靖国神社の本質に気鋭の政治学者・白井聡が切り込む! 問題はA級戦犯合祀や中韓の反応ではない、靖国に歴史的大義がないことだ!

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 だが、参拝を肯定する政治家たちはこのパラドクスにまったく無自覚なまま、平気で「国のために尊い命を捧げた方々に追悼の意を表するもの」などといった、妄言を垂れ流す。

「国のために戦い、尊い命を犠牲にされた御英霊に対して、哀悼の誠を捧げるとともに、尊崇の念を表し、御霊安らかなれとご冥福をお祈りしました」(安倍首相 参拝時の談話から)

 しかし、繰り返すが、靖国に祀られている英霊とは戦前の大日本帝国のご都合主義から選ばれたものであり、たとえば数十万人にも及ぶ空襲や原爆の死者などの戦災者は一切祀られていない。靖国神社を参拝するということは、先の大戦に対する反省や、多くの国民を犠牲にした贖罪を伴った行為とは真逆の行為なのだ。

 白井も、これについて次のようにその欺瞞を指摘している。

〈「政治家の靖国参拝は平和の誓いをするためなのだ」というレトリックは、神社の来歴からして到底通用し得ない。仮に、靖国神社を戦没者追悼のための公的な施設として使い続けるのであれば、靖国は過去の戦争神社としての在り方を公的に自己否定しなければならないし、政教分離の観点からして神道から切り離される、つまり神社であることをやめなければならない〉

 その上で、靖国の今後について、こう提言する。

〈してみれば、われわれが目指すべきは靖国の「自然死」である。多くの人が、靖国の原理を理解すること――すなわち、そこには普遍化できる大義がないことを知り、「勝てば官軍」の矮小な原理を負けた後にも放置しながら、あの戦争の犠牲者たちに真の意味で尊厳を与えるための施設としては致命的に出来損ないであり続けているという事実を知ること――がなされるならば、誰もがこの神社を見捨てるであろう〉

 白井の言うように、靖国はまさに自然死こそがふさわしい。だが、そのためには、国民が靖国問題へのリテラシーを上げていく必要があるだろう。
(エンジョウトオル)

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