のんが水木しげるの反戦漫画に寄稿した解説文が素晴らしい! 「戦争って怖いではなく、戦争は本当にダメだ」

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「玉砕」に衝撃を受けたのん「初めて戦争ってとんでもないと心の底から思った」

 しかし兵士たちの淡々とした日常に共感する一方、のんが〈どうしてもわからなかった〉と告白するのが、「玉砕」という言葉だ。作品を最後まで読んだ彼女は「玉砕」にショックを受ける。

 のんはそれまで、戦争とはいっても〈いざとなったら持ち場から逃げ出すことができるんだろうな〉と思っていたのだという。しかし『総員玉砕せよ!!』の後半部で描かれるのは、「逃げたら殺す」と脅迫され、そして、逃げたら、本当に殺される世界だ。

 そんな場面を目の当たりにしたのんは、解説文のタイトルになっている「戦争は、本当にダメだ」との思いを強く抱いた。その衝撃をこう綴っている。

〈『総員玉砕せよ!!』を読んで、当時の兵隊さんが「生き残ったら恥だ」「犬死にしないように、突撃して早く玉砕しなければ」と思っていたことがわかりました。この事実を知った時、「戦争って怖いな」ではなくて、初めて「戦争は、本当にダメだ」「戦争って、とんでもないことなんだ」と心の底から思いました〉

『総員玉砕せよ!! 〜聖ジョージ岬・哀歌〜』は、1973年に講談社より出版された作品。舞台は、1945年のニューブリテン島。水木が実際に所属していた臨時歩兵隊第二二九大隊(ズンゲン支隊)がモデルとなっている。

 先に述べた通り、物語の序盤は、兵隊生活の理不尽な体罰や、死と隣り合わせの恐怖が、時にユーモアも交えながら描かれる。しかし、ストーリーの中盤以降、ラバウルにいる10万人の将校たちのためにバイエン支隊の兵隊500人が捨て石となって玉砕するよう命令がくだってからはトーンが一変。兵隊たちが無慈悲に殺されていく姿が凄惨に描かれる。

 だが、兵隊たちにとって、この玉砕命令は悲劇の始まりに過ぎなかった。バイエン支隊の玉砕は大本営にも伝えられ、戦意高揚のための美談として喧伝されたのだが、実は多数の生き残りがいることが発覚。これが大問題となる。

 生き残りの兵隊たちは命からがら聖ジョージ岬へ逃げ帰るが、そこで待っていたのは、「敵前逃亡」の罪であり、「卑怯者」の汚名であった。せっかく生き残ったのにも関わらず、責任をとるため、部隊を率いた隊長たちはその場で自決を強制される。そして、その下についていた兵隊たちは、聖ジョージ岬に上陸する米軍に対して玉砕攻撃を仕掛けるよう命じられた。今度は逃げることのないように監視役までついており、その監視役には逃げる兵士を射殺しても構わないという権限が与えられていた。そして、物語は兵士たちが無惨に討ち死にし、誰にも顧みられることなく白骨化していくさまを生々しく描いて終わっていく。

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