橋下待望論にだまされるな! 都構想否決のおかげで日本は改憲の危機から救われたのに

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
hashimoto_01_150528.jpg
待望論にきな臭い香りが……(橋下徹オフィシャルウェブサイトより)


 看板だった「大阪都構想」が否決され、政界引退を決めた橋下徹・大阪市長。すでに市民の手によってジャッジは下ったはずなのだが、先日、まったく意味のわからない世論調査結果が次々と発表された。

 それは、大阪都構想否決について「評価するか、しないか」という全国世論調査だ。5月25日に、毎日新聞による全国世論調査、また産経新聞社とFNNによる合同世論調査の結果が公表された。

 毎日の調査によると、都構想が否決されたことを「良かったと思わない」との回答が42%で、「良かったと思う」が36%。また産経とFNNの調査でも、都構想が反対多数で否決されたことを「評価しない」と回答したのが46.4%で、「評価する」と回答したのが39.6%。この数字を上げて、産経は〈約1万票の僅差で反対が多かった投票結果とは逆の評価となった〉と主張するのだ。

 また、いずれもごていねいに支持政党別でも調査しており、たとえば産経新聞では〈都構想に反対した自民党支持層でも「評価しない」は47.6%で、「評価する」の41.0%を上回った〉といい、大阪市を含んだ近畿ブロックでも、「評価しない」が54.9%、「評価する」が37.7%であったことを強調。さらに、橋下が政界引退を表明したことを「評価する」が58.1%、「評価しない」が36.2%だったとしている。

 いかにも「多くの人が都構想の実現を望んでいた」「政界引退を決めた橋下徹は潔い人物だ」と印象付ける数字だが、ちょっと待ってほしい。一体、どうしてこんな調査を行う必要があるのか? そもそも都構想実現によって直接の影響を受ける大阪府民以外、どれだけの人が関心を寄せていたというのか。東京のメディアですら都構想問題を熱心に報じたのは住民投票実施後で、多くの人は「自分たちには関係のない大阪の話」と片づけていたはずだ。そんな人たちにわざわざ都構想の是非をいまさら問うことに、なんの意味があるというのだろうか。

 だいたい、この「都構想が反対多数で否決されたことを評価するか否か」という設問自体が愚問だ。都構想自体に興味も関心もなかった人びとにとってこの質問は、結局、「橋下徹を評価しなかった結果をどう思うか?」という問いかけと同じ。結果をまとめれば、世論は「都構想のなにが問題だったのかとかはわからないけど、橋下さんの引退表明会見を見たらさわやかな感じだったし、政治家として惜しい人をなくしちゃったんじゃないの?」のような意見が多数である、ということに過ぎない。事実、この結果を受けて維新の柿沢未途幹事長は「橋下徹という政治家を失う意味の大きさに、否決との結果が出てから気づいたのではないか。後の祭りだが、大変無念だ」と記者団に語っている。もちろん、こうした意見が多くを占めた理由は、しきりにメディアが橋下を持ち上げ、「市民のあいだで橋ロス現象が起こっている!」と煽っているからだろう。

 しかし、だからこそ声を大にして言っておきたい。大阪市民が下した賢明なジャッジによって、日本はかろうじて救われたのだ、と。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

安倍改憲政権の正体 (岩波ブックレット)

新着芸能・エンタメスキャンダルマンガ・アニメビジネス社会カルチャーくらし教養

橋下待望論にだまされるな! 都構想否決のおかげで日本は改憲の危機から救われたのにのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。憲法橋下徹水井多賀子の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 安倍は経済・社会保障でも嘘つきまくり
2 見城AbemaTV安倍ヨイショとテレ朝
3 平野、ケラ…作家たちが安倍政権にNO
4 中村文則「この選挙は決定的な岐路に」
5 救う会元幹部が安倍の拉致利用に怒り
6 中原昌也「安倍応援団はあまりに下世話」
7 博士、町山が安倍と見城の癒着批判
8 美輪明宏が安倍と支持者を一喝!
9 安倍政権忖度でドキュメント番組が改変
10 安倍が神戸製鋼社員時代に不正に関与?
11 安倍が拉致被害者に「北朝鮮に戻れ」と
12 自民党がテレビを恫喝しネトウヨ煽動!
13 マツコ「安倍首相は馬鹿」にネトウヨが
14 山本太郎、改憲翼賛体制とどう闘う?
15 自民党がネトサポに他党叩きを指南
16 加計関係者を判事に!安倍の司法私物化
17 長谷川豊の自己責任論こそ維新の正体!
18 葵つかさが「松潤とは終わった」と
19 民主解党論の裏にジャパンハンドラー
20 沖縄問題を扱ったマンガ作品が話題に
1山本太郎、改憲翼賛体制とどう闘う?
2安倍、森友加計問題の説明する気なし
3マツコ「安倍首相は馬鹿」にネトウヨが
4安倍「妻は籠池さんに騙された」と言い逃れ
5高江ヘリ事故に安倍首相「功績」アピール
6田崎史郎のトンデモ安倍擁護に玉川徹が
7中原昌也「安倍応援団はあまりに下世話」
8 自民党がネトサポに他党叩きを指南
9自民党がテレビを恫喝しネトウヨ煽動!
10加計関係者を判事に!安倍の司法私物化
11山本太郎「リベラルをひとりも減らすな」
12安倍首相が日報問題でも口封じ人事!
13原発事故の主犯は安倍、裁判所の判断も
14小学8年生の安倍伝記漫画が反日と炎上
15長谷川豊の自己責任論こそ維新の正体!
16ノーべル賞ICAN の足を引っ張る安倍
17中村文則「この選挙は決定的な岐路に」
18昭恵氏に新たな口利き疑惑 オカルトの影も
19博士、町山が安倍と見城の癒着批判
20大手メディア衆院選情勢調査の結果は

人気連載

アベを倒したい!

室井佑月

連載一覧へ!

アベを倒したい!

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄

"体育会系相田みつを"松岡修造は本当に「ブレない男」なのか? 年を追うごとに変わっていく修造語録を読み解く

「売れてる本」の取扱説明書

ネット右翼の15年

野間易通

高市早苗はいかにして"ネオナチ"と出会ったか

ネット右翼の15年

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

戦争を放棄せよ! 軍事力がなくても侵略と闘う方法はある、自由のために闘える!

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」