本も読まず生徒の気持ちに気づかず言い訳ばかり…“モンスター教師”たちの残念な実態

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『残念な教員 学校教育の失敗学』(光文社新書)

 教師の劣化が叫ばれて久しい。それは単なる指導力の問題だけではなく、スクールセクハラなる言葉も登場したように、わいせつや暴行、生徒へのイジメ行為、パワハラなど不祥事も続発している。

 いったい教育の現場はどうなってしまっているのか。そんな教師たちの実態を暴露した『残念な教員 学校教育の失敗学』(林純次/光文社)が大きな話題を呼んでいる。著者の林は大手新聞社に勤務した後、フリージャーナリストを経て教師となったという変わり種の現役教師だ。公立小学校の非常勤講師を経て現在は関西の中高一貫校で教壇に立ち、2012年度には読売教育賞優秀賞を受賞している。

 そんな著者が、現在の情報を流すだけの教育や教師たちの様々な問題を指摘したのが本書だが、その実情は“残念”という以上に惨憺たるものだ。

 それによると、教師の大半は鈍感で、学ばず、コミュニケーションもとれず、そしてプライドだけが高いという。

「生徒たちが学級内でカースト制度のような差別的関係を構築していること、相互に点数を付け合っていること、生徒がキャラを演じ、その結果深い孤独感に苛まれていることなど全く気付かない」

 当然、いじめがあっても気付けないほどの鈍感力の教師が多いという。いじめ自殺が起こるたび、学校側は「いじめは把握していなかった」と抗弁するが、それはいじめが“なかった”のではなく、“気付けなかった”ということだろう。

 さらに、生徒に教育を施すはずの教師は学ぶこともしていないという。

「自分の仕事に関連する本を、月に2冊すら読まない人間が約8割もいるということだ」

 教師は多忙だ。著者はそれを教育システムが制度疲労を起こし、「憐れである」という一方、しかしそれは言い訳にすぎないと切り捨てる。

「中学・高校の教員であれば空いているコマは存在するはずだし、早起きをすればいいだけのことだ。生徒が社会に出ていこうとしているにもかかわらず、その社会を知ろうとせず、言い訳をしている状況は極めて不誠実だ」

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残念な教員 学校教育の失敗学 (光文社新書)

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