トランプ・安倍会談のワイドショー報道が酷い! 御用記者が会談終了直後に非公開の内容を詳述し安倍政権の願望丸出し解説

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 しかし、ひどかったのは『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)に解説者として登場した元TBS政治部記者・山口敬之だろう。山口は第一次政権時代から、安倍首相とべったりの関係で有名だった記者で、今年6月にTBSを退社し、露骨な安倍PR本『総理』(幻冬舎)を出版した典型的な“御用ジャーナリスト”だが、同番組では首を傾げたくなるのを通り越して失笑するしかないようなトンデモ解説を連発した。

 たとえばまだ会談中だった番組冒頭、今回の会談が実現した経緯について「トランプさんは30カ国くらいの首脳と電話会談して、そのうち半数以上の首脳が、私も安倍さんと同じようにニューヨークに行くので短くてもいいから会ってほしいと要請を受けたけど、安倍さん以外は全部断ってる。とくにヨーロッパの首脳はほとんどみんなそういう要請をしたのに、忙しいと言って断ってる」と、いかに安倍首相が特別待遇であるかを語る。ほとんどのヨーロッパの首脳? 先述したように、メルケル独首相やオランド仏大統領はトランプに対して警戒感を示しているし、メルケル首相にいたってはつい昨日もオバマ大統領と、トランプ次期大統領の外交政策への懸念について話し合っていたというのに……。

 しかもその理由を問われると、「トランプさんは強いリーダーが好きだと。それから、これから長く付き合う人を大事にする。ヨーロッパの首脳は政治状況が不安定になっています。安倍さんはもしかしたらもう何年かやる、かもしれない」と、明らかに自分の願望をそのまま垂れ流しただけの解説をする始末だった。

 また、会談が終了して30分くらい経ったころ、再び登場した山口は「私、現地の関係者からついさっき話を聞いたんですが」といい、このような解説をした。

「まず導入はゴルフの話だったそうです。お互いゴルフの話で盛り上がったあとは、日米同盟についてと、TPPについては、それぞれが自分のいまの考え方を述べられたと見られています、ほぼそういうことのようです」
「安倍さんが、もうひとつTPPで言ったのは、二国間協定と多国間協定の意味合いの違いについては、説明したはずです。多国間でもルールをつくっていく、これが中国に対してもいいメッセージになるんだというのが日本のこれまでの立場ですというのを伝えたはずです」

 同時刻にここまで会談の詳細を伝えたメディアはなかったが、不思議なのはこのあと、「トランプさんはどういうことを(話したか)?」と尋ねられた山口が「トランプさん側から何を言ったかは、僕にはまだ情報は入っていません」と語ったことだ。安倍首相が何を話したかは細かく伝えるのに、一方のトランプの反応は何も情報がない……。

 ところが、安全保障の話になると、また一転して、今度はなぜかかなり具体的な要求をされていると解説し始める。

「日米同盟についても話をしたんですが、これもかなり実は事前に調整したうえでやっているのでアメリカ側は、巨額の負担をしない限り撤退するというような主張はトランプさんはしていないはずです。そのかわり、アメリカ側のスタンスは、日本の自衛隊の役割を質と量二面において増やしてほしいとそういうメッセージを日本側に伝えてきてるんですね」

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