防衛省が防衛予算増をPRさせるため「インフルエンサー100人接触計画」! ステマに乗っかる芸能人やYouTuberは一体誰だ?

2021.09.24 07:41
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防衛省HPより


 防衛省が防衛予算増のために、芸能人やYouTuberを使ったステマ計画を立てていたことが発覚し、波紋を広げている。

 発端は、9月17日、朝日新聞が「防衛省、芸能人らインフルエンサー100人に接触計画 予算増狙い」というタイトルで報じたことだった。

 記事によると、今月、防衛省内で「防衛予算の大幅な増額を実現する」ための計画文書が示されたのだが、そこには、100人の有識者やインフルエンサーをリストアップし、「省全体を挙げて」説明する方針が明記されていた。

 働きかけの対象は「国民に影響を有する防衛・安全保障が専門ではない学者、有識者、メディア関係者」。具体例として、財務相の諮問機関「財政制度等審議会」の学者や経済界幹部のほかに、テレビのニュースや情報番組に出演する有識者や芸能人、YouTuberをあげ、省内で推薦を募っているという。

 防衛予算は安倍・菅政権下で増加の一途をたどり、2021年度予算も過去最高の5兆3422億円となっている。ところが、防衛省はさらなる大幅増額、GDP1%超えを目論み、そのために、ワイドショーのコメンテーターやYouTuberらを使ってPRしようと考えているのだ。

「防衛予算GDP1%超えは防衛省の悲願。安倍政権時代は、毎年、予算が大幅増額をになって1%超えは時間の問題と言われていたが、安倍政権が終わって以降は、抑制論も出てくるなど、風向きが怪しくなってきた。そのため、島田和久事務次官が『中国の脅威を衆知して世論を味方につけろ』と号令をかけたようだ。しかも、ターゲットは、安全保障に関する知識のないワイドショーの芸能人コメンテーターやYouTuber。彼らに中国の脅威などを吹き込んで、もっと防衛費が必要といわせる作戦なんだろうね」(全国紙・防衛省担当記者)

 メディア関係者への接触、抱き込み工作は「ご説明」「レク」などといわれ、これまでもさまざまな省庁で行われていたが、ターゲットの多くは評論家やジャーナリストで、消費増税や原発再稼働など、特定の政策への批判封じ込めが目的だった。

 しかし、今回の防衛省のインフルエンサー接触計画は、省の予算増額を狙ったもの。しかも、安全保障に無知な芸能人コメンテーターやYouTuberに裏でこっそりけしかけて、税金取り分増大をPRさせるというのは、悪徳企業の「ステマ」のような露骨なやり口ではないか。

 実際、この計画については、防衛省内でも「露骨すぎる。予算を増やす必要があるなら、省自ら国民に説明し、理解を求めるべきだ」という声があがっていることを朝日が報じていたし、ネットでも批判が殺到。朝日の記事が出た直後は「芸能人らインフルエンサー100人」がトレンドワード入りしていた。

真っ先に上がったカズレーザーの名前、すでに批判の強い護衛艦「いずも」の1日艦長を

 だが、問題は防衛省がいったいどんなインフルエンサーに接触するのか、だ。

 報道の直後、最近のインフルエンサーの筆頭ともいえるひろゆきが、〈日本はタイミングをみて核武装すべき派のおいらですが、防衛省からの接触はなかったです。。。〉と売り込みか皮肉かよくわからないツイートをしていたが、実際の計画はまだ接触対象者をリストアップしている段階で、朝日が報じた文書でも具体的な名前は挙げられていない。

 しかし、防衛省が接触すれば、喜んでその防衛予算増大キャンペーンに協力しそうな芸能人、ワイドショーコメンテーターはけっこういるはずだ。

 その筆頭と目されているのが、『とくダネ!』『めざまし8』(ともにフジテレビ)でコメンテーターをつとめ、“ご意見番”扱いされるようになったお笑い芸人のカズレーザーだ。

 カズレーザーは自衛隊好きとして知られ、日本テレビの『沸騰ワード10』という番組では、自ら熱望してブルーインパルスやチヌーク、陸上自衛隊富士学校での「総合火力演習」などを体験取材。そのPRに一役買っている。

 まあ、これについては番組の企画なの、いちいち目くじらをたてるつもりはないが、問題は、「メイプル超合金」で、護衛艦「いずも」の1日艦長までやっていることだ。

 2019年10月6日、防衛省海上自衛隊の公式アカウントがこんなツイートをしていた。

〈【自衛隊観艦式】護衛艦「いずも」は、先程、メイプル超合金さんを1日艦長に任命しました。12時30分からメイプル超合金艦長によるトークショーを赤レンガパークの会場で行います。〉

 周知のように「いずも」は31億円をかけて空母化された護衛艦で、その機能は専守防衛を逸脱して、米国を支援するための布石ではないかと批判を受けている。

 情報番組のコメンテーターを務める人間が、そんな批判のある自衛艦のPR役を“お仕事”としてやるというのは、普通、あり得ないだろう。

 しかし、カズレーザーは2020年には「桜を見る会」に招待されて、嬉々として参加。安倍首相とがっちり握手していたこともある。今回も大好きな自衛隊の予算を増やすためにPRを、といわれれば、二つ返事で引き受けるかもしれない。

八代英輝弁護士、吉本芸人らもすでに自衛隊に全面協力、今回の接触計画はもっと大物狙いか

 芸能人ではないが、もうひとり、自衛隊の予算増宣伝に全面協力しそうだといわれているワイドショーコメンテーターがいる。それは、『ひるおび!』(TBS)で共産党デマをふりまいて問題になった八代英輝弁護士だ。

 八代弁護士は、自衛隊のなかでも航空自衛隊の熱烈なファンらしく、航空自衛隊連合幹部会の機関誌で丸茂吉成・航空幕僚長と「私 空自が好きなんです!」というタイトルの対談をしたり、航空自衛隊幹部学校で講師をつとめるなど、以前からさまざまなかたちで協力してきた。

 問題になった共産党デマ攻撃でも明らかなように、もともとネトウヨ的な思想をもっている八代弁護士のこと、防衛省に頼まれれば、中国の脅威を煽り立てて予算の大幅増額PRをする可能性は非常に高い。

 さらに、吉本興業所属の芸人コメンテーターたちの存在も気になる。吉本は防衛省が2019年に立ち上げた「動画サイトジェイTube」に制作協力。NON STYLEやフルーツポンチ、尼神インターら所属芸人が出演し、現役自衛官と「銃剣道対決」をしたり「女性自衛官私服チェック」をしたりといったテレビのバラエティ番組のような内容で、自衛艦募集のPRを行なっていた。

 吉本興業は行政に食い込みPRを請け負うビジネスを展開しているため、会社としても全面的にバックアップするはずだ。

 ほかにも、自衛隊好きのネトウヨ系芸能人やYouTuber、すでに自衛隊のPRの仕事をしたことのある有名人やメディア関係者は数多く、かなりの人間が協力するのではないか。

 ただ、防衛省は今回のインフルエンサー100人接触計画で、これまで自衛隊や防衛問題に関わってこなかった大物芸能人や若者に影響力のある人気YouTuberを新たに協力者として開拓したい、という目論見もあるようだ

「防衛省の鼻息は荒く、それこそタレントでは松本人志クラス、YouTuberではHIKAKIN やはじめしゃちょーなどにもオファーするつもりのようです」(前出・全国紙・防衛省担当記者)

 いずれにしても、この先、もしワイドショーやYouTubeで「もっと防衛費を」と叫ぶ輩が現れたら、それは防衛省のステマに乗っかっているのかも、と警戒したほうがよさそうだ。

最終更新:2021.09.29 09:23

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