「密室談合」による菅官房長官の次期総理就任を許していいのか! GoTo、沖縄いじめ、公文書改ざん、メディア圧力の最大の戦犯

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首相官邸HPより


 やっぱり菅義偉官房長官が表に出てきた。細田派・麻生派の支持を取り付けた菅官房長官は明日会見を開いて総裁選出馬を発表すると見られているが、もちろんこれらはすべて「密談」で決定済みの茶番劇だ。

 本サイトでは、菅官房長官が安倍首相の最大の後見人である“極右の女神”櫻井よしこのネット放送『言論テレビ』に出演したときから、“とにかく石破だけは避けたい”安倍首相が菅官房長官を選んだ結果、と分析していたが、そのとおりだったということだろう。

 しかも、安倍首相が菅押しの二階俊博幹事長に「総裁選は一任する」と明言したときから、石破茂氏をつぶすため党員・党友による投票が省略されることも既定路線。党員・党友投票見送り方針には地方組織や若手議員から反対の声があがっていたが、二階幹事長は「両院議員総会」案を主張し、自民党総務会もこれを決定。菅官房長官が次期総裁・首相となることは確実だ。

 そして、こうした動きと合わせてすでにワイドショーも「次期総理最有力」として菅官房長官の特集を組み、昨日放送の『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』(CBCテレビ)では「集団就職で秋田から上京してきた苦労人」「段ボール工場で住み込みしていた苦学生」「叩き上げ」「甘いもの好き」「人情家」「意外とお茶目」などと喧伝。コメンテーターが「好きになりそう」などと無邪気なコメントを繰り広げていた。

 菅官房長官は新型コロナの感染拡大の局面で「GoToトラベル」を前倒しして決行させた張本人であるというのに、そうした検証もすっ飛ばして“ポスト安倍”として露骨なヨイショ報道をする……。だが、言うまでもなく、菅官房長官は「令和おじさん」「パンケーキおじさん」などで片付けられるようなものではない。その正体は安倍首相とまったく同じだ。

 そもそも、菅官房長官といえば「安倍政権のゲッベルス」として安倍首相の強権的な政治運営を支え、質問に答えない「スガ話法」で記者会見をズタズタにしただけではなく、加計学園問題では「総理のご意向」文書を「怪文書」呼ばわりしたり、前川喜平・元文科事務次官のことを「前川氏は当初は責任者として自ら辞める意向をまったく示さず、地位にレンメン(編集部注・おそらく「恋々」の間違い)としがみついていた」などと虚偽の情報で人格攻撃を展開。さらに、東京新聞の望月衣塑子記者の質問に対しては「あなたに答える必要はありません」「ここは質問に答える場所ではない」などと官房長官としてあるまじき暴言を放ってきた。

 しかも、忘れてはならないことは、菅官房長官は安倍政権下で噴出したあらゆる疑惑の“当事者”でもある、ということだ。

森友公文書改ざんは菅官房長官が司令塔、近畿財務局職員・赤木俊夫さんを追い込んだ

 その最たる例が、森友公文書改ざん問題だろう。というのも公文書改ざんは、安倍首相の指示を受けた菅官房長官が、佐川宣寿・理財局長(当時)らに命じてはじまった可能性が高いからだ。

 公文書改ざんは2017年2月17日の「私や妻が関係していたということになれば、私は間違いなく総理大臣も国会議員も辞める」という安倍首相の国会答弁がすべてのはじまりだったが、安倍首相は「総理を辞める」宣言のあと、菅官房長官に「私の家内の名前も出ましたから、しっかりと徹底的に調べるように」と指示を出していたことを国会でも認めている。

 実際、菅官房長官はこれを受けて、同月22日に財務省の佐川理財局長と中村稔・総務課長、太田充・大臣官房総括審議官(いずれも当時)を呼び出している。ここで佐川氏は、昭恵夫人付職員だった谷査恵子氏が森友学園の小学校に賃料引き下げの優遇措置を適用できないかなどと財務省に照会していたことを報告。そして、この面談から4日後の26日から改ざん作業ははじまり、財務省の指示により真っ先に昭恵夫人や安倍首相の名前が入った箇所がことごとく削除されていく。その作業を強要されたのが、自殺した近畿財務局職員・赤木俊夫さんだったのである。

 赤木さんの妻・雅子さんは、安倍首相が辞任の意向を固めた際、「次に総理大臣になる方は、夫がなぜ自死に追い込まれたのかについて、有識者によって構成される第三者委員会を立ち上げ、公正中立な調査を実施していただきたいと思います」とコメントを公表したが、“改ざんの当事者”である疑いが濃厚な菅官房長官が総理大臣となれば、この訴えが聞き入れられることはないだろう。

 さらに、菅官房長官の強権性を物語るのが、沖縄の辺野古新基地建設問題だ。

 安倍政権は辺野古新基地建設に反対する民意を無視し、基地反対運動に参加する市民たちを暴力で排除したり、繰り返される在沖米軍による事故や事件にも政府として何ひとつ向き合わず沖縄をいじめ抜いてきたが、その先頭に立ってきたのが沖縄担当大臣でもある菅官房長官。しかも、そのやり方は陰湿そのもので、沖縄県知事選では潤沢な選挙資金と組織力にものを言わせたすさまじい物量作戦を展開しただけでなく、街頭演説で「携帯電話料金の4割削減」などというデタラメな公約を打ち出した上、玉城デニー氏を誹謗中傷する大量のデマ喧伝にも間接的にかかわっていたという疑惑もある(詳しくは既報参照→https://lite-ra.com/2018/09/post-4241.html)。

 2018年に亡くなった翁長雄志・前沖縄県知事と菅官房長官は法政大学の同窓でもあるのだが、翁長氏が講演で明かしたところによると、2015年9月に沖縄県と政府の集中協議が決裂した際、翁長氏が「私の話は通じませんか」と問いかけると、菅官房長官はこう語ったのだという。

「私は戦後生まれなので沖縄の歴史はなかなか分からないが、19年前の日米合同会議の辺野古が唯一というのが私の全てです」

『クローズアップ現代』『報道ステーション』に圧力、キャスター、コメンテーターの降板に追い込んだ

 また、この集中審議後の会見で菅官房長官は、翁長氏の「戦後の強制接収が普天間問題の原点」という主張に対し、こんなことを言い放っている。

「賛同できない。戦後は日本全国、悲惨ななかでみなさんが大変ご苦労されて今日の豊かで平和で自由な国を築き上げてきた」

 みんな苦労したのだから、沖縄だけ文句を言うな──。少しでも沖縄の歴史を知っていれば、とてもじゃないが口にできるはずがない言葉だ。しかし、菅官房長官は「戦後生まれだから」という理由で沖縄を知ろうともしなかったくせに、翁長知事の訃報に際しては「2人になると沖縄の発展について話し合いをよくした」などと発言したのである。

 これでよく「人情家」などという評価が出てくるのか、さっぱり意味がわからないが、しかし菅官房長官を語る上でもっとも重要なのは、安倍政権によるメディア圧力を担ってきた、という点だ。

 というのも、菅官房長官はニュース番組やワイドショーなどの放送をいちいちチェックしており、気にくわない報道やコメントがあれば、すぐさま上層部にクレームを入れることで圧力を高めてきた張本人だからだ。

 たとえば、2014年7月にNHKの『クローズアップ現代』に出演した際には、閣議決定されたばかりだった集団的自衛権の行使容認についてキャスターの国谷裕子氏が厳しい質問を繰り出し、菅官房長官は激怒。その後、政権側は『クロ現』のやらせ問題を隠れ蓑にして圧力を強め、最終的に国谷氏のキャスター降板まで追い詰めた。

 さらに有名なのが、『報道ステーション』(テレビ朝日)で古賀茂明氏が「I am not ABE」と発言し、レギュラーコメンテーターを降板させられた事件だろう。このとき官邸は古賀発言に大激怒し、本サイトでも当時伝えたように「菅官房長官の秘書官」が放送中から番組編集長に電話をかけまくり、出なかったため、今度はショートメールで猛抗議。その内容は「古賀は万死に値する」というようなもので、恫喝以外の何物でもなかった。

 のちに古賀氏は著書『日本中枢の狂謀』(講談社)で、恫喝した菅官房長官の秘書官が警察官僚の中村格氏であったことを明かしている。中村氏といえば、官邸に近いジャーナリスト・山口敬之氏による伊藤詩織さんへの性暴力疑惑をめぐって、直前で山口氏の逮捕取りやめを指示した人物として知られるが、このようにして菅官房長官はマスコミをコントロールしてきたのだ。

会食でメディア関係者、ジャーナリストを手なづけ、懐柔する作戦も

 しかも、菅官房長官は恫喝するだけではなく、マスコミ関係者と会食をしては手懐けるという安倍首相と同じ手法もとっている。そして、その会食相手には、菅官房長官へのヨイショ発言も目立つ『ひるおび!』(TBS)司会の恵俊彰の名が取り沙汰されたこともある。

 菅官房長官のこうした懐柔工作は、政権に批判的なキャスターにも向けられている。毎日新聞の主筆や『NEWS23』(TBS)アンカーなどを務めた故・岸井成格氏は、佐高信氏との対談本『偽りの保守・安倍晋三の正体』(講談社)で菅官房長官の手口を証言している。これによれば、岸井氏は企業の幹部に話をするという勉強会を長くつづけていたのだが、その場に菅官房長官が突然、やってきたというのだ。

「(菅官房長官は)黙って来た。誰かから聞いて知ったんだろう。最初から最後までいたよ。終わると『今日はいい話を聞かせていただいて、ありがとうございました』と言って帰っていった。怖いよな」
「『どこで何を話しているか、全部知っていますよ』ということを見せているわけだ。『人脈も把握しています。岸井さんが動いているところにはいつでも入っていけますよ』というメッセージかもしれない」(『偽りの保守・安倍晋三の正体』より)

 まさに、菅官房長官が陰に陽に繰り広げてきたメディア工作により忖度が広がり、スキャンダルや疑惑が持ち上がっても批判的な報道が徹底してなされず、安倍政権は約8年もの長期政権となったわけだが、当然、菅官房長官が次期総理となれば、メディア圧力はさらに激しさを増し、安倍政権以上に批判が封じ込められることは必至だ。

 現に、菅官房長官は“ポスト安倍”を睨んで、安倍首相が辞意表明をおこなう前から積極的なメディア露出を展開。8月だけでも、1日『ウェークアップ!ぷらす』(読売テレビ)、2日『日曜討論』(NHK)、7日『櫻LIVE 君の一歩が朝を変える!』(言論テレビ)、18日『深層NEWS』(BS日テレ)、21日『報道ステーション』(テレビ朝日)と、テレビやネットの番組に次々と出演したが、どの番組も菅官房長官の言い分を言わせっぱなしで、たとえば『報ステ』では一応「GoToキャンペーン」や国会を開かない問題を質問したものの、菅話法で返されるとほとんど反論できず、そのインチキな主張を垂れ流した。前述したように『報ステ』はかつて菅官房長官から露骨に圧力をかけられたことがあるが、メディアへの圧力問題にはふれることすらできなかった。

 圧力をかけられることを恐れ、総裁・総理になる前から及び腰となり、「安倍政権のゲッベルス」と呼ぶべき人物を「パンケーキおじさん」と実態を覆うための糖衣でくるんでヨイショ報道に終始する──。ようするに、菅総理が誕生するということは、安倍政権の悪夢がこれからもつづいてゆくということにすぎないのである。

最終更新:2020.09.01 01:34

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