関西ローカルを中心に放送されている情報番組。お笑いコンビのハイヒールがレギュラーで、リンゴのほうがMCをつとめ、千原せいじをはじめとする吉本芸人や野村修也弁護士ら維新応援団文化人などが準レギュラーでコメンテーターとして出演。多くの関西発情報番組がそうであるように維新応援団番組であることも、度々指摘されてきた。

 しかし11日の岡田晴恵教授攻撃は下劣極まりない、セクハラまがいのものだった。

「“コロナバブル”あの女性がTVクイーン」と題して、まずMCのハイヒールリンゴがこう切り出した。

「岡田晴恵教授でございますけれども、2020年上半期テレビ番組出演ランキング女性部門で第1位。同点1位はハリセンボンの近藤春菜。レギュラー番組いっぱいやってますからね。プラスアルファ、自分の番組もやってますし、コンビでもやっている。ちなみに2019年下半期は、出演回数はゼロ、つまりコロナなってからやから、コロナバブルで言われるんでしょうが。出演頻度の高さから、“コロナの女王”と呼ばれる。だって、朝、テレ朝で、その後 TBS 出てっていう、ベルト(帯)の番組のはしごをやってますから」

 岡田教授のテレビ出演回数の多いことをあげつらう。わざわざ売れっこタレントであるハリセンボンの近藤春菜と比べているあたり、タレント気取りとの揶揄を引き出そうという意図がミエミエだ。ちなみに、感染症の専門家でいえば、二木芳人昭和大学客員教授も連日『バイキング』『グッディ』といった帯のワイドショー・情報番組にはしご出演しており、出演回数も岡田教授をしのいでいるが、二木教授が“コロナの王様”“コロナバブル”などと揶揄されることはほとんどない。

 さらに「熟女好き芸人のロバート秋山もラブコール」を送っているとして、「ちなみにどういうことして欲しいというと、岡田教授と旅行に出かけて、ものすごい小さいサイズのみずぎを着用してもらいたい」というロバートの秋山竜次のコメントが紹介されると、スタジオはセクハラ丸出しの下劣きわまりない爆笑に包まれた。

 また岡田教授と同年代で知り合いなのかとふられた宮沢孝幸・京都大学准教授が「あの、そうです。昔ちょっとバトったというか、仲は悪いです」と答えると、スタジオはさらに大きな爆笑が沸き起こり、待ってましたとばかりに参戦してきたのが、千原せいじだ。

 女性を「ハヤシライス」とモノ扱いし貶めるような不倫が半年の間に2回も発覚し、さすがに東京のの情報番組では大人しくしていたせいじが、いけしゃあしゃあとコメンテーターづらしていることにも驚いたが、もっとひどかったのはその発言内容だ。

2度の不倫騒動でも関西ワイドショーに出演し続ける千原せいじが、岡田晴恵叩き

 せいじは、いかにも憎々しげな表情を浮かべながら、こんなことをまくし立て始めた。

「先生、僕すごい不思議なことがあって、コロナのことを、世界中誰も理解してない、『コロナって何なんだ』『コロナって』って言うてるときに、この人テレビに出て『コロナとはあーだこーだ』言って。『対応できる』『こうやってやるんだ』ってしゃべりまくっとったでしょ」

岡田教授が当初から主張してきたのは、前述したように検査の拡充や隔離の徹底だった。これは感染症対策のセオリーにのっとったものであり、世界中の誰も理解していない話などではないし、のちにその正しさは証明されている。

「コロナのことを何もわかっていないときに」などと言って批判するなら、初期にメディアで、「ただの風邪」「インフルエンザと同じようなもの」「人が死ぬような病気じゃない」「暖かくなれば収束する」などと、その危険性を断定的に矮小化した自称専門家たちのほうがはるかに罪が重い。

 この日、同番組に出演し、下劣な岡田攻撃に笑っていた宮沢准教授だってそうだろう。吉村府知事のブレーンでもある宮沢准教授はこの間、「K値」などという理論をもちだし、まるで感染が自然に収束するかのような印象を与えていたが、「K値」の提唱者は感染症の専門家ではなく、「K値」じたいもきちんとした検証はまだされておらず正しいかどうかはわからない。しかも宮沢准教授は4月にコロナについて〈梅雨になれば状況好転の可能性は大いにあります〉〈このウイルスの伝達力は、インフルエンザ並かそれ以下と考えられます〉などと楽観的なツイートしていたが、いまの状況を見てもそんなことが言えるのか。

 リンゴが「喋りまくってたというか、この人が言うてたのは、PCRをものすごく推奨してて、最初何言っているか全然わからないんですよ、みんな。でも、それがそうなんやってなってきてから、ちょっとなんか王道感が」といちおう経緯を整理するのだが、せいじは再び雑駁な話に戻し岡田教授を攻撃する。

せいじ「そうなんですけど、なんでこの人だけがコロナのことについて、たとえばPCRがエエとか、そんなの専門家の人なら絶対知ってることやから、他の専門家も言うたらええのに、この人だけがコロナの情報持ってる、みたいな感じで、喋りまくってたから、なんなんや、この人、と思ってたんや」

 頭が悪すぎてどこから突っ込めばいいのか。“PCR検査が必要なら他の専門家も言えばいいのに言わなかった”、のだとしたら、論理的に考えれば、批判されるべきは、言うべきことを言わなかった他の専門家のはずだが、そうではないらしい。しかも「この人だけがコロナの情報持ってるみたいな感じで喋りまくってた」「なんなんや、この人」って、ようするにせいじは、岡田教授の主張の内容ではなく、ただただ存在が気に食わないだけではないか。

 リンゴも「言われたら、そうですけど。この人がやっぱりいちばんコロナに詳しい?」などと同調し、宮沢准教授に投げかける。

 すると、宮沢准教授は芸人ばりの大げさな顔芸で「まさか、まさか、まさか」と答えてスタジオを爆笑させ、せいじも、我が意を得たりと「でしょー! 俺、思うてた、この人、怪しいなあて」と一際大きな声で叫ぶ、という具合だ。

ナベプロとの契約、髪型やファッションをからかう悪質な攻撃

 番組の悪ノリはまだ続く。岡田教授が、今月から大手芸能事務所・ワタナベエンターテインメントに所属したという話題になる。芥川賞作家の西村賢太、“今でしょ”の林修、将棋の加藤一二三とメディアで注目された文化人にはすぐ声をかけるナベプロらしい話だが、芸能レポーター長谷川まさ子氏が「ご縁があってということで、タレントとして契約をされました」と解説。

 すると、リンゴが「文化人がタレントとして契約された」と驚きながら、コメンテーターとして出演している弁護士の嵩原安三郎氏に「先生どこでしたっけ?」と話を振ると、「僕もワタナベ。僕は文化人登録です、文化人登録」などと、なぜか岡田教授が“文化人部門でなくタレントとして契約した”という前提で話が進んでしまった。
 
 しかし、念のため、本サイトがナベプロの公式サイトで確認すると、岡田教授の名前は文化人部門にあった。学者のくせにタレント気取りと小バカにしたいために、事実関係まで捻じ曲げていたのだ。

 さらに信じ難いのは、岡田教授の容姿まであげつらい出したことだ。

リンゴ「ある時期からメガネを外されたり、(髪を)巻いたり、ちょっとここ毛を落としたり、ファッション……」
モモコ「急にキレイなった」
リンゴ「まあ、自分でテレビ見たら、素人の方でも『私テレビで見たら太ってるわ』と思ったり、ちょっとやつしたり、やつすというか、ちゃんとしようって」(「やつす」は標準語ではみすぼらしくするという意味だが、大阪弁ではおめかしするという意味)
リンゴ「だからネットでいろいろ言われて、デヴィ夫人がブログで『いい歳をした人が朝からキャバクラ嬢のようなヘアスタイルで出演しています』ていうふうに書かれたり。それに対してもちろん、デヴィ夫人言い過ぎですよっていう意見ももちろんあって」

 そして、ナベプロのHPにも掲載されている、宣材写真を指して、「ただ、もう、この写真は誰かわからんなあ」「やっぱり宣材写真やからと思いますけど、照明が当たってるなあ」などと笑い者にするのだ。

 タレント気取りいじり、容姿いじりも醜悪極まりないが、しかし、悪質なのはやはり、せいじと宮沢准教授が日本のコロナ感染対策の失敗を岡田教授の主張を歪曲して攻撃したことだとう。

 スタジオで容姿へのからかいが盛り上がった後も、せいじは再び話を蒸し返し、話をこうまとめにかかっていた。

「どうなんやろうね、結局、いろんな経済活動が止まったりとか、医療現場がパニックになったりとか、いろんなことの発端の一部は、この人が、俺、担っていると思うの。テレビで、あんだけセンセーショナルにばあっとしゃべったから。まあーまあー、罪やと思うんやけどね、俺、この人」「この人が扇動したとこ、俺、あると思うんですよね」

 これに、宮沢准教授が「あー、煽った……まあ本人は正義感でやってると思うんでしょうけども、間違ってたことはたくさんあって、私もけっこう叫んでましたけど」と答えると、せいじは「でしょ! でしょ!」「でしょ! 思うてたんや!」と大はしゃぎするのだ。

千原せいじは「医療現場がパニックになったのは岡田教授のせい」と攻撃

 岡田晴恵教授のせいでいろんな経済活動が止まったり、医療現場がパニックになったって、彼らはいったいどういう事実認識をしているのだろう。

 そもそも、感染拡大を防ぐために経済活動を一時的にある程度犠牲にしたのは日本に限った話ではなく、世界各国でとられた措置だ。

 日本でも緊急事態宣言への流れで大きな役割を果たしたのは、むしろ、東京都や大阪府に感染予測を示し知事らの自粛呼びかけの契機となったり、「8割接触減」を訴えた厚労省クラスター対策班の西浦博・北海道大学教授らだろう。

 というか、岡田教授にかぎらず感染症の専門家が感染拡大防止という観点からのみ話をするのは当たり前であって、それといかに経済活動を両立させるかは、政府の判断すべきことだ。それを、政府の専門家会議のメンバーですらない、民間の感染症の専門家に、経済活動の責任を担わせるなど、意味がわからない。

 医療現場のパニックにいたっては、まったく逆だ。周知のとおり、岡田教授は、かなり早い段階からPCR検査の拡充と発熱外来の設置を訴え続けており、もし岡田教授の提案していた措置が取り入れられて入れば、院内感染をはじめとした医療現場のパニックは防げた可能性が高い。

 それを医療崩壊は岡田教授のせいって、デマ攻撃にもほどがあるだろう。
しかも、せいじと宮沢准教授は、その後も名誉毀損としは思えないような誹謗中傷を繰り広げた。

 宮沢准教授はなんの具体的事実も示さないまま「昔、いろいろトラブって、不誠実な研究者やなと思ってたんで」「まあ、やってんなあって話ですよね」「いろいろやらかしてましたから」などと、せいじは「岡田、やらかしてんなあ」と、あたかも不正でも犯していたかのように決めつけてしまったのだ。

 岡田教授に対しては、冒頭で指摘したように、御用ジャーナリストやネトウヨが苛烈なバッシングを繰り広げていたが、そのなかには、悪質なデマもたくさんあった。たとえば、上念司氏は3月に『AbemaPrime』(AbemaTV)で「薬剤師さんなのに医者のフリをした人」などと述べ、ネトウヨたちが「岡田晴恵は薬剤師で医師ではない」「ただの薬剤師だから感染症の専門家じゃない」「岡田薬剤師」などと罵倒。しかし、岡田教授は薬学修士でもあるが医学博士でもあり、れっきとした感染症の専門家であり、これは完全にデマだった。

 今回の千原せいじ、宮沢孝幸教授も同様で、結局、岡田教授の実際の発言内容がどういうもので、何がどう間違っていたのかなどは一切説明していない。とにかく、岡田教授のことが気に入らず、誹謗中傷を繰り広げていただけなのである。

 それにしてもいったいなぜ、ネトウヨ安倍応援団、維新支持の新自由主義者たちは、ここまで岡田教授を目の敵にするのか。

『あさパラ!』のセクハラ的な番組内容をみれば、「女のくせにしゃしゃり出てきやがって」というミソジニーが大きく影響しているのは間違いない。しかし、もうひとつ大きいのは彼らが「国民の健康や公共の福祉より大事なのは金儲け」「病気の予防なんて国に頼らず、自分でなんとかしろ」という経済至上主義、自己責任論に骨の髄まで侵されているからだ。

 だから、行政の徹底した感染対策を求める岡田教授が目障りでしようがないのである。

 しかし、トランプ大統領の支持派の州やボルソナロ大統領のブラジルの状況を見れば、新自由主義と自己責任論がコロナ感染をさらに悪化させることにしかならないことは明らかだ。周回遅れの新自由主義者やネトウヨこそ、とっととメディアから退場すべきだろう。

最終更新:2020.07.20 11:03

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