安倍御用記者・山口敬之のレイプ被害女性が会見で語った捜査への圧力とマスコミ批判!「この国の言論の自由とはなんでしょうか」

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司法記者クラブで会見にのぞんだ詩織さん(左から2番目)


「この2年間、なぜ生かされているのか疑問に思うこともありました。レイプという行為は私を内側から殺しました」
「レイプがどれだけ恐ろしくその後の人生に大きな影響を与えるか、伝えなければならないと思いました」

 本サイトでもお伝えしてきた、“安倍官邸御用達”ジャーナリスト・山口敬之氏の「準強姦疑惑」。本日夕方、そのレイプ被害を「週刊新潮」(新潮社)で告発した女性が、霞が関の司法記者クラブで会見を行なった。

 女性の名前は詩織さん(苗字はご家族の意向で非公開)。彼女は主に海外でジャーナリズム活動を行なっている28歳だ。「『被害女性』と言われるのが嫌だった」という詩織さんは、本名と顔を公表して会見にのぞんだ。本日午後には「捜査で不審に思う点もあった」として、検察審査会に不服申し立ても行なっている。

 詩織さんは、性犯罪の被害者にとって非常に不利に働いている法的・社会的状況を少しでも変えたいとの思いから記者会見を決意したとしたうえで、このように語った。

「警察は当初、被害届を受け取ることすら拒んでいました。理由は、いまの法律では性犯罪を捜査するのは難しいから。また、相手方の山口敬之氏が当時TBSのワシントン支局長で、著名人だからでした」

 事件があったのは2015年4月。もともとアメリカでジャーナリズムを学んでいた詩織さんは、山口氏と2度、簡単な面識があったが、それまで2人きりで会ったことはなかったという。詩織さんが日本へ帰国すると、山口氏もこの時期に一時帰国し、そのとき、仕事のためのビザについて話をしようと誘われて、食事に行った。

 ところが、アルコールに強いはずの彼女が、2軒目の寿司屋で突然目眩を起こし、記憶が途絶えてしまう。そして明け方、身体に痛みを感じて目がさめると、ホテルの一室で裸にされた仰向けの自分の体のうえに山口氏がまたがっていた。彼女は、自分の意思とは無関係にレイプされていたのだ。しかも山口氏は避妊具すらつけていなかった。

 被害を警察に訴えた詩織さんだが、警察は当初、「この先この業界で働けなくなる」などと言って、被害届を出すことを考え直すよう繰り返し説得してきたという。しかしその後、ホテルの防犯カメラに山口氏が詩織さんを抱えて引きずる模様が収められていたこともあり、本格的に事件として捜査が始まる。

 逮捕状も発布された。2015年6月8日、複数の捜査員が、アメリカから成田空港に帰国する山口氏を準強姦罪容疑で逮捕するため、空港で待ち構えていた。ところが、不可解にも山口氏は逮捕を免れた。詩織さんは会見でこう語っている。

「そのとき、私は仕事でドイツにいました。直前に捜査員の方から(山口氏を)『逮捕します。すぐ帰国してください』と言われ、日本へ帰る準備をしていました。いまでも、捜査員の方が私に電話をくださったときのことを鮮明に憶えています。『いま、目の前を通過していきましたが、上からの指示があり、逮捕をすることはできませんでした』『私も捜査を離れます』という内容のものでした」

 逮捕状まで持って捜査員が空港で待機していたにもかかわらず、直前で、上から「逮捕取りやめ」の号令がかかった。当時の捜査員が、詩織さんにそう告げたというのだ。会見の質疑応答で詩織さんはこう語っている。

「『警察のトップの方からストップがかかった』という話が当時の捜査員の方からありました。『これは異例なことだ』と。当時の捜査員の方ですら、何が起こっているのかわからない、と」

 その後、山口氏は準強姦罪で書類送検こそされたものの、16年7月に不起訴処分にされた。検察側はただ「嫌疑不十分」と言うだけで、詩織さん側に詳しい説明はまったくなかったという。また「準強姦罪では第三者の目撃やビデオなど直接的証拠がないと起訴は難しい」と言われたというが、詩織さんの代理人弁護士は「ありえない。否認事件でも起訴されて有罪になったケースはたくさんある」と、明らかに捜査が不適切であると指摘している。

 このあまりに不自然な捜査当局の動きのなかで、疑われているのが安倍官邸による介入だ。

「週刊新潮」の直撃取材で、このとき山口氏の逮捕取りやめを指示したのは、当時の警視庁刑事部長の中村格氏であることがわかっている。中村氏は現在、警察庁の組織犯罪対策部長の職にあるが、第二次安倍政権発足時に菅義偉官房長官の秘書官をつとめて絶大な信頼を得ており、いまも「菅官房長官の片腕」として有名な警察官僚だ。

 さらに「週刊新潮」の第二弾記事では、山口氏が首相官邸、内閣情報調査室幹部に事後対応について直接相談までしていた可能性が浮上。山口氏が「新潮」からの取材メールに対して誤送信したメールには、〈北村さま、週刊新潮より質問状が来ました。〇〇の件です。取り急ぎ転送します。〉(〇〇は詩織さんの苗字)と記載されていたのだ。「週刊新潮」はこの「北村さま」が、“官邸のアイヒマン”の異名をもつ安倍首相の片腕、北村滋内閣情報官のことだと指摘している(山口氏は否定)。会見のなかで、詩織さんは質問に対してこう話していた。

「私の知りえない何か上のパワーがあったと思っています」
「やはり、捜査にあたるべき警察が『起訴できないので示談をしたほうがいい』と話をもちかけて、彼らの紹介する(現在の代理人とは別の)弁護士の先生に連れて行かれたというのは、何かしらの意図があったのではと思います」

 明らかに不自然にもみ消された山口氏のレイプ事件。今後も、官邸の息のかかった捜査介入疑惑を徹底追及していかねばならないのは言うまでもないが、もうひとつ強調しておきたいのはマスメディアの態度だ。いくつかのマスコミは、詩織さんの実名・顔出し会見を受けてこの事実をようやく報じ始めたが、この間、「週刊新潮」の報道に対して、山口氏を盛んに起用してきたテレビ局は完全に無視を決め込んでいた。

「今回、この件について取り上げてくださったメディアはどのくらいありましたでしょうか? 山口氏が権力者側で大きな声を発信し続けている姿を見たときは、胸を締め付けられました。この国の言論の自由とはなんでしょうか? 法律やメディアは何から何を守ろうとしているのか、と私は問いたいです」(詩織さん)

 山口氏は「新潮」の報道後、マスコミから姿を消し、会見を開くこともなければ、ちゃんと世間に説明することも放棄している。テレビ局は山口氏の責任を問うこともなく、「新潮」が報じた官邸と事件の“接点”についても見て見ぬ振りをした。詩織さんの言うように、この国のメディアはいったい、誰を守ろうとしているのか。いま、その真価が問われている。

最終更新:2017.12.04 03:33

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