『シン・ゴジラ』に対してなぜ園子温監督は「クズ」といったのか? 本質を隠す描写がリアルと評価される時代

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 このような作品をつくってきた園から見たら、『シン・ゴジラ』や『君の名は。』の原発や東日本大震災に対する描き方は薄っぺらで、ユルすぎるもので、我慢ならなかったのだろう。いや、それどころか、物語を盛り上げるためのネタとして震災の記憶を利用しようというその姿勢は「被災地への冒涜」というふうに映ったのかもしれない。

 実際、園だけでなく、『シン・ゴジラ』や『君の名は。』の震災や原発への描き方について批判する意見は散見される。たとえば、生物学者の福岡伸一は「週刊文春」(文藝春秋)の連載で、『君の名は。』の設定が3.11を下敷きにしていることを指摘した上で、その展開について、こんな疑問を呈している。

「ならば、なおさらタイムスリップによって過去を変え“みんな助かった”ことにすることが、3・11へのオマージュになるんだろうか?」

 まさに正論だと思うが、しかし、こうした意見はしょせん異端に過ぎない。いまの日本の社会では、何かを見せているようでいて、むしろ、本当に見なければならないものを隠している描写こそが「押し付けがましくないリアルな描写」として評価され、それに異を唱える意見はそれこそ、今回の園子温のように「イデオロギーに凝り固まったいちゃもん」「中二病の発症」として排除されてしまう。

 そういえば、園はまるでいまの状況に呻吟するようなこんなツイートもしていた。

〈評論家のための評論しやすい映画ばかり。狙ってんのかお互い癒着して。革命家も産めない肉体のない言葉、、乾いた言葉を。去年見たSEALDSの何倍も何倍も薄めた小さなセカイ系とやら。セカイ系の正体は地球上の規模じゃねえ。このセカイの小さな島国辺境の、空想されたせ・・か・・い・・やめろ。〉(原文ママ)

 薄まってるものばかりが評価されるこの世界で、園子温の言葉は果たしてどこまで届くのだろう。

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