元AV女優の社会学者・鈴木涼美が語るセックスワークと貧困…本当の貧困は風俗に入った後に

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
karadawouttara_01_150523.jpg
社会学者の鈴木涼美氏(『身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論』幻冬舎)

 AV女優として70本以上の作品に出演しながら、東大大学院を卒業し日経新聞の記者に。そして現在は社会学者。そう。昨年「週刊文春」(文藝春秋)14年10月9日号で「日経新聞記者はAV女優だった!」とスッパ抜かれた鈴木涼美のことだ。「週刊文春」報道の直後、鈴木が本サイトに寄稿した文章は大きな反響を読んだが、その後一気にメジャーになって、最近はテレビにもコメンテーターとして出演している。

 鈴木は13年の『「AV女優」の社会学』(青土社)に続き、14年11月には『身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論』(幻冬舎)を上梓。AVから風俗へフィールドワークの対象を広げているが、最近、「週刊東洋経済」(東洋経済社)4月11日号に寄稿した論考「女性の貧困最前線」は、ルポルタ―ジュとしても非常に興味深いものだった。

 おカネを求めてセックスワークに向う女性たち。鈴木は彼女たちの話を聞き、自らの体験とクロスさせるように筆を進める。そこから浮かび上がってくるのは、風俗で働く女性たちがおかれているのは決して「絶望的な貧困」ではないということ。だがしかし、そこには「絶望的な未来」があった。

 今春関西の大学を卒業する22歳のマキコは在学中から風俗嬢として働いていた。普通の勤め人である両親を持つ彼女は月に10万円の仕送りとアルバイトなどで20万円ほどの収入がある。しかし興味本位でホテルヘルスのバイトを始めたという。

「昼のバイトのときも生活費が足りないと思ったことはなかった。デリバリーヘルス(派遣型風俗店)やホテヘルをやっていた大学2年のときは出勤が週に1回。どうでもいい人に貢いだりしてちょこちょことおカネが足らなくなっていたから、そのときは出会い喫茶にも行く感じでした」

 同様のことを言う風俗嬢は数多いという。風俗に向かう女性は必ずしも悲惨なかたちで貧困に飲み込まれるわけではないというのだ。しかし彼女たちは風俗という仕事をすることで裕福になるわけではない。収入は倍増するがその分いろいろ散財して「やや貧困」だという。それでも彼女たちは決して「貧困の顔」はしていない。

「悲壮感なくいい条件の部屋に住み、居酒屋などで値段を気にすることなく好きなものを食べる。額面上の安定収入は10万円以下と称し、貯蓄は20万円以下。統計上の『貧困女子』は必ずしも貧困の顔をしていない」

 だがマキコは就職活動を一度もしていないという。「困ったらまた風俗にいけばいい」、そう思っているからだ。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論

新着芸能・エンタメスキャンダルマンガ・アニメビジネス社会カルチャーくらし教養

元AV女優の社会学者・鈴木涼美が語るセックスワークと貧困…本当の貧困は風俗に入った後にのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。林グンマ貧困鈴木涼美の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 Nスペ731部隊検証にネトウヨ錯乱!
2 ウーマン村本こそ“最強反戦芸人”だ!
3 テレ朝が萩生田に全面謝罪した背景
4 幹部から新人までほとんどが商売右翼
5 寂聴「憲法を汚した安倍は世界の恥」
6 『朝生』で百田尚樹が徹底論破され大恥
7 テレ東が番組で統一教会信者隠しと捏造
8 久米宏、さんま、村本も東京五輪批判
9 市原悦子が語る戦争と安倍政権への怒り
10 水木しげるが描いた慰安婦「地獄だ」
11 『永遠の0』は恐い!元特攻要員が批判
12 ローラが所属プロと奴隷契約トラブルも
13 イノッチが夫婦別姓反対派を一蹴!
14 グアム北ミサイルは存立危機事態でない
15 葵つかさが「松潤とは終わった」と
16 グッディ!土田マジギレ真の原因
17 手塚治虫が描いた戦争をいま読み直す
18 高橋洋一ら安倍応援団が特区ビジネス
19 岸田『ひるおび!』出演にネトウヨが
20 仲代達矢と桂歌丸が語った戦争体験
1吉川晃司が安倍の核禁止条約拒否を批判
2ウーマン村本こそ“最強反戦芸人”だ!
3有森裕子が東京五輪の現状を批判
4菅官房長官が壊れ始めた!トンデモ会見
5加計幹部が官邸訪問、安倍と下村が
6 Nスペ731部隊検証にネトウヨ錯乱!
7森友新証拠!佐川の虚偽答弁が明らかに
8久米宏、さんま、村本も東京五輪批判
9加計が職員を安倍首相の選挙に動員
10安倍改造内閣はハレンチ閣僚だらけ!
11高橋洋一ら安倍応援団が特区ビジネス
12内閣改造で加計学園人脈のお友達が出世
13灘中校長が語る自民党とネトウヨの圧力
14長崎のメッセージも安倍には届かず!
15市原悦子が語る戦争と安倍政権への怒り
16安倍応援団が発狂状態でメディア攻撃
17安倍は原爆の日も核兵器禁止条約を黙殺
18グアム北ミサイルは存立危機事態でない
19獣医学の重鎮が加計と安倍首相を一刀両断
20手塚治虫が描いた戦争をいま読み直す
PR
PR 飲むだけで女性のカラダの悩みを解消!?

人気連載

アベを倒したい!

室井佑月

室井佑月が斎藤貴男と「共謀罪」を徹底批判!「安倍政権に逆らう人が片っ端から逮捕される」

アベを倒したい!

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄

"体育会系相田みつを"松岡修造は本当に「ブレない男」なのか? 年を追うごとに変わっていく修造語録を読み解く

「売れてる本」の取扱説明書

ネット右翼の15年

野間易通

高市早苗はいかにして"ネオナチ"と出会ったか

ネット右翼の15年

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

戦争を放棄せよ! 軍事力がなくても侵略と闘う方法はある、自由のために闘える!

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」