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渡部建が妻と相方とスポンサーに謝罪する一方、最大の被害者である相手女性に謝罪せず! 「デートクラブのように安全に遊べる子」と差別肯定
youtubeでも恋愛テクニックを語っていた渡部建
複数の女性を性のはけ口としていたことを「週刊文春」(文藝春秋)に報じられた、アンジャッシュ・渡部建。「週刊文春」発売2日前からすべての仕事の自粛を発表し公の場から姿を消していた渡部だが、今週、その「週刊文春」の独占インタビューに答えた。
すでに多くのワイドショーでも報じられているように、インタビューで渡部はマスク越しにもわかる憔悴した表情で、妻・佐々木希と相方・児嶋一哉に対して、謝罪の言葉を繰り返している。
妻である佐々木に対して、「僕は今でも妻を愛しています」「たいへん失礼で、卑劣で、最低なやり方だったなと思います。自分の取っていた行動のおぞましさとか、世間に与える影響とか、家族や親族をどういう風に傷つけてしまうのかとか、いろんな思いがありました」「(佐々木は深い愛情のある人)そんな彼女を傷つけてしまった。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです」などと、謝罪の言葉とともに愛情が変わらないことを何度も訴えた。
また、相方の児嶋に対しても「胸が張り裂けそうになりました。児嶋の言うことが腑に落ちるというか」「児嶋を見下していたと取られてもしょうがない」「これだけ相方にも迷惑をかけてしまった。今の僕には『いつの日か舞台に戻りたい』という資格すら与えられていません。」などと、反省と謝罪の言葉を口にした。
また先週の「文春」によれば、渡部はマネージャーを伴い、スポンサーにも謝罪して回っているという。
しかし一方で、多目的トイレに一方的に呼び出し性行為を終えると1万円を渡してさっさと帰らせるなど「性のはけ口」扱いをし、性的搾取・ハラスメントとしか言いようのない目に合わせた相手女性たちに対する謝罪の言葉は、一切ない。
むしろ、相手女性たちとの関係について、こんなふうに「釈明」してみせたのだ。
「デートクラブのように安全に遊べる子たちというふうに認識していました。彼女たちは『接待で政治家や力士やプロ野球選手の集まりに行ったりしている』と話していた。皆さんが安全に遊べるような環境を作っていると伺って『こういう世界があるんだなぁ。こういう人たちなら安全に遊べるのかな』と思ってしまった」
「妻と知り合ってから安全な遊び方を知り、そこから抜け出せなかった。いろいろ許容してくれていたので、図に乗ってこうなってしまった。彼女たちに対しては気持ちのないまま接していたし、気持ちの上で浮ついたことはありませんでした。僕は今でも妻を愛しています」
「デートクラブのように安全に遊べる子」「彼女たちは接待で政治家や力士やプロ野球選手の集まりに行ったりしている」などと、性的搾取を正当化するミソジニー丸出しの論理を開陳した上で、それについて反省するのかと思いきや、反省や謝罪の弁はまったくない。それどころか「気持ちの上で浮ついたことはありませんでした。僕は今でも妻を愛しています」などと、彼女たちを“性のはけ口”としてモノ扱いしたことを、むしろ妻への愛情の証明のように語っているのである。
相手女性に対しては、申し訳程度に「たいへん失礼で、卑劣で、最低なやり方だった」「これも大変失礼なことなんですけれども」などという言葉も見られるが、まともな謝罪の言葉は一切ない。
発覚当初のコメントでも、妻や仕事関係者に謝罪する一方、相手女性に対して理不尽な行為をはたらいたことについてはひと言も謝罪していなかったが、今回もその姿勢は変わらなかった。
それどころか、「デートクラブのように安全に遊べる女性」「政治家や力士やプロ野球選手の接待をする女性」とさらに貶めたのである。極右連中が日本軍の「従軍慰安婦」に対して売春婦と攻撃するのと同じようなメンタリティで、性的二次被害と言ってもいい。
渡部建問題の本質はミソジニーに基づいた性的搾取、ハラスメント
他の女性を“性のはけ口”扱いすることが平気で謝罪すらしない男性が、妻への変わらぬ愛を涙ながらに語る。まるで美談のように扱われているが、これほどグロテスクな女性差別があるだろうか。
ようするに渡部は自分の起こした問題の本質をまったく理解していないのではないか。「不倫報道」がなされた直後にも本サイトで指摘したように、渡部のやったことは、たんなる不倫などというものではなく、性的搾取あるいはハラスメントというべき事案だ。
本サイトはそもそも不倫を犯罪者のように糾弾する不倫バッシングには批判的な立場だし、これが、ジャニーズやバーニング系、ナベプロのようなマスコミ操作に長けた大手芸能プロダクション所属ならここまでテレビで報じられていなかっただろうという点で渡部報道には不公平さもある。
しかし、渡部のやったことは不倫などではなく、性的搾取・ハラスメントと呼ぶべき事案であり、その意味で渡部は強く批判されて当然だし、ワイドショーなどでも、渡部が離婚するかどうか佐々木が許すかどうかなど家庭問題に矮小化せず、女性差別問題としてきちんと議論するべきだ。
たとえば、渡部が「文春」インタビューで語った「デートクラブのように安全に遊べる子」「接待で政治家や力士やプロ野球選手の集まりに行ったりしている」「皆さんが安全に遊べるような環境を作っている」というような、半ばシステマティックな性的搾取が著名人のあいだで行われているという事実があるのであれば、その実態もさらに追及すべきだろう。
ところが、この間ワイドショーでは渡部問題を大々的に取り上げてきた一方で、相手女性が性的搾取・ハラスメントの被害者であるという視点が完全に欠けている。多目的トイレの問題などに触れ「単なる不倫じゃない」と多少そうした点に触れようとする者がいても、逆に「結婚しているとわかっているのに、応じたのも悪い」「何度も応じているのがおかしい」「妻を傷つけた加害者であって、被害者ではない」などという相手女性への非難の大合唱でかき消されてしまう。
何度でも繰り返すが、渡部のしたことは不倫や恋愛などではなく、女性たちを自身の“性のはけ口”として蹂躙した最悪の行為だ。力関係を利用したハラスメントやいじめに近い。相手女性に対するバッシングは、現実の力関係を無視した強者の論理そのものだ。
渡部が結婚しているというだけで被害者である相手女性が加害者扱いされる理不尽
今回の相手女性は、渡部から精神的に愛されているわけではないのはもちろん、性的にも一方的サービスを強いられているだけだ。そんな関係を誰が望んでいるというのか。こんなひどい関係であるにも関わらず、彼女たちが渡部に言われるまま会いに行っていたのは、「有名人」で「売れっ子」である渡部に精神的に支配されてある種の奴隷状態になっていたからではないか。
男女関係や恋愛で一方的なマウント構造、支配関係が確定してしまうと、被支配者のポジションにある人間はその理不尽極まりない行為すら受け入れてしまう。そして、その関係を壊したり、ひっくり返したりはなかなかできない。恋人や夫にモラハラやDVなど酷い目に遭わせられながら離れられない女性が数多くいるのも、そのためだ。いや、性的な関係や婚姻関係だけではない。学校でのいじめ、ブラック企業やパワハラ、カルト宗教の洗脳なども同じだろう。
今回の問題で渡部がまず謝罪すべきは、妻でも相方でもスポンサーでもない。“性のはけ口”として不当な扱いをした相手女性に対してだ。
ところが、渡部は相手女性に対して一切謝罪することはなく、ワイドショーでも誰もそれを咎めることはない。逆に「相手女性は被害者じゃない」などという言説のほうがまかり通っているくらいだ。
この背景にあるのは、日本の男性優位社会的価値観とそれをベースにした結婚制度に対する過剰な盲信だろう。
近年の過剰な不倫バッシングに対する反動として、最近、「妻が許せばいい」「家族の問題」などという風潮が強くなっている。渡部に対してすらも「多目的トイレを使用したことをのぞけば、夫婦の問題」などという人がいる。これは非常に危険な兆候だ。
意識的か無意識かはわからないが、今回、渡部が妻に対して繰り返し謝罪を述べる一方、相手女性に対しては謝罪も反省も一切口にしないのは、こうした風潮の延長線上のことだろう。
渡部が女性に対してはたらいたハラスメント行為・性的抑圧行為は、渡部が独身だったとしても許されることではない。にもかかわらず、渡部が結婚しているというだけで、「奥さんを傷つけた」などと言って、相手女性のほうがバッシングされてしまっている。
渡部は相手女性を「デートクラブのように安全に遊べる子」とさらなる差別的発言
ハラスメント・性的抑圧を受け、尊厳を傷つけられたという女性の受けた被害より、結婚制度のほうが重大とは、価値観が倒錯しているとしか言いようがない。妻の既得権益ばかりがやたら強調される一方で、いちばん弱い立場にある不倫相手の女性の人権が完全に無視され、平気で蹂躙されているのだ。
しかも、この差別は女性に水商売やセクシー女優などの肩書きがあったり、性のはけ口的な役割を担わされていたりすると、バッシングはさらにエスカレートする。今回、渡部が「デートクラブのように安全に遊べる子たち」「彼女たちは接待で政治家や力士やプロ野球選手の集まりに行ったりしている」などと語ったのも、こうした差別やバッシングを喚起する非常に卑劣なやり口だ。
こうしたバッシングは、当該女性を傷つけ追い詰めるだけではない。
声をあげる女性に対して「おまえも加害者だ」「自分も不倫をしたくせに」などとバッシングされる状況を許したら、それこそ女性は自分にも罪があると思い込ませられ、どんなに理不尽な行為をされても、声をあげられなくなるだろう。そして、結果的に男は結婚制度を隠れ蓑にして、やりたい放題できる状態になってしまう。実際、既婚男性からセクハラ被害を受けた女性が、逆に妻から訴えられるという事例もある。
不倫バッシングに対する反動として語られる「妻が許せばいい」「家族の問題」などという言説は、男尊女卑の価値観をベースにした結婚制度過大視をベースにしているという意味で、結局不倫バッシングと同根の裏表でしかない。「許せない妻は度量が狭い」という家父長制丸出しの妻バッシングにだって、容易に転化しうる。
男性だけでなく、女性のなかにも妻の既得権益をふりかざして相手女性を非難する者もいるが、この男尊女卑の価値観をベースにした結婚制度過大視は、DVやモラハラなどの隠れ蓑にもなるものであり、既婚女性をも抑圧するものだということに気がつくべきだ。
何より、「家族の問題」「妻が許せば、他人が口出しすべき問題ではない」などという言説のもと、相手女性の人権が蔑ろにされ、「ハラスメント」「女性差別」というこの渡部問題の本質が覆い隠されることがあってはならない。渡部のみならず、渡部のような女性を蹂躙する行為を許容する日本社会の女性差別構造そのものが問われるべき問題だ。
(本田コッペ)
最終更新:2020.06.26 04:19
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