旭化成、三菱電機、ライオン…“家事ハラ”アンケートに騙されるな

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
kajihara_140819.jpg
『家事労働ハラスメント』(岩波書店)

 住宅メーカー・旭化成ホームズが行った家事に関するインターネットアンケートが、いま波紋を呼んでいる。

 この調査は全国の子育て中の共働き夫婦(30~40代)1371人を対象に行われたものだが、その結果、家事を「手伝う」と答えた夫は93.4%に上ったという。さすが家父長制度の古い世代や団塊世代とは違い、この世代の男性はかなりの割合で家事を分担しているんだな。……と思いきや、その後、このアンケートは大きな議論となっていく。というのも、家事を手伝う夫のうち実に7割が「家事のやり方が違う」「お皿にお汚れが残っている」「やり方が雑、下手」などと妻に罵倒された経験があるという結果が同時に公表されたからだ。

 家事を手伝う夫に対しての妻がダメ出し──。これが世の中の男性たちをいたく刺激したようで、「これは夫に対するパワハラ、家事ハラスメントだ!」として、“家事ハラ”なる言葉が大きくクローズアップされたのだ。このキャッチーな話題にメディアが飛びつかないわけがなく、『グッド!モーニング』(テレビ朝日系)や『ノンストップ!』(フジテレビ系)、『いっぷく!』(TBS系)、『ミヤネ屋』(読売テレビ系)などの情報番組はこぞって“家事ハラ”を紹介。「せっかく家事を手伝っているのに妻に罵られる可哀想な夫」を取り上げていく。

 一方、別の視点からも“家事ハラ”に対して大きな批判が巻き起こった。そもそも旭化成ホームズのアンケートは “家事は妻が担うもの”で、夫は“それを手伝う存在にすぎない“という前提と意識のもとで行われたもの。そのため、ネットを中心に女性蔑視だ、家事を女だけに押し付ける男の論理だと非難が殺到したのだ。

 そもそも“家事ハラ”という言葉自体、女性だけに家事労働を押し付け強要することを問題にした言葉で、『家事労働ハラスメント』(岩波書店)の著者・竹信三恵子氏がつくったものだった。これまで日本、いや世界においても家事労働は女性が担うものとされてきた歴史があり、それは子育てや介護にまで及ぶが、これらは対価のもらえる“労働”ではなく、無償の“奉仕”。そのため、家事に従事する女性は経済的に弱者となり、時には蔑視の対象ともなっている。それこそが「家事ハラスメント」という言葉の定義である。意味をはきちがえたどころか、女性差別を助長するかのような結果をもたらした旭化成ホームズには抗議が行われ、アンケートと同時にオンエアされた“家事ハラ”CMも短期間で放映を打ち切られる事態となっている。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

家事労働ハラスメント――生きづらさの根にあるもの (岩波新書)

新着芸能・エンタメスキャンダルマンガ・アニメビジネス社会カルチャーくらし教養

旭化成、三菱電機、ライオン…“家事ハラ”アンケートに騙されるなのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。ハラスメント伊勢崎馨家事の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 昭恵夫人がヘイト運動家にメッセージ
2 下村博文がセクハラ被害記者に「犯罪」攻撃
3 宮崎駿が『永遠の0』を酷評
4 羽生結弦パレードに和田政宗ら右派勢力が
5 「安倍はトランプに捨てられた」と海外で酷評
6 元家族会の蓮池透が「安倍は嘘つき」
7 キムタク・マツコ共演の裏で中居が…
8 たけし独立に沈黙の文春に林真理子が「忖度か」
9 財務省の矢野官房長がテレ朝に圧力
10 柳瀬秘書官が「安倍命の官邸についていけない」
11 長尾敬、杉田水脈…安倍チルがセクハラ暴言
12 財務省・福田次官のセクハラ否定がヒドい
13 セクハラ被害のテレ朝記者に卑劣個人攻撃
14 AKB48「Teacher Teacher」に批判の声 
15 安倍の嘘つきは小学生時代からだった
16 セクハラかばう麻生財相の女性蔑視発言
17 首相案件文書に安倍首相と加計理事長の相談が
18 安倍首相が大阪でやらせ応援プラカード
19 日本会議から勧誘の電話!会話を公開
20 松本人志『ドキュメンタル』のセクハラ
1セクハラかばう麻生財相の女性蔑視発言
2林芳正文科相がキャバヨガ通い、官邸は?
3羽生結弦パレードに和田政宗ら右派勢力が
4首相案件文書に安倍首相と加計理事長の相談が
5安倍首相が大阪でやらせ応援プラカード
6村田諒太が安倍政権の国民栄誉賞に異論
7柳瀬秘書官が「安倍命の官邸についていけない」
8「安倍はやめろ」抗議デモが国会前を埋め尽くした
9加計獣医学部講義で小川榮太郎のデマ本が
10財務省の矢野官房長がテレ朝に圧力
11柳瀬秘書官、安倍、加計が一緒にゴルフ
12下村博文がセクハラ被害記者に「犯罪」攻撃
13「安倍はトランプに捨てられた」と海外で酷評
14財務省・福田次官のセクハラ否定がヒドい
15長尾敬、杉田水脈…安倍チルがセクハラ暴言
16柳家小三治「総理いつまでやってんだ」
17田崎史郎が「僕“でさえ”会ってると思う」
18上念司もケントと同様、加計の客員教授
19セクハラ被害のテレ朝記者に卑劣個人攻撃
20高畑勲監督が「日本の侵略戦争」を問うた幻の映画企画