「パナマ文書に電通」は風評被害じゃない! タックスヘイブンに電通系ファンドと北京電通幹部の別会社が

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 本サイトは早速、電通にこの疑惑をぶつけてみた。すると、電話取材に応じた広報担当者は「パナマ文書」に出てくる「DENTSU SECURITIES INC」との関係については完全に否定したが、「オフショアリークス」にあったタックスヘイブンの会社「SUHOM MOBILE」への投資についてはこう認めたのだ。

「10年ほど前に、ケイマン(諸島)に本社を置く企業へ、私どもがベンチャーファンドのようなもので事業投資をしたことがあります」

 しかし、一方で、広報担当者は租税回避行為については、こう否定した。

「これは純粋に事業としての投資であり、しかもマイナー投資です。すでにこの企業への投資は数年前に引き上げていますし、租税回避を目的としたものではまったくありません。何か問題になるようなものだとは思っておりません」

 だが、本サイトがその「マイナー投資」がどれほどの規模なのか、を訊いたところ、はっきりとした回答はえられなかった。また、純粋な投資なら、なぜわざわざタックスヘイブンであるケイマン諸島にファンドを設立したのか、など、不可解な点も多い。

 この問題については、まだまだ検証する必要があると思われるが、今後、マスコミがこれを大々的に取り上げる見込みは薄いだろう。実際、「オフショアリークス」が公開されたときも、そのなかに電通の名前があったことを大マスコミは一切報道していない。

 以前、本サイトでもお伝えした通り、日本の大企業のかなりの部分は、タックスヘイブンを巧妙に利用し「租税回避行為」を行っているという現実がある。「パナマ文書」の公開によって、国内企業の闇がどれだけ明らかになるのかは現時点では未知数だが、抜け穴がある限り、税の不平等性は加速する一方だ。マスコミがスポンサータブーなどを打ち破ってタックスヘイブンの問題を深く追及していくのか、本サイトはこれからもチェックしていくつもりだ。
(田部祥太)

最終更新:2016.04.29 07:16

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

「パナマ文書に電通」は風評被害じゃない! タックスヘイブンに電通系ファンドと北京電通幹部の別会社がのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。田部祥太の記事ならリテラへ。

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄