空前のパンブームの一方で「パンが危ない!」「パンは脳に悪い!」という警告書が

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『「いつものパン」があなたを殺す』(三笠書房)

 空前の“パン”ブームが到来している。高級食パン、塩パンと、ヒット商品が次々生まれ、人気のパン屋さんはどこも大行列。パンのガイドブックもさまざまな種類のもが出版され、東京・渋谷や青山のパン屋80店舗以上が集う「青山パン祭り」も大盛況だ。
 
 だが一方で、そのパンが体に悪いというという本が、じわじわと売り上げを延ばしている。『「いつものパン」があなたを殺す』(三笠書房)。元はアメリカで発売された本だが、「『ニューヨーク・タイムズ』紙、本のベストセラー第1位」で「アマゾンUSの売り上げ第1位」だったという同書の主張はじつにハッキリとしている。

 著者である神経科医のデイビッド・パールマター氏はこう言う。炭水化物は、〈脳を破壊している〉と。なかでも、パンにはその危険性をさらにアップさせる物質が含まれているのだという。

 その詳細を解説する前に、同書に掲載されている食べ物や習慣のチェック項目から、該当するものを選んでみてほしい。

・パンを食べる
・フルーツジュースを飲む、1日に1回以上フルーツを食べる
・米、もしくはパスタを食べる
・牛乳を飲む
・低脂肪の食事をしている
・ワインは飲まない
・シリアルを食べる
・高コレステロールの食品は控えている

 いかがだろうか。健康に気を遣っている人ほど、どれも「はい」と答えそうな項目ではないだろうか。
しかし実はこれ、〈満点は「はい」がまったくない場合〉で、〈「はい」と答えた質問がひとつでもあれば、「はい」がなかった場合に比べ、あなたの脳は疾患や異常になるリスクがかなり高い〉というのだ。

 特に気になるのが、いまや通説では悪とされている高コレステロールの食品を実は控えなくてもよいということだ。

 なんでも、〈コレステロールが、脳の健康と機能を維持するのにとりわけ重要な役割を果たし〉ており、〈脳疾患を患うリスクが低減し、寿命が長くなることがわかっている〉という。
 
 では一体、コレステロールは脳のどんな役に立つのだろうか。

〈コレステロールは脳の重要な栄養素であり、ニューロンが働くためには欠かせず、細胞膜の構成要素として基本的な役割を果たす〉。そして、もっとも重要なのが、〈ニューロンにとって不可欠な燃料である〉ことだという。

〈ニューロン自体は重要なコレステロールを合成できない、そのため、特定の運搬体タンパク質を介して血流に乗って運ばれてくるコレステロールに依存している。(略)この運搬体タンパク質であるLDLは「悪玉コレステロール」という不名誉な名前を与えられている(略)LDLは味方であって、敵ではない〉

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この記事に関する本・雑誌

「いつものパン」があなたを殺す: 脳を一生、老化させない食事 (単行本)

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