春香クリスティーンが「炎上」して考えたこととは…タコツボ化する「右」と「左」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 つまる所、彼女がもっとも危惧しているのは、自分を「右」とも「左」とも考えていない若者や、一般市民が、政治について語るのを恐れてしまうことだ。特定秘密保護法にしろ、原発再稼働にしろ明確な意見を持てるのは一握り。結局のところ「ふつうの人たちは、自分を『右』か『左』のどちらかにカテゴライズすることなどできない」という。どちらかを表明するだけで「叩かれる」状況では、「どっちつかず」層の沈黙は加速するだけだろう。

 こうした状況は、左右含めた「政治に関心がある人たち」と「どっちつかず」層との間にも分断線を引いてしまう。彼女自身、政治への関心を示すだけで周囲に敬遠される経験を重ねてきた。本来政治とは日々の生活に直結する「こっちの世界」の話であるにもかかわらず「それについて真面目に語り合うことが『面倒だ』『鬱陶しい』と思われてしまうのは、どのように考えても健全ではない」と危機感を訴える。

「このまま政治論議がネット上だけで進み、日常的な議論がなされないままでは『極端な人たち』の考え方だけが強い影響力をもつようになってしまいます。ほんとうの『民意』が蔑ろにされたまま、声の大きい人たちの意見だけが目立ってしまう。そうした状況はますます、若い人たちの『政治離れ』に拍車をかけるでしょう」

「右」と「左」、さらにはどちらでもない「どっちつかず」層。本書はどの立場にも肩入れしているようで、どこからも絶妙な距離感を取っている。どんな人が読んでも共感するポイントがある一方で、部分的な違和感も残るだろう。しかし、それは春香クリスティーン自身が「炎上『から』とことん考えてみた」結果、辿りついた境地なのだ。居丈高な「評論」ではなく、23歳の若者による「体当たり国家ルポ」として読むことをおすすめしたい。
(松岡瑛理)

最終更新:2017.12.13 09:37

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

ナショナリズムをとことん考えてみたら (PHP新書)

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

春香クリスティーンが「炎上」して考えたこととは…タコツボ化する「右」と「左」のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。原発小林よしのり春香クリスティーン松岡瑛理の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

1 共産党議員の不可解書類送検の裏に安倍の元秘書官の埼玉県警本部長就任
2 いとう、アジカン後藤の”音楽と政治”論
3 “男系男子皇位継承”は日本の伝統じゃない!旧皇室典範制定時に「男を尊び女を卑む」と
4 「国家情報局」の母体「内調」が行なってきた政治謀略総まくり!
5 葵つかさが「松潤とは終わった」と
6 山里亮太が国会前デモを捻じ曲げ解説し批判殺到
7 かこさとしが安倍を「大本営の戦後版」と痛罵
8 三笠宮家に夫妻、母娘の断絶が!
9 田崎史郎が『モーニングショー』から消えた! 原因は玉川徹?
10 自衛隊が小学生まで「自衛官勧誘」目的のパンフレット作成
11 駐豪大使が「旭日旗が見られて喜ばしい」とツイート、豪でも批判が殺到!
12 田宮二郎自殺の真相を夫人が告白!
13 市川沙耶と熱愛・野島アナに二股の過去
14 吉高由里子が元カレに言った一言
15 フジロックに政治を持ち込むなというバカ
16 枝野が怒りのフィリバスター「安倍首相はクソ」
17 「自衛隊は経済的に厳しい子が」は事実 貧困層を標的にした隊員募集
18 車庫飛ばしで公安に誤認逮捕された男性が語った取り調べの酷い中身
19 高市首相ミュージックアワード登壇に「音楽を政治利用するな」
20 アジカン後藤が本気の安倍政権批判!
マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄