ぱるるがグラビア差別発言? AKBに仕事をとられたグラドルたちが怒りの反撃開始!

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島崎遥香ファースト写真集 『ぱるる、困る。』(集英社)

 先日、9日放送の『淳・ぱるるの○○バイト!』(フジテレビ系)で、AKB48の島崎遥香がグラビアアイドルについて言及した発言が波紋を読んでいる。

 グラビアアイドルをテーマとしたトーク中、水着グラビアで雑誌の表紙を飾ることも多い彼女が、「グラビアに力を入れたいと思っていないので…」と発言。さらに、共演者の田村淳が「今、グラビアアイドルってさ、一番マークしているのはAKBの人たちだと思う」と、AKBのメンバーがグラビアアイドルから敵視されていることを指摘すると、「私も本当だったら本職の方にやっていただきたいですよ」と、まさかの「グラビアの仕事をやりたくない」告白まで飛び出す始末。

 このグラビア差別ともとれる発言は、AKBに仕事を奪われ悔しい思いをしているグラビアアイドルたちにとったら、許せない発言だろう。

 もともと、「塩対応」キャラが売りの彼女だったが、最近ではそれがエスカレートし、「毒舌」キャラの域に入りつつある。

 トークアプリ755で、ファンから「どのような男性に魅力を感じますか」と聞かれたら「AKBに興味がない人に惹かれます」と答えたり、テレビ番組でイケメン好きを告白した後、「目の保養になります。なんか仕事で嫌なモノを見たら、イケメンで癒されます」と握手会に並ぶファンを揶揄していると捉えられかねない発言をしたり、またもやテレビで「サッカー部の汗なら爽やかって感じでいいけど、野球部の汗はベトって感じ、臭そうなイメージ」と言うなど、毒のこもった発言が止まらない。

 このキャラクターのエスカレートっぷりを好意的に受け止めているファンも多いが、さすがに今回はちょっと上から目線がすぎる印象だ。

 番組のなかで田村淳が指摘していたように、いまのアイドル業界ではAKBのおかげでグラビアアイドルが苦境に立たされている。

 ただでさえ出版不況で雑誌が減っていたり、写真集の企画が通りづらくなっているのにも関わらず、貴重な雑誌のグラビア枠をAKB48グループが取っていってしまったことで仕事がなくなってしまっているのだ。

 この現状については、グラビアアイドル当人たちからも悲鳴があがっている。
 
 矢吹春奈は『メッセンジャー&なるみの大阪ワイドショー』(毎日放送)のなかで、グラビアに進出する48グループに対し、「カテゴリーに収まって欲しいんですよ」「歌って踊ってれば良かったんです」とグラビアの領域にまで侵略しないで欲しいと主張し、「私たちからすると、作物泥棒なんですよ」とまで強い言葉で非難した。

 また、篠崎愛も、『ナカイの窓』(日本テレビ系)のなかで、「グラビア(アイドル)の需要が薄くなってきちゃう……。表紙を取るのもAKBさんで……、ちょっとやめてほしいな……」と告白している。

 しかし、そんな状況のなか、グラビアアイドルたちも、ただ手をこまねいているだけではなかった。

 グラビアの仕事を自らつくりだすべく立ち上がったアイドルたちがいる。「グラドル自画撮り部」である。

 グラドル自画撮り部とは、グラビアアイドル自らが鏡の前で水着姿を自撮りし、その写真を「#グラドル自画撮り部」のハッシュタグをつけてツイッターに投稿する運動のことを指す。

 部長・倉持由香、副部長・吉田早希、書記・塚本舞らを中心人物として始まったムーブメント。事務所の大人が主導したわけでなく、あくまでアイドル自らが始めた、グラビアアイドルをもっと多くの人に知ってもらうための活動なので、入部条件は「グラビアが好きなグラビアアイドルなら誰でも」だそう。その志に共鳴したアイドルはいまや500人近くにおよぶ。

 そもそも、グラドル自画撮り部ができたきっかけは、倉持が「尻職人」と称し、毎日自分のお尻を強調した自撮りをツイッターにあげていたことから始まる。

 それが良い宣伝効果を生み、フォロワー数は3000人から1万人になり、DVDもアマゾンランキングで1位を獲得した。

 自撮りをツイッターに投稿することがファン拡大につながることを確信した倉持は、友人である塚本にも「みんなでやりたいね!」と誘い、グラドル自画撮り部発足へと発展する。

 画期的な宣伝方法を発明した倉持が自分ひとりでその手法を独占しなかったことがすごい。『My Girl』(KADOKAWA)vol.2掲載の、倉持由香と塚本舞の対談では、その理由として、現在のグラビア界の状況をあげている。

「尻職人を続けたことでお仕事も増えたんですけど、このまま一人の仕事が増えてもこの先は行き詰まるだけだなと。グラビアアイドル業界の畑自体が盛り上がってないと、私という作物は途中で枯れてしまうと思ったんです。だから、私一人だけじゃなく、業界全体を盛り上げないとって考えがありましたね」

 この思想は塚本も共有するものだった。

「今、グラビアはサバイバルレースで、限られたパイをみんなで奪い合うような状態なんです。だから、グラビアアイドルをもっと身近な存在にするために、まずは母数を増やさないといけない」

 しかも、この活動は周囲の反対を押し切ってのものだというから、彼女らのクレバーさには舌を巻くばかりだ。「ツイッターにタダで写真を載せることに抵抗はなかったんですか?」という質問に倉持はこう語る。

「全くなかったです。自画撮りはあくまでもサンプル。より多くの人に見てもらわないことには商品を買ってもらえないので、まず自分を知ってもらうためのティッシュ配りみたいなものだと思ってました。だけど、当時のマネージャーさんからは『DVDが売れなくなるだろう』と反対されて。でも、『いや絶対大丈夫なので、ちょっと見ててください!』ってやり続けた結果、アマゾンでDVDが見事1位になりました」

 彼女らのDIYな活動は、多くのアイドルファンに支持され、いまだ48グループばかりがグラビアの表紙を飾る状況ではあるが、少しずつその牙城に切り込みつつある。

 彼女らグラドル自画撮り部の成功を祈るとともに、ぱるるにも、運営から干され、同期たちが皆呼ばれたCMの仕事に選ばれず円形脱毛症になってしまうほど悩んだ苦労時代を思い出し、もう少し同業者への思いやりをもってくれれば、と願うばかりである。
(新田樹)

最終更新:2018.10.25 12:32

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