「女子の貧困」最大のタブー!セックスワークと知的障害の関係

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「いわゆる手続き事の一切を極端に苦手としていた。(略)行政の手続き上で出てくる言葉の意味がそもそも分からないし、説明しても理解ができない」

 婦人保護施設の関係者によれば、「彼女たちは継続的な支援をするのが難しい対象」のようだ。困窮したりトラブルがある時だけ施設を利用し、ふといなくなってしまったりするのだという。

 最もケアすべき存在であるはずの彼女たちは「安直に福祉の対象として想像するような、『おとなしくちょんと座って救済を待っている』障害者」ではない。かなり重度の障害を持っていても、福祉から外れ、セックス産業で生計を立てている。著者は考え込む。

「知的障害の作業所で小銭を貰うのか、自分の力で稼いでおしゃれするのか? 知的障害の子だっておしゃれはしたいし遊びたい」

 貧困問題を語る時、しばしば「自己責任論」なる論理が跋扈する。だが著者は、それは「戯言」であり、「自己責任論など、絶対にさしはさむ余地はない」と言い切る。

 他にも本書では、未成年少女たちの貧困、ソフトヤンキー、セックスワーカーの間での格差など、様々な「最貧困女子」の問題が取り上げられている。しかしその中でも障害、特に知的障害とセックスワークの関係は考えさせられるものだ。

 その現実を直視することは、絶対に必要不可欠なことだ。たとえタブーであったとしても。だからといって、問題がすぐに解決なんてするわけがないし、本書もその明確な解決策を提示しているわけではない。しかし、貧困を「哀れみと上から目線」で語るよりも、よっぽどまともだ。

「『最貧困女子』を、忘れないでほしい。見捨てないでほしい。見下さないでほしい」

 著者のこの言葉こそ、問題の本質を衝いている。
(林グンマ)

最終更新:2014.10.17 12:59

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