厚切りジェイソンが“日本スゴい番組”の愛国ポルノを批判し炎上! でも「四季があるのは日本だけじゃない」は正論だ

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 少し前まではこんな状況ではなかった。1998年から2002年にかけてTBSで放送されていた『ここがヘンだよ日本人』をはじめ(この番組はこの番組で多数問題はあったが)、出演した外国人タレントが日本社会のネガティブな側面を指摘することは普通に行われていた。

 今回の『ボクらの時代』では、3人の娘をもつ厚切りジェイソンが、日本はいまだに女性が働きづらい国であることを指摘し、子育てについてこのように語るくだりがあった。

「アメリカの方がいいかなと思うときもありますし。特に、女性ですから。女性は、日本はまだちょっと遅れてるかなという感じもありますけどね。キャリアをもちたければアメリカの方がいいと思います。そうすると、アメリカで成功するには、アメリカで教育を受けた方がいい。すると、早くアメリカに帰った方がいいかもしれないと思うときもある」

 こういった指摘は、当然常々なされるべきことだろうが、バラエティ番組、それこそ「日本スゴい」系のバラエティ番組のなかで語られれば、厚切りジェイソンが言うように、確実に「全面カット」になるだろう。また、もしも、そのままそのコメントが使われれば、放送直後からSNSは火だるまになること必至だ。

 もちろん自国のいいところをことさらアピールしたり、自国がいちばん好きと思ってしまう愛国的なメンタリティ自体は、日本に限ったことではなくどこの国にもあるものだ。しかし、この批判や異論を受け付けない姿勢は非常に危険だ。

 先日本サイトでも報じたが、アパグループの元谷外志雄代表によるユダヤ差別発言について、ジャパン・タイムズの取材に応じたユダヤ系団体の関係者のひとりは元谷氏とアパグループの思想を「元谷氏は日本の擁護者で、日本や日本人が他の世界の国々やその人々よりもすぐれていると考えているように思えます」(「The Jewish Federation of Edmonton」のCEO)と分析していた。

 自国に対する“無批判な”礼賛は、他民族や他文化を見下したり排除することや、蔑視や差別とも、根っこのところでつながっている。いまの日本の愛国ポルノブームも、右傾化・排外主義傾向と決して無関係ではない。

 内向きになっているからこそ、厚切りジェイソンのこのような批判にこそ価値があると思うのだが……。
(編集部)

最終更新:2017.11.20 04:08

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