山東昭子だけじゃない、ゼレンスキー大統領の演説を「国民の戦争動員」に利用する自民と維新の極右議員たち

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

杉田水脈より酷い、維新の衆院議員が「有事に国を護る気がないなら平時に国から恩恵を受けるな」

 だが、「反戦の連帯」を求めたゼレンスキー大統領の演説をゆがめ、自身の欲望のために利用している国会議員は、山東氏だけではない。

 たとえば、自民党の杉田水脈・衆院議員は自身のブログで、〈「日本はアジアで初めて平和を取り戻すためロシアに圧力をかけてくれた」と述べられたことに一番強い印象を持ちました〉と綴った上で、こう記している。

〈ウクライナだけでなく多くの国々は、日本にはアジアを牽引する役割を期待しています。正にそれが日本の使命だと感じ、それに相応しい国力を保っていかなければならないと改めて強く意識することができました。〉

 言っておくが、ゼレンスキー大統領が日本に感謝し、求めたのは、ロシアに対するさらなる制裁強化やウクライナ復興への支援、そして「アジアのほかの国々とともに力を合わせ、状況の安定化に取り組んでほしい」ということだった。かたや、杉田議員はこれまでさんざん歴史修正発言を振りまき、アジアの国々との関係強化どころか関係悪化に加担してきた人物だ。にもかかわらず、「アジアを牽引する役割を担うことが日本の使命」などと言い、挙げ句、「相応しい国力」などと優位性の誇示しか頭にないことを露呈させたのだ。

 だが、杉田議員よりももっとひどかったのが、日本維新の会の青柳仁士・衆院議員だ。青柳議員はゼレンスキー大統領の国会演説後、自身のTwitterにこう投稿した。
 
〈「国を護りたい」との想いが痛切に伝わってくる演説でした。振り返れば、私たちの平和で豊かな暮らしも、日本という国をつくり、命をかけて護り続けたご先祖のお陰です。有事に国を護る気持ちがないなら、平時にも国から恩恵を受けるべきではありません。国会議員は尚更です。〉

 山東議員の「命をも顧みず祖国のために戦っている姿に感動」も相当ひどい発言だが、なんと青柳議員はそのさらに上をゆき、「国のために命をかける気もない奴は平時から国の恩恵を受けるな」と言い出したのだ。ようするに、「非国民に社会保障を受ける権利なし」というわけだ。

 いかにもネトウヨ脳と新自由主義が魔合体した維新の議員らしい主張だが、言わずもがな維新は、コロナ失策でいまなお大阪で多数の死亡者を出すという「有事」を引き起こしている当事者だ(ちなみに青柳議員は大阪14区の選出)。そんな府民の命を守ることができない維新の議員が、「命をかけて国を守る気持ちがないなら平時から国を頼るな」などと偉そうに吠えているのである。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

山東昭子だけじゃない、ゼレンスキー大統領の演説を「国民の戦争動員」に利用する自民と維新の極右議員たちのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。ウクライナゼレンスキー大統領安倍晋三山東昭子杉田水脈編集部の記事ならリテラへ。

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄