年末特別企画 リテラの2016年振り返り

フジロック、町山智浩、水道橋博士、BABYMETAL…2016年、サブカル論争&炎上7大事件簿

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■事件その2
のん(能年玲奈)への圧力問題をめぐり町山智浩と山本一郎の両巨頭が激突もこの件は山本が完敗

 今年はSNS上でも圧倒的なフォロワーをもち、論争の話題を提供し続けている二人の論客が激突した。その二人とは、映画評論家の町山智浩とライターの山本一郎。テーマは、現在大ヒット中の『この世界の片隅に』をめぐる圧力だ。
 町山がツイッター上で、TOKYO MXの番組に主演声優である能年玲奈改め「のん」を出演させようとしたら、前の所属事務所レプロエンタテインメントからの抗議があって断念したことがあると暴露。これに対して、ライターの山本一郎が「圧力や抗議の事実はない」などとかみついた。
 本サイトも何度も指摘しているように、レプロ=バーニングからの圧力があり、民放各局がのんを出演させることができなくなっているのは常識。この時点で、メディア関係者なら誰もが?という感じだったが、からまれた当の町山は怒りが炸裂。「圧力の証拠がある」と反論し、TBSラジオでものんが出演した後に所属事務所から同様の「二度と出すな」との警告があったことまで明かした。
 山本はそれでも引き下がらず「レプロ担当者と話し合いを持ち、出演は問題が落ち着くまで見送るという結論になったと言っています」と反論したが、ネットでは「それこそ圧力だろう」と山本への批判が殺到。津田大介も町山に加勢して、山本の論理のおかしさを指摘した。
 この件に関しては、山本の完敗だが、それにしても、普段、辛辣な批評や裏話の暴露で知られる山本がなぜこんなにムキになって能年の事務所とMXをかばおうとしたのだろうか。謎である。


■事件その3
「こじらせ女子」をめぐり、雨宮まみ・能町みね子が北条かやを批判、そして雨宮は

 今年11月、『女子をこじらせて』(ポット出版)などの著者で知られるライターの雨宮まみが亡くなったが、そんな雨宮にも事件があった。きっかけは、ライターの北条かやが出版した『こじらせ女子の日常』(宝島社)という本である。
 もともとこの「こじらせ女子」という言葉をつくったのは雨宮で、女性であることに自信をもてない自分、自意識と恋愛欲求の狭間で女性であることの生きづらさと格闘する女性のことをさしていたが、北条の著書では「自分の欠点に向き合わず周りに迷惑かけてる面倒なやつ」と矮小化されていた。そのため、雨宮やライターの能町みね子がこれを批判。それに、北条が〈大人の事情なんです......〉〈私としては、こじらせ女子という言葉は使いたくありませんでした〉と返答したことで、「出版社のせいにするな」と炎上はさらに拡大した。
「こじらせ女子」という言葉の誤用が北条の責任だったかどうかはともかく、こうしたジェンダーへの向き合い方やライフスタイルを定義する言葉は、最初の意味からはかけ離れて、特定の人たちを排除する保守的な意味に誤用されていくという状況がある。深澤真紀の「草食男子」、酒井順子の「負け犬」、能町みね子と久保ミツロウの「プロ彼女」……。
 雨宮にはこれからもそういう状況に対抗して欲しかったが、今となってはそれもかなわない。残念というほかはない。

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