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高市「中傷動画疑惑」で動画作成者が共同通信に詳細証言も…「面識なし」と言い張る高市首相の論理破綻を改めて検証

参議院インターネット審議中継より
高市首相の事務所が昨年の総裁選や2月の衆院選で他候補や野党を誹謗中傷する動画の作成・拡散問題だが、ここにきて「週刊文春」以外からも決定的な証拠が突きつけられた。動画を作成したという松井健氏が“顔出し”で共同通信の取材に応じ、首相の公設秘書・木下剛志氏とからの相談で対立候補に対する“ネガティブな発信”を行ったそのやりとりの詳細を証言したのだ。
松井氏は同記事の中で、小泉進次郎氏や林芳正氏を取り上げた1000~1500本のショート動画を作成、SNSで約300個のアカウントを用意し拡散したとも語っている。しかも、共同通信は、松井氏が秘書とやり取りした携帯電話のメッセージを確認しており、電話番号が首相の秘書本人のものだと報じている。
さらに、西日本新聞には、「ネガティブ動画を総裁選1500本、衆院選1万本 福岡拠点に作成、IT会社代表」というタイトルで、以下のような松井氏との一問一答が掲載された。
〈-関与の経緯は。
「高市早苗氏の陣営の交流サイト(SNS)戦略について相談に乗ってほしいと知人を介して依頼された。高市氏の秘書ら計4人が参加したオンライン会議で『小泉進次郎氏がリードしている。逆転するにはどうすればいいか』と聞かれ、短期戦で人の感情を動かすには、ネガティブな動画が効果的だと提案した」
(略)
-衆院選にはどう関わったのか。
「1月26日に秘書から『今回もお願いします』と電話で依頼され、協力した」〉
同記事も共同の取材に基づくものだと思われるが、高市事務所は衆院選でも、総裁選の7倍近い1万本もの動画を作成させていたということらしい。
さらに追い詰められた高市首相だが、しかし、実際は「週刊文春」の第一報の時点から客観的証拠が揃っており、高市事務所と木下秘書が動画の作成・拡散に関与していたことは明らかだった。さらに、「週刊文春」は第5弾まで、毎週のように、新たな証拠を突きつけてきた。
にもかかわらず、高市首相はひたすらシラを切り続け、信じられないような嘘や屁理屈で言い逃れを続けてきた。
選挙における誹謗中傷動画作成は民主主義の根幹を揺るがすものであり、その重大さはもちろんだが、高市首相のもうひとつの問題はこの息を吐くように嘘をつく習性にある。高市早苗という政治家がこの国のトップに座っていることがいかに危険かを明らかにするためにも、その言い訳のトンデモぶりを改めて検証しておきたい。
「有料だから」「規約が〜」で音声確認を拒否し、「内容は動画作成ものじゃない」と論点ずらし
「週刊誌より秘書を信じる」「私も秘書も会ったことない」「私も秘書も面識ない」「私は他候補の人格批判したことない」「信じていないのかと逆に秘書に怒られた」……。
高市首相は、4月下旬の第一報以降、毎週のように「週刊文春」に新たな証拠を突きつけられながら、こんな空疎な言葉で事実を否定してきた。しかし、その答弁のトンデモぶりが際だったのは、やはり6月4日、5日に、音声を突きつけられたときの国会答弁だろう。
前日の6月3日、「週刊文春」が「私も秘書も(動画作成を告発している)松井氏と面識がない」という高市氏の主張をくつがえすために、木下秘書と松井氏のZoom会議の音声を公開したのだ。
これを受けて、4日の衆院予算委員会で、中道改革連合の伊佐進一衆院議員が、この音声が秘書の声かどうかの確認を求める。
すると、高市首相はまず「通告を見たのが今朝の3時半」とお得意の寝てないアピールをしたうえ(伊佐議員は前日昼には事前通告していた)、こんなことを言い出したのだ。
「有料会員になって聞くのは難しい」
「こちらの言い分は関係なく、私の面識のない方の言い分をイメージ操作をして、報道してこられたそこの有料オンライン会員になろうとは思いません」
そう、高市首相は有料であることを理由に、音声を確認していないと言い張ったのである。そもそも国会議員には税金から毎月100万円の文通費(調査研究広報滞在費)が支払われている。選挙の公正、民主主義の根幹に関わる大問題なのだから、初月300円くらい払って事実を調査し、説明責任を果たすのは当然だろう。それを「有料だから〜」とは、まるで宿題を忘れた子どもの言い訳ではないか。
仕方なく伊佐議員がその場で音声を流そうとするが、テレビ中継で流れてしまうことを理由に議長が拒否。中道議員らが音声を高市首相に渡し、お昼休憩に音声を確認するよう求めた。
ところが、休憩が明け午後の質疑で同じく中道の長妻昭衆院議員が音声データそのものを聴ける状態でお渡ししておりますが、(秘書の声かどうか)真偽はおわかりになりましたか」と質問すると、高市首相は「規約を確認中」「規約の関係で確認できない」と発言。さらに「有料のものを他人に聴かせてはいけないという規約に抵触してはいけないと思ったので、文字起こしをしてもらった」「内容は動画作成のものではなかった」と言い出した。
「規約」を持ち出し、何がなんでも音声を確認しないという姿勢を押し通したのだ。しかも、姑息なのは、動画作成者と秘書の間に面識があるかどうかを判断するための音声確認なのに、意味のない文字起こしをさせ「内容は動画作成のものではなかった」などと言い出したことだ。
たしかに、「文春」が公開したオンライン会議は中傷動画作成ではなく「サナエトークン」に関するものだが、内容が違うからといって「面識がない」という高市首相の嘘が本当だということにはならない。というか、そもそもこの音声は、中傷動画作成でつながった木下秘書と松井氏が「サナエトークン」についても相談していたというもので、むしろ両者の関係の深さを物語っているとさえいえる。
にもかかわらず、内容が動画作成ではないことだけを強調して論点ずらしに利用するのだから、高市首相の厚顔ぶりには呆れるしかない。
当の秘書が「週刊現代」に書面で接点を認める回答をしていたのに、高市首相はなんと…
しかし、さすがにこんな子供騙しは通用しなかった。長妻議員が「文春」に音声を高市首相に提供していいという確認を取っていることを説明し、声が秘書かどうか確認し、翌5日の参議院での質疑で答えるよう求めて、4日の追及は終わった。
有料会員になることなく、「文春」の提供により規約に抵触することもなく、音声を確認できることとなった高市首相。いったい5日はどう答えるのかと思っていたら、この日もひどかった。
5日の参院予算員会で、まず立憲民主党の岸真紀子参院議員が「音声を確認したか?」と問うたのに対し、「きのう夜遅く確認した」とまた寝てないアピールを入れた上で、ようやく音声を確認したかと思ったら、また論点ずらしを始める。
「文字起こしと同じだった」「動画作成に関するものではない」「12月のもので、総裁選とは関係ない」と、音声でなく内容の話をして論点をずらし、あたかも疑惑がないかのような印象操作をする。
岸議員が「内容ではなくて、秘書の声かどうかということをお聴きしている。本人にも確認したのか」と改めて問うと、「まず、秘書本人(の声)かどうか、あのような音声をもとに判断することは難しい」「私と会話をしているときより、かなり高い声でハキハキとしゃべっていたので、違和感があった」と、肝心の音声についてはごまかした。
さらに5日午後の質疑で共産党の山添拓参院議員が「音声が公設秘書のものかどうか本人に確認したのか?」と問うと、「私が確認しました」とずらした回答をし、山添議員が再度「秘書の方に確認したのか」と食い下がると、こう逆ギレしてみせた。
「昨日、夜中から何度か電話をした。今朝方、ようやくつかまり、本人に話をした」
「オンラインに出てるやつを聞いてみてくれと言ったら、『なんで私が有料会員にならなきゃいけないんですか。一方的にかき立てるストーリーを作ってる、そんなところに対して、なんで私がお金払わなきゃいけないんですか』とキレられましたよ」
「キレられましたよ。でも、私は、音声を確認しました」
秘書からキレられたって……。総理大臣が夜中に何度も電話しないと公設秘書がつかまらなくて、秘書自身が関与する重大な疑惑について逆ギレして確認作業を放棄。しかも、税金から給与の払われている公設第一秘書が。日本の行政のトップの事務所が、そんなガバナンスで通用するはずないだろう。
共同通信報道でも…「威勢のいい嘘」で乗り切る高市首相のやり口は今回、通用するのか
しかも、この日の質疑では、動画作成者と秘書との関係をめぐり、新たな事実が追及された。実は「週刊現代」の取材に対して、当の木下剛史秘書が動画作成者である松井健氏との関係を認めていたことがわかったのだ。
「現代ビジネス」の記事および、取材したジャーナリストの河野嘉誠氏のXによると、“松井氏が高市陣営のSNS対策を担当していた”という情報を入手した河野氏が高市事務所に質問したところ、高市事務所所長である木下秘書が、書面で接点を認める回答をしていたというのである。
この「週刊現代」への回答について、立憲民主党の岸議員、共産党の山添議員が質問。当の秘書が書面で接点を認める回答をしていたのだから、さすがの高市首相も逃げきれないだろうと思いきや、その答えは信じがたいものだった。
立憲の岸議員が、松井氏とのオンライン会議を行なっていたことを認める回答をしていたという事実を突きつけると、高市首相は「週刊誌にうちから回答したということであれば回答したのかと思います」「内容が事実と違うと今朝聞きました」と言い出したのである。
自分の事務所が週刊誌に対して正式に回答した内容が「事実と違う」とは、なかなかお目にかかったことのない弁明だ。接点がないとしてきたこれまでの答弁との矛盾を追及されても、「異なっていない」と反論。「面識がない」と言ってきたとして、面識について「普通、ちゃんと相手とお会いして名前や所属が確認できること」などとまた誤魔化す。「面識がない」と強弁していた際、“オンラインだから会ったうちに入らない”とご飯論法でも繰り出すんじゃないかと、指摘されていたが、本当に言いだすとは……。
さらに共産党の山添議員が「現代ビジネス」に松井氏との接点を認める回答をしていることを指摘し、「秘書と松井氏との接点があることはお認めなんですね?」と確認すると、「認めていません」と半ば逆ギレしながら語気を強めて答えた。
なんと高市首相は事務所が書面で正式回答したものを、「回答は事実でない」「認めていません」と言い張ったのだ。
5日の参院予算委員会ではさらにもう一つ気になる答弁があった。自民党の生稲晃子参院議員が、がん患者の治療と仕事の両立への支援について質問をした際、高市首相は唐突にこんなことを言い出したのだ。
「私どもの事務所にも、すい臓がんのステージ4を告知されたのが去年でしたが、今も元気に働いている木下という秘書がおります」
すい臓がんを告知されたという木下秘書が、問題の木下剛志秘書なのか、同姓の秘書がもう1人いるのかわからないが、そもそも本人ではない使用者が被使用者の病歴を公開するのは個人情報保護法違反の可能性もある。それをわざわざ実名を出して言及したのはなぜなのか。
ネットでは、木下秘書の参考人招致を拒否するための伏線ではないかという疑念の声が広がっているが、この不自然さはそう疑われても仕方がないだろう。
本サイトで何度も指摘したように、高市首相のインチキは今回に始まったことではない。
経歴詐称疑惑に始まり、政治資金問題、領収証偽造、統一協会問題まで。いくら証拠をつきつけられても、高市首相は誰が聞いても嘘だとわかるような言い訳を強弁し、あたかも被害者であるかのようにふるまう。追い詰められれば追い詰められるほど、さらに威勢よく嘘をつき、疑惑を頭から否定し、取り合おうとしない。
それを延々と続けることで、世論が飽きるのを待ち、いつの間にか事実をなかったことにしてしまう。それが高市首相の典型的な手口だった。
おそらく高市首相は今回もそれで乗り切れると思っているのだろう。
実際、8日の囲み取材では、冒頭で紹介した共同通信の“動画作成者・松井氏の顔出し証言”について聞かれたが、高市首相はなんと「答弁は揺るがない」として、こう強弁した。
「共同通信の報道でということではわからないですが、私がこれまで答弁してきました、それは揺るぎません。ひとつは私自身も、私の事務所も、そして国会議員で去年の総裁選挙を応援してくださった議員の皆様も含めてでございますけれども、他の候補者を誹謗したり中傷したりというようなことは私の流儀でもありませんし、決してそれはやっておりません。それから衆議院選挙につきましても、過去30年以上衆議院議員をやっておりますけれども、これまでの選挙で対立候補の批判をしたり中傷したりということを私は一切やっておりません。私の事務所もそういう事をすることはございませんし、そしてましてやそれを第三者に依頼をするということは決してございません」
さらに、共同通信がメッセージ記録の携帯電話番号が木下秘書のものと確認したという点についても、高市首相は論点をずらしたうえ、例のご飯論法でのごまかしをくり返した。
「ちょっと携帯番号を、うちの秘書の携帯番号を共同通信が確認したという、ちょっとその経緯がわからないのですが、おっしゃってるのは面識があるかないかという話でしょうか。そういうことでしたら面識はないです。実際にお会いして名刺交換をして相手の所属や氏名をちゃんと承知してるってことはないということでございます」と答えた。
この嘘つき総理を、今回もこのまま逃げ切らせてしまうのか。それとも、疑惑を認めさせ、嘘と民主主義破壊の責任をとらせるのか。その行方は、メディアと国民の声にかかっている。
(編集部)
最終更新:2026.06.09 10:11
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