C.R.A.C.野間易通「ネット右翼の15年~『自由』が民主主義を壊していく」第2回

安倍首相と在特会元幹部──“ツーショット事件”は偶然ではない

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 国家公安委員長・拉致問題担当大臣の山谷えり子は「週刊文春」の取材に答えて「何ですか?ザイトクカイって」「どういう字を書くんですか?ザイトクカイって」とトボけたという。しかし山谷と増木の関係は、安倍晋三どころではない。彼女は増木が立ち上げたNPO法人「教育再生・地方議員百人と市民の会」の顧問として、松原仁や西田昌司、佐藤正久らとともに名を連ねているのだ。

 このように、安倍にしろ山谷にしろ、彼らが増木と写っている写真は、たまたまファンに声をかけられて写真撮影に応じたという性質のものとはだいぶ違う。増木が山谷に近づいたのも、安倍に近づいたのも、それなりの経緯と理由がちゃんとあるのだ。

 前回の記事で、安倍ネトウヨ内閣は単にネット右翼やレイシストに媚びたものなのではなく、彼らの思想が政権中枢に深くフィードバックした結果生まれたものだということを説明したが、こうした写真ひとつとってみても、そこに写し出されているのは保守思想と排外主義思想が長年にわたって共鳴し合い、交錯し、融合したその結果なのである。

 在特会のヘイトスピーチが大きな社会問題になるにつれ、「正論」的保守はこれを自分たちから切り離そうと必死にあがいているようにも見える。しかしながら、在特会の問題は言葉遣いの汚さや品位の問題ではないという根本的なことがわかっていないため、結局のところ同じ穴のムジナであることを露呈してしまうのだ。すでに保守全体が、レイシズムと極右排外主義に汚染されつくしているのである。

 次回はさらに歴史を遡って、この記事の冒頭で触れたネオナチ思想がどのように現在の保守政治家と交錯してきたかを見てみようと思う。
(野間易通)


■野間易通プロフィール
1966年生まれ。フリー編集者。首都圏の反原発運動を経て、2013年1月に「レイシストをしばき隊」を結成。排外デモへのカウンター行動の先陣を切る。13年9月にしばき隊を発展的に解散。新たに反レイシスト行動集団「C.R.A.C.」(Counter-Racist Action Collective)として活動を続ける。著書に『金曜官邸前抗議』『「在日特権」の虚構』(ともに河出書房新社)などがある。

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