市原悦子が語り続ける戦争体験と安倍政権への怒り「『国民の命と財産を守る』と言っても空々しい」

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『白髪のうた』(春秋社)

 戦後72年を迎えたこの夏。先日お伝えした仲代達矢や桂歌丸をはじめ、先の戦争を知る世代が減るのと呼応するように戦争の恐ろしさを国民がだんだんと忘れ始めている社会状況を危惧し、自らの戦争体験を語り残そうとする芸能人や文化人は多い。

 そんななか、『家政婦は見た!』(テレビ朝日)シリーズでおなじみの市原悦子も自身の戦争体験を語り話題となっている。

 それは、先月末に出版されたエッセイ集『白髪のうた』(春秋社)に記されている。1936年生まれの彼女は、空襲で危うく命を落としかける体験をしたという。

〈終戦の前の年、千葉市栄町(現在の千葉市中央区栄町)にあった生家のそばに爆弾が落ちたんです。家には庭に面して広い廊下がありました。
 家族でお昼ご飯を食べていたとき、「ダダダダーン」と爆音がして、ご飯のうえにうわっとほこりが積もったの。「何ごとだ!?」と居間を出たら、廊下がこなごなになったガラスの川でした。爆風でガラスが全部吹き飛んで、廊下に割れ散っていたんです。ほこりの積もったご飯とガラスの川、それが目に焼き付いています〉

 もしもこの爆弾が直撃していたら、確実に無事ではすまなかっただろう。事実、彼女の兄は爆弾が落ちた場所を見に行っているのだが、そこには空襲で犠牲になった人の遺体があったという。

〈夕方、兄が友達と、爆弾は家のそばの小学校に落ちたことを確かめてきました。爆風で近所の人が吹き飛ばされて、ばらばらになった。兄たちは、校舎の壁面に飛び散りへばりついた、その人の肉片を見たそうです。近所の人たちが「東京に落とす爆弾を試しに千葉に落としたんだ」と騒いでいました〉

 この空襲をきっかけに、市原の家族は同じ千葉県の四街道へ疎開する。空襲の恐怖からは逃れることができたものの、今度市原らを苦しめたのは飢えだった。慢性的な食料不足に苦しみ、素人ながら近所の農家に教わりながらトマトやきゅうりを栽培するも、それでも飢えは解消されない。最終的には口に入れられるものならなんでも、ザリガニすら食べるような生活を送ることになる。

 市原はその暮らしがつらいものであったと同時に、人間としての自分の礎をつくった体験でもあったと語る。『白髪のうた』ではこのように綴られている。

〈ひもじいことの辛さ、ものを大事にし、感謝する。自分のすることに責任感を持つ、すべての人間の原点になる情感を、そこで学んだ気がします。
 あの頃、今の自分ができたと思います。たくましいというか、案外へこたれないというか。自分のことは自分でする。自分にも周りの人にも世の中にも、あんまりガタガタしない。欲がなく、目の前にある仕事を丁寧にやるだけで満足する。その日食べられて、大事な友達が数人いて、楽しく身体を動かしていればいい、ちょうど「都合のいい」女が、その頃にでき上がりました〉

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